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「グッドナイト＆グッドラック」　「レント」

2006年04月25日

「グッドナイト＆グッドラック」 4月29日（土）公開

５０年代のアメリカで【放送ジャーナリズムの父】と言われた実在のニュースキャスター、エド・マローが主人公。
１９６５年に亡くなっている。
マローがジェセフ・マッカーシー上院議員の《赤狩り》の暴挙に自分のニュース番組で敢然と立ち向かって、ジャーナリストとしての良心を貫いた６ヶ月間の闘いにドラマの焦点を絞っている。
このマローを演じるのは、アカデミー賞にノミネートされたデヴィッド・ストラザーン。
マローのラジオ時代からのプロデューサー役をジョージ・クルーニー。
ところで、この映画は全編モノクロのドキュメンタリータッチ。それというのも、マローと対決するマッカーシーを役者に演じさせるのではなく、当時のＴＶ映像の本物のマッカーシーを画面に登場させるためで、リアリティがより高まっている。

「レント」 4月29日（土）公開

ニューヨークの下町を舞台に１９８９年のクリスマス・イブから始る１年間の若者達の愛と友情を描いている。
貧しくて、家賃も払えず追い立てを食らっているロックミュージシャン、ビデオ作家、ストリップダンサー、女装の芸人たちの自由奔放なボヘミアン生活を歌と踊りで展開していく。
「ボヘミアン」というのは、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」が語源になっていて、既に一度ニコール・キッドマン主演のミュージカル「ムーラン・ルージュ」として映画化されている。
出演者はほぼ全員が、ブロードウェイのオリジナル・キャストなので安定した仕上がりになっている。

「ニュー･ワールド」　「ブロークン・フラワーズ」

2006年04月18日

「ニュー・ワールド」 4月22日（土）公開

アメリカでは、小学生でも知っているというぐらい有名な伝説「ポカホンタスとジョン・スミス」の物語が題材。
南米ペルーの血を引く１５歳の新人女優クオリアンカ・キルヒャーが演じるポカホンタスは、ネイティブ・アメリカンの族長の娘。
コリン・ファレルが演じるジョン・スミスは、１７世紀初頭、初めて新大陸にやってきたイギリス人の冒険家。
１０年前、「ポカホンタス」のタイトルでディズニーアニメにもなったこの物語を取り上げたのは、テレンス・マリック監督。
並みの映画は作らないことで定評のある彼の７年ぶりの新作。
ところで、東京では、サロンパスルーブル丸の内という劇場のみだが、７種類の香りが、パソコン制御で客席の足元の装置から、漂う仕掛けつきで上映される。
例えば、ラブシーンにはバラの香り、旅立ちのシーンにはレモンの香りなど・・・

「ブロークン・フラワーズ」 4月29日（土）公開

ジム・ジャームッシュ監督の長編としては６年ぶりの新作。
去年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。
主演は、ジャームッシュの短編集「コーヒー＆シガレッツ」にも顔を出していたビル・マーレー。
そのマーレーが演じる主人公、ドン・ジョンストンは、若い頃は、プレーボーイでならした４０代の独身男。
今は、ＩＴ長者になって、引退し、金は有り余っているので仕事の必要もなく、毎日、ぼんやりテレビを眺めては、魂の抜け殻のように無気力な日々を送っている。
ある日、彼の元へピンク色の封筒に入った差出人不明の手紙が届き、「実は１９歳になる息子がいて、近々尋ねていくかもしれない」と知らされる。
というわけで、かつてのドン・ファンは、心当たりのある４人の女たちを訪ねる旅に出る。
２０年の歳月に少しくたびれ、色あせたブロークン・フラワーズ達として登場する女優はシャロン・ストーン（今、全米で「氷の微笑パート２」が話題）、ジェシカ・ラング、ティルダ・ウィンストン（日本でもロングラン中の「ナルニア国物語」の氷の女王役）。

「クライング・フィスト」　「Ｖフォー・ヴェンデッタ」

2006年04月11日

「クライング・フィスト」 4月15日（土）公開

ボクシングを題材にした最近の韓国映画の中でも出色の１本。
昨年のカンネ国際映画祭で、国際批評家連盟賞を受賞したリュ・スンワン監督（３２歳）の４作目。
異色なのは主人公が２人登場すること。
まず１人目は、チェ・ミンシク（つい最近紹介した「春が来れば」でもおなじみのベテラン）
彼は、銀メダルを取ったこともある元ボクサーで、４０歳。
今は事業に失敗し、妻子とも別居、借金返済のために繁華街に立ち、殴られ屋をしている。
もう１人の主人公は、リュ・スンボム（監督の実弟の若手俳優）彼は少年院送りになった１９歳の若者で、素質を見込まれ、少年院のボクシング部へ入れられる。
父親が事故死し、病床の祖母のためにも、彼は立ち直る決心をする。
とりわけ、見ものはベテランのチェ･ミンシクにボクシングだけでなく、捨て身の熱演でぶつかっていく若手のリュ・スンボムの演技に注目。

