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「ディパーテッド」「愛の流刑地」 |
2007年01月09日 |
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「ディパーテッド 」
1月20日(土)より公開
- 主演は、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン。
監督はマーティン・スコセッシ。超豪華ギャング映画。これで1800円は安いでしょう。
- 舞台はボストン。一帯を取り仕切るマフィアのボス(ニコルソン)は、
さらなる地盤強化を図り、子供の頃から目にかけてきた若者(デイモン)を
州警察の警官として潜入させ、エリートコースを歩ませる。
※いっぽう警察サイドも、優秀な警官(ディカプリオ)をマフィアに潜入させて、
ボスの信頼を獲得させていく。
※マフィアも警察も、内部に通報者がいることに気づくが、それが誰かは分からないまま、次々に死者が出て、危機一髪の状況に突入する。
※ちなみにタイトルの「ディパーテッド」は、「死者・死人」の意味。
- この作品、実は大ヒットした香港映画『インファナル・アフェア』を、スコセッシが
かなり忠実にリメイクしたもの。
というわけで、ストーリーの面白さは保証済み。加えてこの顔ぶれ。面白くないワケが
ない、という贅沢な娯楽映画のお手本のような作品。
- ニコルソンなどは、「バットマン」でのジョーカー以来の悪役とあって、過剰なまでの熱演。
- ただ、スコセッシの大ファンの僕としては、彼のいつもの持ち味がやや薄いカンジ。
スコセッシとしては、今回はプロとして、芸術性よりも娯楽に徹したのだろう。
※いずれにしても、今年のアカデミー賞、有力候補の一本であるのは間違いない。
「愛の流刑地」
1月13日(土)より公開
- 日経新聞に連載中から、通称「アイルケ」として大きな話題になっていた
渡辺淳一さんの小説を映画化。主演は豊川悦司、寺島しのぶ。
- オープニングはいきなり、ベッドで愛し合う中年男女の姿。「本当に愛しているなら、
私を殺して」という人妻を、男が首を絞めて殺すというショッキングな始まり。
※映画の半分は、この2人が全裸で行うラブシーン。残りのドラマ部分の見所は、
自首した主人公をめぐる裁判の法廷シーン。その合間合間に、ラブシーンが挿入される。
- この作品で成功していると思ったのは、この数々のラブシーンを、生々しく描写しなかったこと。
2人の肉体が絡む画面に、花火や桜の花など、ファンタジックなシーンが重ねられる。
こうした映画にありがちないやらしさを上手く処理。
※僕が思うに、これほどの深い愛は[一種のファンタジー]、つまり大人のおとぎ話。
それを演出がよく表現している。生々しさは排除。
- 死に至るエクスタシーという発想、これは「愛のコリーダ」でおなじみ、阿部定事件の
男女を逆にした構成。
- この映画の「愛を法律でさばくことが出来るのか?」というテーマは興味深い。
見終わったあとも引きずる。大人向けのラブストーリー。
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「今野雄二、今年のベスト10」 |
2006年12月26日 |
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「邦画篇」
- 5位『涙そうそう』…血のつながらない兄と妹の、淡いラブストーリーをさらりと描いた。泣かせようといういやらしさ感じさせないところに好感。さわやかに泣ける。
- 4位『博士の愛した数式』…数学に弱いニンゲンにも、数字の持つ
ロマンが伝わる。博士と家政婦の人間関係が、淡々と、嫌味なく描かれている。
- 3位『フラガール』…すでにいくつかの賞でベスト1に挙げられている(森本さんが
お休みの週に紹介)。実話を基にした。ベタな語り口がやや気になるが、実質的な
ヒロインを演じた蒼井優さんに拍手。
- 2位『ディア・ピョンヤン』…朝鮮総連の幹部だった父親の実像に、監督である
実の娘がカメラで迫ったドキュメンタリー。とても重い題材なのに、全編に漂う
ユーモアが素晴らしい
- 1位『嫌われ松子の一生』…陰惨な女の一生を、ミュージカルやアニメを
動員してハイテンションで一気に描ききったパワーを評価。一瞬も休みない。
斬新な感覚。中島哲也監督と、主演・中谷美紀の熱演に拍手。※DVD出ています。
「洋画篇」
- 5位『イカとクジラ』…あるインテリ家族の崩壊する様を、皮肉でユーモラスな語り口で描いた。CGやファンタジー無し。これぞ大人の映画。特に会話が粋でした。
- 4位『シリアナ』…ジョージ・クルーニーがアカデミー助演男優賞を獲った。アラブの
石油にまつわるアメリカの陰謀を暴いた社会派作品。監督は『トラフィック』で
脚本担当のスティーブン・ギャガン。いくつものエピソードを一本にまとめる演出力。
- 3位『ブロークバック・マウンテン』…2人のゲイのカーボーイのラブストーリーを
淡々と描きながら、その奥に、ゲイ差別に対する静かな抗議を秘めた映画。
演出も、出演者(男女とも)の演技も出色。アカデミー賞で最有力とされたが、
監督賞、脚色賞、音楽賞にとどまった。アメリカでは、依然としてゲイ差別が
根強いのをアカデミーでも反映してしまったか?
