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TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

12月30日(火)ディレクター日記

日記の内容

広島は実は大小約140もの島々を有していると知り、今回は陸路で島を巡ることに…。
尾道は、向島、因島、生口島…と瀬戸内海の6つの島を10本の橋でつなぐ「しまなみ海道」のいわば玄関口。島々を俯瞰すべく、まずは、尾道の町や尾道水道が一望できる高台へ。坂の街として知られる尾道。
階段の細道をヒーヒー言いながら上り下りしていると、室町時代創建の天寧寺の三重塔を手前に、尾道水道を奥に臨める絶好のロケーションを発見。そこがお気に入りの場所なのか、近づいても全く動じない黒縞の猫の思いがけない演出もあり、素敵な画を撮ることができました。
猫君、ありがとう。
尾道を後にし、向かうは因島。
柑橘類の栽培が盛んな因島。みかん畑をあちこちに見ることができました。
実は、この因島は八朔(ハッサク)発祥の地として知られています。まさに八朔が発見された場所、因島の南部、田熊町にある浄土寺を訪ねました。立派なお堂の中にその原木は厳かに供えられていました。浄土寺周辺の畑には八朔はもちろん、温州みかんやぽんかん、でこぽんなど様々な種類の柑橘類が栽培されています。たまたまお寺にいらっしゃっていた、御歳84歳という岡野さんは蜜柑博士。
長年にわたりみかん栽培に取り組んでこられたそうです。
ちなみに、八朔は3月が一番美味しいとのこと。食べごろはまだ先のようです。
本州に戻り、福山市の鞆の浦へ。
鞆の浦は江戸から昭和にかけて建てられた400棟を超える建物が残されているという港町。万葉の時代から江戸時代まで、潮待ち、風待ちの港として栄えていたそうです。
「雁木(がんき)」とよばれる江戸時代に築かれた船着場の石段では、さよりの干物をこしらえるべくおばさん方が作業をされており、そこには今でも漁船が停泊しています。情緒あふれるこの町は、もちろん観光地でもありますが、日常の暮らしも大事に受け継がれてきているように感じられました。ここまで昔の町並が今に受け継がれている町は日本にそう多くはないはず。
日本人の心の拠り所として、この景観をいつまでも残していってほしいなと切に願わずにはおれません。
穏やかで何とも情緒あふれる瀬戸内海の風景にすっかり魅了されたロケでした。

担当ディレクター:宮國史