こんなに悲しくて幸せな終わりなんて
『JIN−仁−』との出会いは昨年末の第一部総集編でした。元来、天の邪鬼な私は、周りの大人たちが「良いよ〜」なんて言うのを聞く度に、「所詮は民放が作る連ドラ。大河に比べたら見る影もないに決まっている」と心で嘲笑っていました。だから、『仁』については、何の予備知識もなく、ただ第一部の放送が終了する間際に知った、少年時代に大好きだったマンガ(『六三四の剣』)の著者である村上もとか先生が原作者である、という興味だけで総集編に臨んだ訳です。しかしながら・・・完敗でした。総集編で涙が止まらず、私はたった二日間で『仁』の世界に引きずり込まれたのでした。
前作のストーリーを理解している訳ではない分、この完結編への期待感は日に日に強まり、放送開始からも毎回のように繰り広げられるストーリーの展開にワクワクさせられながら、アッと言う間に最終回を迎えたと言う感がありました。コミック版とは既に違った方向に進みつつあるとの話は聞いていたので、2時間でどんな風に話がまとまるのかに注目しながら観させて頂きました。結果は・・・またまた完敗でした。途中からは涙が止まらず、かといって隣の部屋で子どもたちが寝ていることを思うと嗚咽する訳にもいかず、ただ止めどなく溢れ出てくる涙を拭うので精一杯でした。
みなさんそうなのだとは思いますが、特に咲さんからの「時空を超えたラブレター」には参りました。自分にとって最愛の人の顔も名前すらも思い出せない、でも、その思いだけは忘れない、忘れたくない。こんなに辛く悲しいことなんてないはずなのに、「お慕い申し上げておりました」・・・そう書き上げたときの咲さんの笑顔。彼女がずっと伝えられなかった最愛の人への思い、それを伝えることの出来た喜びでもあったのでしょう。もう、彼女にとっては思い出すことも出来ない過去のこと、でも、これほどまでにストレートな愛情表現がこれまでに存在したでしょうか。そして、150年の時を超えたラブレターによって、二人の愛はまさしく永遠のものとなったのでしょう。本当に、本当に美しく切ない物語をありがとうございました。
ほにゃらら先生/男性 (42) 2011.6.27 (Mon) 12:39