- 2位『うつせみ』(韓国映画)…フリーターの青年が、空き家を狙って侵入する暮らしを続けている。その彼が家庭内暴力に悩む人妻と出会い、放浪を始める。全編ほぼセリフ無し!
映像だけで見せる演出に脱帽。これぞ映画。よけいな言葉はいらない。ベネチアで監督賞を獲ったキム・ギドクの作品。韓国の監督ではもっとも世界的に有名ながら、国内では異端児扱い。
- 1位『ブラックダリア』…ブライアン・デ・パーマ監督のセンスと、
ジェームズ・エルロイの小説がこれ以上はないくらい、ぴたっとハマッた作品。
ファンの僕としては過大評価を承知で1位。独特のカメラワーク、映画全体に漂う豪華な雰囲気が久しぶりにこの監督らしい。
★ただしアメリカでは酷評。ストーリーが分かりにくい、と。じつは僕も2回見た。最初は
カメラワークだけでうっとり。原作読んでから見れば分かるのだから。でも逆に、
そんなに何度も鑑賞に堪えうる映画がどれだけあるか?
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「愛されるために、ここにいる」「リトル ミス サンシャイン」 |
2006年12月12日 |
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「愛されるために、ここにいる」
12月16日(土)より公開
- ※いかにもフランスらしい、オトナのための秀作。パリでは、この作品が口コミで広がって、半年間を越えるロングランを記録した。タンゴを軸にした大人の映画。
※主人公は50歳を過ぎたバツイチの独身男。仕事をいやいや続け、人生に疲れはてて
いる。医者から軽い運動をするよう忠告され、オフィスの目の前にあるタンゴ教室へ。
※その教室で、結婚式を目前に控えた若い女性と出会う。彼女はなぜか満たされない。
そんな2人が、タンゴを通じて出会い、気持ちを通わせるという展開。
- 人生に疲れた男が、熱中することで輝く。精神的な魅力、中身を磨く生き方。
★これを最初に支持したフランスの観客は大人ですね。大人が映画を支えている国。
- ※監督は今年40歳になる、ステファヌ・ブリゼ。小津安二郎を思わせるスタイルで評判。
たとえば教室の生徒たちがプロのステージを見学するシーンは、小津の『晩春』での、
能楽堂のシーンが取り入れられている。
- 映像がスタイリッシュ。レッスンのシーンでは、普通なら主人公の足元のステップを移すが、監督はこの主人公の顔の表情だけをとらえ、上達ぶりをあらわしていく。
これがラストシーンで素晴らしい効果を発揮。ちょいワルおやじたちなんて、かすみます。
「リトル・ミス・サンシャイン」
12月23日(土)より公開
- 今年の東京国際映画祭で、監督賞、主演女優賞、そして観客賞の三冠に輝いた話題作。
※バラバラに崩壊した田舎の一家が、幼い娘のおかげで再び団結するホームコメディ。
- おさない1人娘が、美少女コンテストで繰り上げ当選する(この美少女コンテストの名前が『リトル・ミス・サンシャイン』)。そこで、全国大会の決勝戦に出ることになり、
一家総出でクルマに乗り込み、カリフォルニアへ向かう道中記。
※このクルマが、まるで家族を象徴するようなおんぼろなミニバス…。
※しかも、この家族がめちゃくちゃ。おじいちゃんはヤク中、父は負け組、
少女の兄は願かけしてるので一言もしゃべらない…などなど。
- 繰り上げ当選の田舎娘なんて、入賞できるわけない。しょせん穴埋めの存在。
でも、そんな娘のために、むちゃくちゃな一家が団結していく。おかしなメンバーが
的外れな努力を懸命にする。そこが笑えて、泣けてくる映画。
- ちなみに、そんな一家のメンバーを演じる俳優たちは、アカデミー賞助演賞に
