出水:2012年7月に、桂文枝を襲名されてから、およそ3年半がたちましたけど。
文枝:そうですね、3年半たちましたけど、いまだに皆、三枝さん、三枝さんと。47年間、三枝でやってましたからね。
JK:長かったから。切り替えがなかなかできない。
文枝:私も、どうしようかな、思ったんですけど、談志師匠(立川談志)なんかは、もう「反対だ」と。三枝を大きな名前にしたんだから、いいじゃないかと言われたんですけど、やっぱり伝統の社会ですから、伝統を引き継いで新しい時代を迎えて、その新しい時代につないでいくためには、そういう名前だけでも残して行こうと。歌舞伎がそうですよね。新しい事やっているんだけども、やっぱり猿之助さんなんかは、マンガやってますよ、マンガ。ねぇ。まぁ、こんな言い方するとあれですけど、一番大阪で大きな名前なんですよ、「止め名」言うてね。それが無くなるということは寂しいから継いでくれ、ということでね。じゃあ継ぎましょうということでね。
JK:名前を切り替えるって、何かね。長いこと慣れてきた名前が・・・
文枝:だから六代文枝なんです。六代目じゃなくて。亡くなってから目がつくらしいんです。六代文枝なんです。
出水:じゃあ六代目と言ったら失礼にあたるんですね。
文枝:まぁ、失礼ではないですけど、一応。

JK:利休なんか、完全に大阪弁でしょ。堺やから。
文枝:私は堺の北野田いうところで生まれましてね。今70ちょっとですから。利休は70歳で亡くなっているんですよ。ぴったりなんですよ。
JK:この前なんか、頭、剃ってて、坊主だったのに。
文枝:それは利休やるから、準備だけしておいてくれと。お茶も習いに行っていますし。
出水:そうなんですよね。NHK大河ドラマ「真田丸」への出演も決まっているという、役どころは千利休と。
文枝:僕はもうアレですよ、ソフトクリームは抹茶味しか。
出水:えぇ!そこまで役作りのために。もう出所というのは決まっているんですか?
文枝:判らないんですよ。(脚本の)三谷幸喜さんからメールが来ましてね。最終回までには出番がありますから、と。
JK:大物に挑戦されるから。
文枝:利休って言うのは調べれば調べるほど凄いですね。文化人でありながら、
JK:政治家。
文枝:政治家というか、秀吉のね、本当に大体のことは利休に訊けと。公のことは秀永に訊けと。本当に右腕左腕だったんですよ。お茶を飲むのも、こうして飲みなさいとか、こういうところで飲みなさいというのは、コーヒーや紅茶には伝わっていないわけでしょ。飲み方が。茶は400年前から、今でも御三家に通じて、茶道として。お茶飲むときに、スグ飲むのではなくて、まず眺めて・・・。利休が愛したのは黒楽茶碗という、まずそれを見て、世界を感じて、そして飲むと・・・。これがまた大変なこと。で、お濃茶は回して飲む。これはキリスト教から来ているともいわれているんですよ。そういう研究もね。
JK:だから利休はね、キリスト教だったの・・・
文枝:キリシタン大名が弟子に多かったんです。高山右近とか、細川忠興とか。
JK:だから裏千家にこんな分厚い聖書がどかーんと置いてあって、そのような像があるんですよ。
文枝:あるんですよ。裏千家、表千家、武者小路千家ね。

出水:ちょっと失礼な質問になるかもしれないですけど、演技の方は文枝さん・・・
文枝:私はね、高校時代は演劇部で、いままで、まだ皆さん知らないけども、映画、帝都物語であるとか、テレビドラマ「ファッション好きやねん」、をはじめとして、朝の連ドラ(カーネーション)、ほとんどあまり知られていないんですけど、吹き替えも、スタジオジブリ「紅の豚」で、ピッコロおじさんを演じているのは私なんです。
出水:知らなかった〜ジブリ作品。
文枝:全然顔が違うんだよね。名前が出て来たときに、あ、あの人が演じてたんや、って。多分お茶をたてるところは違う人がやると思うんです、手元は。
出水:でも、和装は着慣れていらっしゃいますし。楽しみです千利休。出番楽しみにしております。

=オンエア楽曲=
M1. HANABI / DRUM TAO
M2. Rising Sun / EXILE