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「ユナイテッド93」「狩人と犬,最後の旅 」 |
2006年08月08日 |
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「ユナイテッド93」
8月12日土曜より公開
- ついに、あのアメリカ同時多発テロを描いた作品が登場。
タイトルは、2001年9月11日ハイジャックされた4機目の飛行機「ユナイテッド航空・93便」の意味。
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乗員・乗客たちの勇気ある行動を、時間軸に沿って、ほぼリアルタイムに描いている。ニュージャージーからサンフランシスコへ向かっていたユナイテッド機93便がハイジャックされ、
首都ワシントンDCへ進路を変更される。しかし電話などで乗客たちが、先に3機がテロに使われたことを知り、一致団結、ハイジャック犯に立ち向かい、最後にはペンシルベニアに墜落したという事件を、再現した作品。
- 機内の様子はもちろん、当日の管制センターの混乱ぶりにも注目。そこがリアルに。
- 注目したいのは、管制センターのチーフをはじめ、数名の管制官が実名で登場、自分の役で出演していること。事実を知っているヒトが演じる。このリアルさは驚き。
- 亡くなった乗員・乗客の遺族や友人100人以上にインタビュー。彼らが携帯や機内電話で交わした会話を基に、機内の様子を再現していく。そのために無名の俳優が起用されている。その点からも分かる通り、よくあるハリウッド映画のような、特定のキャラに絞り込んでヒーロー的に描くような、チープな誇張は一切ない。あくまで沈着冷静な態度。誠実さを感じさせるドラマになっている。
- 監督はイギリス人の、ポール・グリーングラス。元々ドキュメンタリー出身。4年前、北アイルランドの公民権デモをドキュメンタリータッチで描いた『ブラディ・サンデー』で、
ベルリン国際映画祭グランプリを受賞した実績の持ち主。
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たしかに見ているのはつらい。結末を知っているだけに。だが、乗員乗客たちの勇気ある行動が、見終わった後、ある種のすがすがしさを感じさせるのもたしか。キーワードは監督の「誠実さ」。下手にドラマタイズせずに成功。まだ生々しい、難しいテーマに取り組み、成功したといえる。
「狩人と犬,最後の旅」
8月12日(土)より公開
- ロッキー山脈の大自然で暮らす実在の猟師、ノーマン・ウィンターを描いたもの。本人が出演している。タイトルに偽りなく、ほとんどこの猟師と犬、そして大自然しかスクリーンには出てこない。こちらも、チープなドラマは無いのが好感もてる作品。
- 彼は、冬は大雪原を犬ぞりで、夏は馬やカヌーで移動し、猟をして暮らすハンター。猟を通じ、自然の生態系を微力ながら調整するのが自分の使命だと信じている…。
- だが、ここ数年来、森林の伐採と自然破壊に伴い、動物たちが劇的に減っていく現実を目の当たりにして、ロッキーを去る決意を。
- そこにあらわれたのが、生後10ヶ月のメスのシベリアンハスキー。最初は、狩猟に役立たないダメ犬だったが、その成長を眺めていて、ノーマン・ウィンターはもう少し、この犬と一緒にロッキーに踏みとどまってみよう、と思う。そんな、淡々とリアルで美しい作品。
- 監督はこれがデビュー作となる、ニコラス・ヴァニエ。フランス人の冒険家で、この3月も犬ぞりでシベリア横断に成功したという経歴の持ち主。
- ハラハラの場面もあるが、あくまで実際に体験したことを再現したまで。下手な小細工はない作品。
- 根底では、自然破壊の危機を訴えている。ただし、それを大上段から語ることはない。観れば分かる。そこが好感もてる作品。(※もちろん、犬好きにはたまらない映画)
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「太陽」「ハード キャンディ」 |
2006年08月01日 |
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「太陽」
8月5日より公開
- ロシアのアート派監督・ソクーロフが昭和天皇を主人公にした話題作。
- この映画は、終戦直前、無条件降伏を受け入れることを決める御前会議から、マッカーサーとの会見、そして「自分は神ではない」という人間宣言までを描いていく。※ソフーロク監督は、数多くの文献や記録映像の他に、元皇室記者などに取材したという。だがあくまでも、一人の人間としての昭和天皇に絞り、敗戦後の身の処し方に苦悩したという孤独な姿を、監督の想像も入れながら、ときにユーモラスに描いていく。
- 見所はなんといっても、昭和天皇を演じたイッセー尾形の熱演。ヘアメイクだけでなく、口元の表情、そして、あの有名な「あ、そう」といった台詞が強く印象に残る。
- 興味深いシーンは、昭和天皇が疎開し、離れ離れとなった皇后や皇太子の写真を眺め、
写真の皇太子にキスをするといった、人間くさいシーン。面白いのは、その家族の写真の隣に、チャップリンを筆頭に、ハリウッドスターのブロマイドが多数置いてあるところ。なんだか不思議な光景が続く。この映画、全体にくすんだ色彩で、ゆったりとしたテンポ。全編が、まるで夢の中の風景のような不思議な映画。
チェロの音楽も魅力的。
「ハード キャンディ」
8月5日(土)より公開
- この夏いちばん怖い、といっても幽霊や怪獣は出てこない、大人向けの心理的サスペンス。
- 登場人物は2人だけ。14歳の少女と、32歳のファッション・フォトグラファーの男。
