理想的環境
今回の内容は、完結編として放送された中で一番良かったように思います。筋の流れに緩急があり、落ち着いて堪能出来たからです。ファンメッセージを見ても同様に感じる方が多いようで、良かったです。
特に感じたのは周到に練られたシナリオの良さで、龍馬が薩長同盟成就のため西郷を説得する際に、仁先生が西郷にオぺさせろと迫った件を引き合いにしたのは秀逸でした。西郷も傑物だから、龍馬の意図を汲み取っていく様子が無言の表情から伺われ感動しました。
一方、仁先生と咲のヤジキタ道中が微笑ましく、ほど良いチェンジオブペースになっていました。やっぱりこういう場面もないと、押しまくるだけのストーリーでは観ていて疲れてしまいます。自分を気にせず幸せになってくれと言う朴念仁の先生に対し、思わずホンネを語ってしまう咲がとても可愛らしかったです。
龍馬については相変わらずの型破り三昧で、不承不承で護衛を務める長州藩士の東に対し、そんな所が好きだと飛びつく様が笑えました。加えて東と龍馬の関係を薩長の例に引いて、最後は仁先生をオチにするところが憎いです。この一連の流れを見ただけでも、考え抜かれたセリフ回しであると感じます。放送時間が5分拡大されたのは放送直前だったものの、TBSの英断に深く感謝します。
今後も製作サイドとファンとの良好な関係が続く限り、『JIN−仁−』が素晴らしい作品になる事は約束されたようなものです。観る側にとってこんな理想的環境に出会えたことを、私はしみじみ喜んでいます。
光太郎/男性 (50) 2011.5.13 (Fri) 16:44