岡本:こんな声で、なんか生まれつき、ソプラノの声を持っていたんですよ。
出水:女性のソプラノの音域をもつ、男性・・・
岡本:いわゆる普通に女性のソプラノ歌手って想像したときの声ですよね。一応お医者さんに見て頂いたら、ちゃんと変声はして、大人の喉になってはいるそうです。不思議だよね。
JK:普通、男性のソプラノってありえないものね。テノールとかならわかるけど。
岡本:成人した男性が裏声で歌うカウンターテナーっていう声があるんですけど、カウンターテナーは大体男性のアルトの声を差すんですよね。女性の中では低めのパートなんですけど、ソプラニスタっていうのは、もう一つ上の女性ソプラノの声を、成人男性の僕が生まれながらの力で出すという。
JK:世界にもいないんですか?
岡本:裏声でか細く美しく出される方は沢山いるんですけど、僕の場合は肺活量が1万3000ccあって・・・
JK:そんなにあるんですか!
岡本:この生まれつきデカい身体なんで
JK:小学校の時から大きかったのよね。
岡本:ちっちゃい頃から大きかったんですよ。
出水:岡本さんは裏声はお持ちなんですか?
岡本:厳密は裏声で歌っているんだと思うんですよ。でも普段のこの声も、創っているわけではなく、地声なんですよ。
JK:その声で曲を付けるとオペラになっちゃうし、ということなのよね。
岡本:特別なテクニックを使って裏声を出しているわけではないんですよね。
JK:普通は手術して、それでずっとその声を保つために、大変な手術するんでしょ。
岡本:今ではその手術は禁止されているんですけど、オペラの発祥の時代、西暦1600年ころ、日本だと関ヶ原の戦いの時代ですよ。その時代に生まれたのがカストラートという、男性の高い声を、子供の頃から大人になっても維持していくという。
JK:それはカトリックとしては、違反ということよね。
岡本:そうですね、それはカトリックの歴史、クラシックの歴史の中でも、身体を人為的に動かしてでも声を出したというね。
JK:それなのにナチュラルに声を出したという。世界でもひとりなんですよね。
岡本:探したらいると思うんですけどね。高知県の四万十川のほとりでうまれた僕が、なんでこんな声を授かったのかね、よく考えます。
出水:考えてなにか、たどり着いた結論みたいなものってありますか?
岡本:やっぱりね、日本人としてオペラに接するという、立場とか、、、それから田舎に生まれたこと、東京じゃなくて高知の田舎に生まれたというのは、歌を歌うときに財産なんですよ。
出水:と、言いますと。
岡本:やっぱり自然の豊かさとか、香りとか、間隔とか、それからやっぱり人の温かさ、都会では味わえないものが沢山あるので・・・そういったものを先に知って、東京に来て、フランスとか海外に住んでみて、という色々な財産の幅が、田舎にうまれたおかげでとっても大きい。
岡本:だから僕のコンサートは絶対に僕の地元のおっちゃんおばちゃんたちが楽しんでくれるようなものにしないと、クラシックが好きな方だけが楽しいものじゃなくて、皆が「行って良かったね」って思ってくれるような温かいものにしたい。
JK:高知じゃアレでしょ、、、オペラとかクラシックとか、、、、、
岡本:無いもん!
出水:そうですよね。高知出身の方が世界的オペラ歌手になるというのは、誇りだし、宝でしょうね。
岡本:だから最初は一生懸命、イタリアのオペラ発祥の時代を勉強して、男性のソプラノ歌手だから歌える曲を探したんですけど、いや、違うな、と。声が高いから歌っているんじゃないぞと。自分の大和魂で、美しい故郷の高知の風景いっぱい詰まった岡本知高を唄で表現したいですね。
JK:ダイナミックでいいわよね。ダイナミックだけど、考え方がナチュラルで大き。
岡本:格好つけてもしょうがないなと思って。
=岡本知高さんコんサート情報=
Concerto del Sopranista 2015 東京公演
【期日】2015年9月27日(日) 14:00開演
【会場】東京オペラシティ コンサートホール
【チケット】 6,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
【出演】 岡本知高(ソプラニスタ)、河原忠之(ピアノ)、音楽案内人
【ご予約・お問い合わせ】サモンプロモーション: 0120-499-699 (1000〜18:00)
=オンエア楽曲=
M1. カーネーション / 椎名林檎
M2. 誰も寝てはならぬ / 岡本知高