コンテンツへジャンプ

ここからコンテンツです

TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ディレクター日記

1月27日(火)ディレクター日記

日記の内容

香川県、高松からフェリーで約1時間。瀬戸内海に浮かぶ小豆島。
「二十四の瞳」の舞台、壷井栄の故郷として知られている小豆島は、実はオリーブの島としても知られています。2008年はちょうど、オリーブ植栽100周年でした。
島に着くと、至るところにオリーブの木を見ることができました。ロケ日は生憎の雨でしたが、しっとりと水に濡れたオリーブの葉の碧さ、実のつややかさもなかなか美しくきれいなものでした。
撮影させていただいた「小豆島 オリーブ園」は、民間として日本で初めて開園したオリーブ園。(1919年開園)ここには、最初に小豆島に根付いたオリーブ原木の一つが現存しています。オリーブ=細い木をなんとなく想像していたので、そのどっしりとした威厳ある姿には驚きました。やはり百年の重みでしょうか…。
オリーブの実は10月中旬から11月中旬は緑色の果実を採り塩漬けに、12月〜1月に採る黒紫色の実からは油を採るそうです。ちょうど黒紫色の実の収穫が終わり、採油されているところを撮影することができました。遠心分離機にかけられた後出てくるバージンオリーブオイル。加工場は、フレッシュなフルーティーな香りに包まれます。
“油性のジュース”と呼ばれているのも納得です。収穫後、採油が早ければ早いほど、良質の油がとれるそうです。バージンオリーブオイルは直接パンなどにつけて食べるもよし、料理にもよし、また化粧品としても使われています。昭和34年の輸入自由化後、海外のオリーブ製品に押されて減少していた小豆島のオリーブ生産も、近年の健康、美容ブームで再びさかんになってきているようです。
オリーブ園から車で20分くらい、急な坂道をぐるぐる登っていくと、小豆島の岬と瀬戸内海が見渡せる山頂に出ます。雨から晴れへ天気が移ろい始めた時、遠く雲間から光が海に射し込み、海上に光のカーテンが広がっていきました。紅葉が残る山と群青色の海、そしてオレンジに輝く光、島ならではの眺望はなんとも言えない美しさでした。
本州からも四国からもわりと気軽に行き来できる小豆島。他県では見ることのできないオリーブのある風景や素敵なオリーブ製品に出合える楽しい島です。

宮國史