コンテンツへジャンプ

ここからコンテンツです

TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

3月31日(火)ディレクター日記

日記の内容

古より、神秘の海として知られた豊穣な有明海。弥生時代、有明海の水面は今より5メートルほど高く、その海岸線上に位置していた、吉野(よしの)ヶ里(がり)の大集落からは、多くの貝塚が見つかっています。 今の佐賀平野もかつて有明海の一部だったそうです。そんな有明海の特徴は、大きな潮の満ち引きと、とてつもなく広い干潟(ひがた)です。

干潟とは、潮が引いた時に現れる、海底の泥の部分を言います。地元の方に有明海を撮影することを言うと、「有明海を撮影するならやっぱり干潟でしょう!」と即座に答えが返ってきました。
そんなわけで我々撮影スタッフは潮見表を確認して、干潟になる12時30分位に有明海に面した佐賀県白石町へ向かいました。私にとって初めての有明海。行ってみると、海は一面、干潟になっていました。見渡す限りの泥土。海のない埼玉県出身の私は、こんなにも潮の満ち引きが激しさに驚いてしまいました。

そして、さらに驚いたのはムツゴロウでした。ご存知かと思いますが、ムツゴロウとは有明海に生息する海水魚です。目が頭頂部に突き出ていてよく動くのが特徴で、その独特の風貌で良く知られています。
しかし、ムツゴロウを初めて見たから驚いたのではありません。驚いたのはその数の多さでした!
泥土にムツゴロウが、うじゃうじゃいたんです。何匹位でしょうか?・・・あくまで見た目で判断すると少なくとも100匹以上ははいたんじゃないでしょうか?!
「2〜3匹でもいればラッキーかなあ」と思っていましたが、もうラッキーどころではありませんでした。
数の多さを撮影すると、ムツゴロウさんには申し訳ありませんが、ちょっとグロテスクな印象になってしまいました。でも、有明海の泥土の上を動くムツゴロウ単体はとてもかわいらしいので、一匹のムツゴロウを撮影することにしました。
ムツゴロウはとても警戒心の強い魚です。5m位離れて撮影しているのですが、コチラが手を挙げただけで、ビックリして泥土の中にもぐってしまいます。
その姿が風貌と相まって、とてもかわいらしいんです。画になるんです。
なので、何度か動くところを撮らせてもらいましたが、全てにおいてパーフェクトでした。さすがムツゴロウ様!番組に彩りを与えてくれた素晴らしい役者ならぬ、“役魚”でした!
最後に・・・、ムツゴロウさん、何度も驚かしてごめんなさい。

担当ディレクター:天田誠