上田晋也のニッポンの過去問

過去の放送内容
【第57回】「かつて覚醒剤ヒロポンは”国策”だった(1951年)」(7月20日放送)
「上田晋也のニッポンの過去問」 第57回は、日本で発明されたドラッグ「覚せい剤」について取り上げました。
昨今、有名元スポーツ選手や元芸能人などの濫用で、大いに世間を騒がせた覚醒剤ですが、
覚醒剤が最初に発明されたのは、ほかならぬこの日本でした。
戦前の日本では、この「覚醒(目が醒める)剤」という名称が表すとおり「疲労回復」「能率向上」などのために使われていたのです。
当時、覚醒剤は合法。広告には「頭脳が明晰になる!」「集中力が昂進!」などとうたわれ、時局柄「戦意昂揚」などのためにもさかんに使用されました。
それはいわば戦前戦中の一種の「国策」だったのです。
その最もメジャーな製品が「ヒロポン」です。ヒロポンは、普通の薬局で、普通に売られ、受験生なども使っていたといいます。
ところが、戦争が終わり、軍からヒロポンが闇に(しかも大量に)放出されると、日本中で依存症が大問題となります。
いわゆる「ポン中(ヒロポン中毒)」の蔓延です。
1951年、国は覚せい剤取締法を制定、覚せい剤の一切の製造、販売、使用を禁じます(医療用を除く)。
しかし、その後、覚せい剤は海外で生産され、ひそかに日本に持ち込まれ、暴力団の資金源などになっていくのです。
「覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか?」の有名なCMが流れたのは、そのさなか、1983年のことでした。
現代は、危険ドラッグの時代へ。覚せい剤は手を変え品を変え、相変わらず裏社会に出回り、使用者の人生を破滅に導いているのです。
現代では誰が使っているのか(意外な人物像です)。そして、覚せい剤を根絶するにはどうしたらいいのか。
ゲストに元麻薬取締官の高濱良次さんをお招きし、覚せい剤の歴史と現実、そして、対応策を語っていただき、
改めて覚せい剤の恐ろしさが身にしみたそんな回でした。
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