コンテンツへジャンプ

ここからコンテンツです

TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

8月11日(火)ディレクター日記

日記の内容

毎回、番組で取材に行くときに凄く気にしていることがある。それは天気だ。もちろん、狙うのは晴れの日。当たり前だが、雨の日はもちろん、曇りの日だと印象が全く違うのだ。画面で見ると本当に全然違う。だから、毎日天気予報を眺め、
撮影する日を探る。しかし、天気予報というのは気まぐれで、2日前位までは晴れの予報だったのに、急に雨の予報になったりすることもしばしば…。
急に撮影日程を変更できないので、しかたなく“あいにくの”天候の中、撮影を行う。

しかし、そんな定説が通じない所があった。もちろん良い意味で。それが今回訪れた北海道美瑛町だった。丘の街として知られる美瑛。そのパッチワークのような丘の風景は、本当に美しく、思わず息を呑んでしまう。インターネットで見る限り…。
訪れたのは、6月上旬。天気は曇りだった。「あ〜あ〜、せっかく北海道まで来たのに…。」
気持ちが沈んでいた私だった。

ところが、美瑛は私を全く裏切らなかった。いや、良い意味で私の予想を裏切ってくれた。
曇りでも画になっていたのだ。風景の力がものすごく強かった。
セブンスターの木、千代田の丘、パッチワークの路・・・などなど、美瑛の景観が美しいとされる所は、曇りでも本当に良かった。特に、木が考え事をしているように傾いていることから、名付けられた“哲学の木”は、まさに、曇り空と一緒になって、何か小難しいことを考えているように見えた。天気は関係なかったのだ。
そんな事を一緒に仕事をした、札幌在住のカメラマン・Hさんに言うと、
何回も仕事で美瑛を訪れているHさんは、「美瑛は、どんな天候でも画になるんですよねえ。晴れには晴れの、曇りには雲りの、雨には雨の顔になるんです。」
なるほど!だから、曇りの風景もまた良いんだなあ!!
しかも、6月上旬は、観光客がほとんどいなかったので、美瑛の風景を独り占め出来た!
確かに7〜8月のそれに比べれば、風景は見劣りするかもしれないが、それを差し引いても、
心の底から本当に良かったと思っている。

また今度是非、美瑛に行きたいと思った。仕事でもプライベートでも、訪れるたびに違う風景を魅せる、あの丘に。

もちろん、天気のことなんて全く気にするつもりはない。
雨の美瑛・・・、それもまた楽しみだ。

担当ディレクター:天田誠