インターネットの出会い系サイトをきっかけに、無邪気な少女が、写真家の自宅に誘いこまれる。赤いフードのついたパーカーを着た少女が男の家に入っていくのは、まるでグリム童話の『赤ずきん』が狼の巣に連れ込まれていくイメージ。
ところが、状況はその真逆。実はこの少女が男に近づいたのは、少女ばかりを狙う男に復讐するため。そこから、少女と男、2人だけの密室劇が展開される。
- ありきたりのホラーと決定的に違うのは、全編、2人のセリフの応酬だけで、残虐な行為は見る側の想像にまかせるところ。
実は朝には言えないシーンも多いが、直接の描写はない。
- 少女を演じるのは、撮影当時17歳だった、エレン・ペイジ。
「X?MEN」の3作目に出演。
写真家の男を演じるは、パトリック・ウィルソン。『オペラ座の怪人』で、ヒロインを愛する貴族役。
監督は、これがデビュー作となる、イギリス出身、デイビッド・スレイド。なんとこの映画は、日本で起きた、少女たちによる「オヤジ狩り」がヒントになった。
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「ゲド戦記」 「王と鳥」 |
2006年07月25日 |
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「ゲド戦記」
7月29日(土)より公開
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「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」でお馴染みのスタジオジブリの最新作。
「ロード・オブ・ザ・リング」と並ぶアメリカのファンタジー文学の傑作といわれるシリーズで作者はアーシュラ・K・ル=グウィン。
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ゲド(菅原文太)とい大魔法使いの導きで、若い王子アレン(V6の岡田准一)が乱れた世の中に再び平和をもたらそうと戦いながら成長していくという展開。
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部分的には、王子の中に潜むダークサイドが「スターウォーズ」を連想させたり、有名な「アーサー王」の伝説を思わせるエピソードなども登場する。
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本来なら宮崎アニメと呼びたいところだが、この映画は宮崎駿監督の息子、宮崎吾朗監督のデビュー作。
結果的には、息子が父親を超えるのは予想以上に難しいという印象を残した・・・
「王と鳥」
7月29日(土)より公開
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実は、宮崎駿をはじめ、日本のなだたるアニメ作家達が、この映画がなければ今の自分はなかったと口を揃えて絶賛しているフランス初の長編アニメーション。
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監督のポール・グリモーに言わせるとこれは未完成作品をプロデューサーが勝手に公開したものと批判し、フランスで公開されてから5年後、権利とネガを取り戻して、なんと12年間をかけて完成させたのが、この「王と鳥」。
ちなみに日本ではこれが劇場初公開。
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物語は、グリモー監督とジャック・プレヴェールの共作でプレヴェールは名作「天井桟敷の人々」の脚本や名曲「枯葉」の作詞で知られる詩人。
高層宮殿のてっぺんの部屋には、孤独の暴君の肖像画と羊飼いの少女と
煙突掃除の若者の絵が3枚飾られている。
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肖像画の王が少女に恋をするが彼女は若者を愛していて、2人は絵の中から抜け出して、賢い鳥の案内で宮殿を脱出する。王も絵の中から抜け出して、本物の王を殺して2人を追いかけるという展開。
様々な比ゆが読みとれるが、アニメが本来は想像力豊かな大人のアートだったのか、と思わせるすばらしさ。
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「パイレーツ・オブ・カリビアン/デットマンズ・チェスト」 「トランスアメリカ」 |
2006年07月18日 |
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「パイレーツ・オブ・カリビアン/デットマンズ・チェスト」
7月22日(土)より公開
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この作品は、早い時期から今年の夏休み映画の大目玉と注目されてきて、一足先に公開されたアメリカでは、過去のヒット作の記録を軒並み破る新記録を樹立している。
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物語は、前作から3年後、デップ演じる海賊のキャプテンが、深海の悪霊と対決を迫られる。
ちなみにこの悪霊は、イカとタコとカニが合体したような見るからにグロテスクなモンスター。
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このシリーズは、本来はテーマパークのアトラクションを映画化しただけに、今回も巨大な水車が暴走する決闘シーンなど、アクションシーンの連続だが、その割にストーリー的な起伏に乏しく、2時間半はいかにも長すぎる。
