出水:別所さんは、アジア最大級の短編映画祭、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」の代表でもいらっしゃいます。今年も6月4日、まもなく開幕です。
JK:私も以前SSFFの審査委員をさせていただいて。もう何回目になりますかね。
別所:もう17年になりますよ。
出水:SSFF、立ち上げのきっかけというのは?
別所:1991年が第1回になるんですけど、僕はアメリカのフハリウッドで映画デビューしたので、LAと東京を行ったり来たりになりまして、その際に現地で必ずショートフィルムの話になっていて。アカデミー賞にショートフィルムの部門があることなどは知っていたんですけど、現地で観たことがきっかけです。
JK:ショートフィルムの歴史は長いんですか?
別所:ショートフィルムは映画の原点でもあるし、画家で言うとデッサンがみたいな、映像作家の初めの一歩でもあります。
JK:メッセージがキチッとしていれば、1分でも結構強いですよね。長いからいい、短いから駄目、ということはないの。
別所:そうなんです。短くてもギュッとエスプレッソコーヒーみたいに凝縮されていて、そこに映画の宇宙があるというのがショートフィルムで。
ショートフィルムは「ワンシチュエーション・ワンメッセージ」なんて言って、あまり色々なロケ地に行くようなものではなくて、メッセージ性の強いもの。それから4コマ漫画みたいな、かわいらしい、くすっと笑えるものもありますし。
JK:全然お金のかかっていないものもあるしね。なんでもありなんだけど、心を打つかどうか、よね。
出水:SSFFに参加するには、ある程度、その、オーディションと言いますか。
別所:世界中から公募という形で毎年8月からやるんですけど、凄いですよ、もう5000本も集まっていますから。
JK:それを見るの大変じゃない?
別所:大変ですよ。スクリーナーというスタッフがチームを作って、全員でチェックをしていくんですね。
JK:17年前の1回目は・・・
別所:そうです。僕と数人の仲間でスタートして、映画祭の右も左もわからないので、自分でアメリカ大使館に企画書持って行ったりとか、ジョージ・ルーカスさんにeメール打ったりとか・・・
やり方がわからないので、自分が動くことからです。
出水:今でこそ市民権を得られているSSFFですけど、初められた頃は周りの反応は如何でしたか?
別所:最初の頃はショートフィルムなんて言っても、「え?8ミリの映画?」とか「学生の映画?」とか、そんな感じですよ。いろんなこと言われましたけど、だんだん市民権を得て。
出水:ジュンコ先生は審査委員を務められたことがありますが、その時の印象というと・・・
JK:意外にアジアの人がすごい頑張っているな、と思って。結果的に「&アジア」となったのは、当然の事だと思う。
別所:ありがとうございます。
JK:(映像を観て)「こんな場所あったの?」っていうのが、フィルムで実際に見られるわけだから、行ったような気になっているし、次にバンコクとか行ったとき思い出すもの。
別所:中国なんかも、北京五輪以前、都市開発が入る前の映像がショートフィルムで納められているものもあって、まさに真空パックされているというか、そこにいろいろな価値観が閉じ込められていて。
JK:お互いのアジアの文化を、きちっとしっかり理解できて、紹介し合うという、本当にいいことやっていますね。
=INFORMATION=
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015
6月4日(木)〜6月14日(日)
(会期中は一部のイベントを除き無料上映)
会場:表参道ヒルズ スペース オー/シダックス・カルチャーホール/ラフォーレミュージアム原宿/iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ/アンダーズ 東京 Andaz Studio/ブリリア ショートショート シアター
上映スケジュールなどは下記公式ホームページで
http://www.shortshorts.org/
=オンエア楽曲=
M1. I Can't Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch) / The Four Tops
M2. I'M AN OLD COWHAND (FROM THE RIO GRANDE) / Bing Crosby