唯物論と観念論のバランス
「JIN」は、ドラマなど年に0〜1本程度しか観ない人間もなぜか引き寄せる力を持っていました。いまだ興奮さめやらず、今はタイアップ商品の「大吉屋 かりんとう」や「安道名津」「橘家の揚げだし豆腐」をありがたく食しながら余韻に浸っています。脚気などがあった江戸時代、現代がいかに尊い先達の犠牲の上に成り立っているか...いかに今の我々の生活の「当たり前」が昔は当たり前ではなかったか...3月の大震災とあわせて改めて「日常」の尊さを実感させられました。また、橘咲さんや野風さん、龍馬さんほか登場人物のみなさんが未来へ放った「強い意志という矢」が、しかと仁先生を代表として現代人に届けられたように感じます。
「未来からのテクノロジー」(唯物論)と「人々の絆・想い」(観念論)のバランスが取れている「仁」は、折りしも2000年台の海外ドラマの売上1位の「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」も同じタイムトラベルもので、構成も同じ。良い作品の重要な構成要素は「観念論と唯物論のバランス」だということを悟りました。今後もドラマ部門の上位に君臨し続けるであろう「JIN」と「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」の2つを見比べてみると、また新たな発見が見えてくるのでお勧めです。
個人的にはタイムトラベルを「質量・エネルギー保存の法則」に当てはめて論理的に構成していけば、「JIN」もさらにおもしろい続編が作れると思います。
TOK715/女性 (30) 2011.7.9 (Sat) 02:12