「Ｖフォー・ヴェンデッタ」 4月22日（土）公開

「マトリックス」３部作を大ヒットさせたウォチャウスキー兄弟がまたまた放ったヒット作。
ただし、今回は脚本と制作のみで、監督は、「マトリックス」の助監督を務めたジェイムズ・マクティーグのデビュー作。
時代は、２０２０年ごろの近未来。第３次世界大戦後、独裁国家となったイギリスが舞台。BR> 移民や異教徒や同性愛者や政治的活動家らが排除されたファシズムの支配へ、Ｖと名乗る仮面の男が、政府転覆のために立ち上がる。
見所は、そのＶに危機を救われた労働者階級の若い娘（ナタリー・ポートマン「スター・ウォーズ」新シリーズでおなじみ」）が、Ｖの協力者として、反逆精神に目覚めて、成長していく姿
これが新人監督のデビュー作は思えない堂々たる仕上がりぶりに、ウォチャウスキー兄弟が、実は現場で監督はアシストをしたのではないかという噂が一部で囁かれているほどいい出来上がりになっている。

「プロデューサーズ」　「リバティーン」

2006年04月04日

「プロデューサーズ」 4月8日（土）公開

ブロードウェイの上演作品を対象にしたトニー賞で２００１年に史上最多の１２部門を受賞して、現在もロングラン・ヒット中のミュージカルを映画化。
主人公は、落ち目のプロデューサーを演じるネイサン・レイン、気の弱い会計士を演じるマシュー・ブロデリック、共に舞台のオリジナルキャスト。
このミュージカルの脚本・作曲は有名な映画監督メル・ブルックスで、彼が１９６８年にアカデミー賞脚本賞を受賞した「プロデューサーズ」というコメディをミュージカル化したもの。
ヒロイン役のユマ・サーマンも歌って躍ってみせるが、ミュージカルナンバーの数々を楽しむよりも、絢爛豪華なドタバタコメディとして笑える作品になっている。

「リバティーン」 4月8日（土）公開

いまや日本の映画ファンでも人気ＮＯ１と思われるジョニー・デップの新作。
こちらもオリジナルは舞台劇で、ロンドンやシカゴで上演され評判になったもの。
デップが演じる主人公は、１７世紀、王政復古時代のイギリスに実在した詩人で劇作家のロチェスター伯爵で、実際にはポルノ作家として有名だった人物。
映画は、数々の女性、時には男とも関係を持ったとも言われる主人公の無名の女優（サマンサ・モートン）との恋や国王チャールズ２世（ジョン・マルコビヴィッチ）との対立などを中心に、主人公の自己破滅型の半生を描いていく。
ロウソクの光だけの時代とあって、画面も暗く、中盤まではハンサムな青年貴族ぶりを発揮するデップも、終盤は、アルコールと性病に犯されて、衰えていく主人公の姿をリアルに演じてみせる。

「ファイヤーウォール」　「ナイト・ウォッチ」

2006年03月28日

「ファイヤーウォール」４月１日（土）公開

ハリソン・フォードの最新作で、コンピューター・セキュリティを題材にしたスリラー。
最近のウィニーによる個人情報漏れ事件を、いみじくも反映している。
主人公は、銀行のコンピューター・セキュリティシステムの第一人者だが、一年間かけて彼の個人情報を全て事前にキャッチした強盗団が、彼の妻子を人質に、彼の自宅に閉じこもり、彼自身が開発したシステムを破らせ、銀行のネットワークに侵入し、強盗団の口座に約１００億円を振り込ませようとする。
主人公自らが設計した難攻不落のシステムに挑戦せざるを得ない皮肉な状況が展開されていく。
注目したいのは、強盗団のリーダーを演じるポール・ベタニーの悪役ぶり。出世作「ギャングスター・ナンバー１」のハードボイルドのイメージに、さらに磨きがかかった印象で、公開前から前評判の高い「ダ・ヴィンチ・コード」での悪役ぶりに、今から期待が膨らむ。

「ナイト・ウォッチ」４月１日（土）公開

一口で言うと、「マトリックス」と「ロード・オブ・ザ・リング」を合体させたようなファンタジー・スリラーで、本国ロシアでは、過去の記録を塗り替える大ヒットとなり、早くも３部作のシリーズ化が決定した。
監督のティムール・ベクマンベトフはＣＭやミージックビデオ出身の若手で、ロシアのタランティーノと言われている。
舞台は現代のモスクワだが、超能力に目覚めた異人種が光と闇の２派に別れて、互いに監視しあって、平穏を保っていたが、ある男の登場でそのバランスが崩れていくというＳＦ的な展開。
最大の見物は、何といってもＣＧＩのビジュアル展開だが、アメリカの配給会社経由の本編には、英語字幕がついており、それが映像の一部としても機能しているユニークさに驚いた。

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