コシノジュンコ MASACA

ファッションデザイナー:コシノジュンコが、それぞれのジャンルのトップランナーをゲストに迎え、人と人の繋がりや、出会いと共感を発見する30分。MASACA!な驚きを創造する人々…MASACA!な未来を想像する人々…そんな人々との出会い「MASACA!」がCREATIONを生み出す!

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コシノジュンコ MASACA
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出演者

コシノジュンコ
大阪府岸和田生まれ。78年パリコレデビュー。世界各地にてショウを開催。オペラやブロードウェイミュージカルの舞台衣装、スポーツユニフォーム、インテリアデザイン等幅広く活動。MASACAは初のラジオレギュラー番組。

出演者

出水 麻衣
TBSアナウンサー。
1984年2月11日生まれ。東京都出身。
上智大学外国語学部英語学科卒。
趣味:特スポーツ観戦・グルメツアー・観劇・ゴルフ・ランニングなど

2016年01月17日(日) 放送

「しきり」と「作法」のお話

JK:日本の古来からある「しきり」っていう、不思議な言葉ですけど。
出水:仕切る
JK:仕切る、っていうのもあるけど、「しきり」。
物事の境界線みたいなことですか?
JK:そうそうそう。たとえば一番わかりやすいのは「のれん」ですよね。
出水:暖簾。
JK:暖簾って、布1枚だけど、向こうと内側の仕切りって、これ怖い世界なんです。
怖い世界なんですか?
JK:たとえば勝手に入っていけないじゃない。あんな布1枚なのに。
出水:確かに。
JK:精神的にきちっとした、例えば相手を尊敬する、という、内と外を分けるという仕切り。
出水:確かに、別空間に入るぞ、というような気持になりますよね。
JK:そう。外国だったら鉄のドアとかあるけど、日本の場合には、本当に繊細なものが仕切ってて、それできちっと守るっていうね。例えば「一見さんお断り」ってあるでしょ?
出水:京都の老舗の料亭ですとか。。。
JK:暖簾っていうのは、予約なしにはくぐれないじゃないですか?
出水:確かに。
JK:予約してあると、堂々と、くぐれるわけでしょ。たった暖簾1枚なのに、凄い大きな仕切りだと思うのね。それとお扇子もそう。
出水:扇子もですか!?
JK:着物着ると御扇子ちょっとこう、帯のところに。
出水:帯のところに差しますね。
JK:あれは大切なのは、人とお話するときでも必ず、御扇子を横に置いて、っていうことで。
出水:そうか。正座して、ひざの前に横にして扇子を置きますね。あれは対峙しているお客様との仕切りということなんですか。
JK:ある時ね、そういう関係の方と対談したんだけど、立っていたのに、御扇子を横に持たれて。横に持って対談したの。正座してお座敷じゃなくて、立っているときでも御扇子を横に持って。
という風に扇子って、扇ぐだけじゃなくて、そういう仕切りのひとつの表現として、凄く素敵なことですよね。
出水:扇子は相手との結界を意味していて、けじめをつける作法と言われていますけど、言い換えれば人との距離があるというような、意味合いにもとられなくもないですけども。
JK:そうね。
出水:そういった日本古来のお作法を知っていくのも、とっても大切なことですよね。そしてそれをまた継承して、新しい空気を取り入れるもの大切なことですよね。
JK:素適ですね、日本の伝統って。

ゲスト:東儀秀樹さん(雅楽師) パート1
自然に生まれた音楽・・・MASACA?


JK:新しい生き方っていうか、基本的に伝統的な篳篥(ひちりき)、笙(しょう)もありますけど、それと今の現代的なものとのミックスというかコラボレーションていうか、新しいことをやっていますけど。昔はロックとかやっていらしたから、そういうフィーリングってあるんですか?
東儀:あの〜、雅楽を始める前から僕は音楽はとにかくイロイロ好きで。とにかく音楽を習ったことも作曲したことも何もないんだけど、実はアルバムのバックでピアノを弾いていたり、ベースやったりドラム叩いているのは、ほとんど自分で弾いていて、だけれどもピアノのお稽古をしたことはほとんどなくて、だけど、音楽がなんか、物心ついた時から、音感が見についていて、
JK:それはどういうことかしら?

東儀:この音とこの音を組み合わせたらアレになるっていう、五線紙上で教わったことじゃなくて、感覚で全部わかっていたので、その感覚だけが僕の音楽素養があったんですよ。それをもってすれば、ロックだろうと、クラシックだろうと、雅楽だろうと、音の長さと音の高さとか、こう、複数の分析とかっていうのができれば、どんなジャンルだって出来ると僕は信じることができた。
JK:東儀さんおっしゃっていたのは、雅楽を聴ききてください、じゃなくて、雅楽を感じてほしい、とおっしゃっていて、全身ですよね。

東儀:それはどの音楽だって、そうですよ。
JK:聴くっていうと、なんかすごくアレだけど、感覚的、感じるっていうのは、凄く。空気感とか。

東儀:音楽はね、クラシックもロックも雅楽も、皆感じるものだから、いいと思えばいい、嫌だと思えば嫌で、好き嫌いもあればいいんだけどね、だけど僕は雅楽を習得したときに、その前にいろいろやって楽しんでいたことは、古典の雅楽を見るにも、特になっていて、、たとえば篳篥を最初に吹いてみたときに、「あ、これだったらアレも出来る」って簡単に閃くことができたのは、他の音楽で遊んできたからですよね。
で、僕の音楽を分析すると、西洋楽器と日本の楽器、西と東が一緒になっていたり、新しいものと古いものが一緒になっていたりするんだけど、人がやっていないソレを狙ってやってみようと思ったことはひとつもなくて、「これもいいじゃない?」って、西洋楽器を十分遊んで来た人間が、雅楽を正当に収録して、自然に生まれちゃったって言う。
JK:そんなの、世の中に東儀さんしかいないわよ。(笑)
出水:本当に・・・(笑)

=オンエア楽曲=
M1. I’ll Be There / Jackson 5
M2. 浜辺の歌 / 東儀秀樹

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