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TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

5月26日(火)ディレクター日記

日記の内容

4月上旬。桜はちらほらと花を開かせた感じで、開花状況は例年に比べて遅かったです。
向かったのは、福井県敦賀(つるが)市でした。今の福井県は昔、「越前」と「若狭」という地域に分かれていました。敦賀はちょうどその境目に位置します。
天気は晴れ。もう春なんだなあと思わせるぽかぽか陽気でした。
撮影前日、お世話になったレンタカー店の店員の方は「運が良いですねぇ。この時期、福井がこんなに暖かく、そして晴れることなんて滅多にないですから。」と言っていました。

そんな中、今回撮影したのは「黒河(くろこ)マナ」という福井の伝統野菜でした。
敦賀を流れる、清流・黒河(くろこ)川の上流域に位置する敦賀市山地区。
青空に一面花咲く、黄色い花々に目を奪われます。
これこそが、黒河マナです。この地域では古くから栽培されてきました。
見た目は菜の花ですが、違うそうです。少し大袈裟に言うと、葡萄の中で、巨峰とマスカットが違う種類なのと同じことだそうです。
収穫している方を観察していると、ある事に気がつきます。皆さん、花が咲く前の「つぼみ」の状態の茎を摘んでいきます。これは各葉の間から伸び出した"とう"と呼ばれる花の茎を、柔らかい上部の葉とともに摘んでいるのです。この部分を食するそうです。
「おひたし」や3〜4日「塩漬け」にした状態で食べられます。

収穫後、地元の方々に交じって、私も塩漬けにされた黒河マナを頂きました。
味は、ちょうど良いほろ苦さで、塩との相性もバッチリでした。「ビールに良く合う!」と地元の方も言っていました。まさにその通りでした。
青い空、そして黄色い花々に囲まれて春の味覚を楽しめたのは、本当に格別でした。

担当ディレクター:天田誠