先生、命の値打ってのは長さだけなのかい?
田之助さんのこの言葉が心にグッときました。人の命というのは本人がどう生きたかによって価値が変わってくるのですね。延命だけがよいとは限らない。たとえ人生が短くとも充実させて毎日を生きれば自然と輝いてくる。それこそが意味のある生き方なのだということを教えてもらった第五話でした。
吉十郎さんは過去から自分が「役者バカ」だったために、与吉ちゃんに苦労をさせ、そのことがずっと心に引っ掛かっていたわだかまりというのがあって、強がりを言いつつも苦しんでいたのでしょうね。多分、仁先生がいてくれなかったら、亡くなる直前まで救われない運命にあったかもしれません。仁先生が存在してくれたことで吉十郎さんは救われたのです。
仁先生は歴史の修正力について悩んでいました。きっと、佐久間象山先生の「救え!心のままに。」の言葉が常に心にあって、使命感に燃えているようにも感じられました。また、お初ちゃんを救えなかったことがトラウマになっていたことも事実のような気がします。そして龍馬さんを救いたい!という気持ちもあって焦っているようにも見えました。なんせ、龍馬さんの運命の日まであと1年しかありません。 実は私も焦っています。
仁先生のタイムスリップによって幕末の医学が目覚ましく進歩し、同志たちの和も保たれています。仁先生が来てくれたからこそ、このような世の中になったのかもしれません。前作の田之助さん然り、多紀先生然り。山田先生、福田先生たちもみんな仁先生の人柄に惹かれて集まった同志ですものね。
「世の営みを超えるもの。」 咲さんが良いことをおっしゃっていました。
対立関係にあった西洋医学所と医学館だって少しづつ歩み寄っていませんか?龍馬さんがニッポンをひとつにするように、仁先生も日本の医学をひとつにしているのでしょう。そういうところが龍馬さんと仁先生、似ていると思います。
吉十郎さんは、「大和屋!」 「よっ、日本一!」と愛する息子に言葉をかけられてどんなに嬉しかったことでしょう。命の灯が消える時に、一生分の喜びを味わえることほど幸せなことはないと思います。
毎日を無駄なく生きるということは、なかなかできることではありませんが、私もこの親子を見て、毎日を大切に生きて行きたいと思いました。感動をありがとうございます。ちなみに、第五話は二回目を観て感想を書きました。
本当にスルメのようなドラマですね。
穂波/女性 2011.5.18 (Wed) 22:43