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TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

11月25日(火)ディレクター日記

日記の内容

大都市、大阪。今回は、主に大阪南部を旅してきました。
大阪南東部、南に金剛山、東に葛城山を頂く、自然に囲まれた千早赤阪(ちはやあかさか)村。南河内郡にあるこの村は、大阪府唯一の村です。南北朝時代の武将、楠正成生誕の地ともいわれています。
快晴の朝、ちょうど刈りとった稲を“はぜかけ”する作業が行われていました。
天日と風によって稲穂を自然乾燥させる、このはぜかけは最近では少なくなってきているようです。はぜかけによって自然乾燥させたお米には旨味、栄養分がたっぷりあるのだそうですが…。急な斜面に連なる黄金色の棚田とゆったりと流れる時間。ここが大阪だということを忘れてしまいそうな風景でした。
堺や岸和田ではこの季節、小松菜や春菊の生産も行われており、畑で小松菜を植えておられる農家の方々の姿も見ることができました。
「天下の台所」、「水の都」と呼ばれていた大阪ですが、商業の要、運搬・流通を支えたのが、舟による輸送を可能にした川、水路です。大川、堂島川、道頓堀川、木津川等々、今でも都市部を多くの川が流れていますが、昔は荷物や人々を載せた舟が行き交い、まちは大いに賑わっていたといいます。
それらの川の本流であり、大阪湾に注いでいるのが淀川です。江戸時代には三十三石船が大坂と京都の間を行き交っていたという淀川は、「水の都」の歴史、文化を育んできたシンボルであり、今も大阪の人々の心の寄りどころでもあります。
数少なくなった農の営み、農があってこその都市の暮らし、に思いを巡らせていただければなと思います。

担当ディレクター:宮國史