
出水:宇野さんは1960年代に、横尾忠則さんたちとイラストレーションスタジオを設立しまして、アニメーション映画や企業広告など、日本のグラフィック界の代表作を数多く手掛けていらっしゃいます。
当時のお仲間も非常に豪華でいらして、和田誠さん、金子国義さん、加賀まりこさん、安井かずみさん、当時ジュンコ先生と出逢っているんですよね。
JK:それで青山の外苑通りのところに、COLETTEっていうブティックを作ることになったんですよ。それをね、たかはしむつろうさんとか、金子国義とか、宇野さんとか、みんなでこのお店を創ってくれたの。このテントにね、くちびるのマーク、ロゴを宇野さんが創ってくれたの。
出水:くちびるの中に、ちょっとキッチュな文字でCOLECTTEと。
JK:アールヌーボー的なね。
宇野:アールヌーボーとサイケデリックみたいな字体のね。
JK:サイケデリックって、こんなような字だったわね。
宇野:でも、僕がもし、何の条件もなしにくちびるを描いたら、本当は怒るはずですよね、こんなにマンガチックで。
JK:でも、このマンガチックが凄い受けたわね。
宇野:でもこれジュンちゃんの発案で。
出水:覚えています?
JK:覚えてない・・・
出水:覚えてない!(笑)

宇野:自分を客観的に見る眼があるんですね。
出水:本当に豪華なメンバーと作られたお店で。
JK:そのときの周りに、宇野さんていうのがスターでいたわけ。「話の特集(※)」とかね。
宇野:話の特集っていう、なんていうのかな・・・
JK:アーティストの塊みたいな本ですよね。
宇野:アートディレクションを和田誠がやって、カメラマンの方を立木義浩、篠山紀信。作家も凄い人が周りにいた、遠藤周作さんとか、野坂昭如さんとか。
出水:当時のメンバーが持っていた気持ちとか、意識とかって・・・
JK:私が思うに、そういうジャンルが違う人達に壁がなかった。へっちゃらで。
宇野:そうですね。喋らなくても好みが似ているとか、たとえば演劇で言うと、台本が出来ていない段階でポスターを作らなくてはならない。たとえばポスターの中に裸の女性がおっぱいを絞ってカフェオレにしているとか、そういうのをやると、寺山修司さんが面白がって、マジシャンと相談して、舞台上にそういうキャラクターを入れちゃったんですよ。
JK:寺山さんなんか、即、飛びつくわね。
※「話の特集」:1965年から1995年にかけて発行された雑誌。

=オンエア楽曲=
M1. #9 Dream / John Lennon
M2. Border Song / Elton John