その上、肝心の結末は、来年5月公開予定の「パート3」まで持ち越されるという中途半端な内容。
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暇な人とジョニー・デップファン以外はあまり楽しめそうにない・・・
「トランスアメリカ」
7月22日(土)より公開
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女性として暮らしてきた中年男の前に、ある日突然、息子だという若者が現れ、ニューヨークからロサンゼルスまで、親子でアメリカ大陸横断(「トランスアメリカ」)の旅に出るという衝撃的で感動的なドラマ。
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主人公は肉体的に、後は最終段階の手術を待つだけという、いわゆるニューハーフの中年男性というキャラクター。
その主役を演じる女優が、フェリシティ・ハフマン(43歳)。
ニューヨークの舞台で活躍してきた女優で、ごく最近、テレビドラマでブレイクした実力派。
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物語は、ニューヨークの拘置所から、息子を引き取って欲しいという連絡を受け取った主人公が、その時初めて17年前にたった一度だけ関係をもった女性が、男の子を産んでいたことを知らされたものの、今更父親と名乗れず、ボランティアの女性として彼を引き取り、再びロサンゼルスまで戻るロードムービー。
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見所は、いっけん変なおばさんと不良少年の彼らがコミカルな珍道中を続けるうちに、少年はおばさんが父とも知らずに恋心を抱くという見てると、ハラハラかつユーモアいっぱいで、しかも親子2人がそれぞれ成長していくという本当に感動的な映画。
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「ディセント」 「ハイジ」 |
2006年07月11日 |
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「ディセント」
7月15日(土)より公開
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登場人物が全て女性というサスペンスホラー。
題材は洞窟探検で、日本でもケービングがじわじわと人気になっている。
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映画は、主人公の女性が1年前に車の事故で夫と娘を亡くしていて、
彼女を慰めようと、女友達5人が、そのケービングに連れて行くところから始る。
その6人は、アパラチア山脈の奥地の地下洞窟へ探検に出る。
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映画は、落盤によって出口がふさがれ、6人の女性達の間に仲間割れが起きて、さらに思いもよらぬ恐ろしい敵が彼女たちに襲い掛かってくるという展開。
この敵の正体に関しては映画を観てのお楽しみだが、あっと驚く趣向になっている。
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監督のニール・マーシャル(これが第2作目)は、
イギリスインディペンデント映画賞の最優秀監督賞を受賞した。
この若手監督の腕の確かさは、シネマスコープの横長の構図を逆手にとって、暗くて狭いサスペンスホラーにうまく活用しているところに十分、発揮されていた。 カメラワークも絶品で、この監督は、伸びるのでは・・・
「ハイジ」
7月15日(土)より公開
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主人公のハイジは、幼い時に両親を亡くして、アルプスの山奥の小屋で暮らす祖父のもとに預けられる。
そのハイジが無理やりおばに連れ戻されて、都会の大金持ちの病身のお嬢様の遊び相手として、大邸宅に住み込み、暮らすようになるという展開。
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ハイジはまるで、天使のように周囲の人々から次々に愛される存在になってゆく。
ハイジを演じる子役は、アイルランド出身のエマ・ボルジャー(10歳)。 7歳の時に、「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」でデビューした名子役。
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最大の見物は、誰からも愛されるハイジを憎みつづける
悪役ロッテンマイヤー夫人を演じるジェラルディン・チャップリン。
ご存知チャップリンの娘だが、例えば、食事のシーンで、
口元だけでキャラクターの卑しさを表現してみせるあたりは、見事な演技である。
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最後は、アルプスの大自然の力が、全ての人々を幸せにするという展開で、最近、スローライフやロハス(健康で持続可能な、環境を大切にする暮し)が流行っているのを見ると、まさに今の時代にこの映画があっているという気がした。
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