ノミネートされるような個性派揃い。車内の会話シーンだけでも大笑いできる。
- もうひとつ。アメリカの美少女コンテストといえば、ジョンベネ事件を思い出すような、かなりグロテスクな存在。そこへの風刺もある。今回の主役の女のコは、小太りで
めがねをかけた、素朴な愛らしさが魅力のキャラ。
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「硫黄島からの手紙」「イカとクジラ」 |
2006年12月05日 |
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「硫黄島からの手紙」
12月 9日(土)より公開
- クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作、前作『父親たちの星条旗』で描かれた硫黄島の戦いを、日本軍からの視点に絞って描いた。
※これは監督の信念。本当に戦争を描くときには、一方の側だけではなく、戦った両サイドを描かないと見えてこない。それを実証した2部作。戦争映画の宿命に挑戦。 ※監督をはじめ、スタッフはアメリカ人。出演者はほとんど日本人。台詞もほとんど日本語。とろこが観ているうちにその事実を忘れ、純然たる日本映画だと思う。言葉はもちろん、外国人が日本人を描く際のぎこちなさがない。見事。
- ドラマの中心になるのは、渡辺謙が演じる実在の人物=栗林中将。日本軍は、彼の指揮の下、地下要塞に立てこもり、勝ち目のない持久戦を展開した。
★イーストウッドは、この栗林中将に興味を持ったのだと思う。
栗林は戦前にアメリカ留学し、アメリカの合理主義を学んだ、現代的な人物。
だからイーストウッド監督としては、そんな、アメリカ人が理解できる人物でさえ、
あの硫黄島の状況で、悲惨な方向へ進んでいく様子を描いたのではないか。
- 画面は全編、モノクロのようなくすんだトーン。日本兵が手榴弾を抱いて自爆していく
シーンでは、真っ赤な血が強調され、より一層、ドラマチックに描かれる。
- 前作では、アメリカ政府がヒーローを祀り上げるなど、政府の陰謀なども加えて、
多角的な視点からドラマを展開した。それに引き換え、今作はひたすら日本軍の戦いに
絞られている。生々しい。反戦映画としてのメッセージが、ダイレクトに伝わる。
- ※2作で表裏一体。とはいえ、それぞれ独立した作品として完成している。
「イカとクジラ」
現在公開中
- ニューヨークの、あるインテリ家族の崩壊を、笑いでつづったコメディ。※泣かせる映画ばかりの今、ぜひ笑える映画を見直してほしい(コメディのほうが難しいのだから)。
- 主人公は、ニューヨーク・ブルックリンに住む一家。
父親はかつて文壇で高い評価を受けた作家、その後スランプに陥り、いまは大学の講師。母親は最近、新人作家として華々しくデビューして売れている。その夫婦が離婚した。
※その2人の息子(高校生と中学生)が、父と母の間を行き来することに。
- 面白いのはなんといっても、その他愛もない会話! 文学、映画、ロック…
高尚から猥雑まで、カルチャーをない交ぜにした引用が多用され、会話が繰り広げられる。(カフカ、ピンクフロイド、デビッド・リンチなど)。
- 別れた両親にはそれぞれ新しい恋人が出来る。長男は、父のカップルとダブルデートを
する羽目になったり…。さらに思春期の息子たちは、成長、人生、セックスの悩みを
抱え始める。悩みがやたらに多い生活に。
※そんな日常の哀しい状況は、観ているほうにはコメディになる。それを軽快な会話と
音楽で描くセンスが秀逸です。
- ちなみに摩訶不思議なタイトルの意味は、ニューヨークの博物館に展示されている模型。
深海に生息するクジラ並みに大きいイカ「ダイオウイカ」とクジラが格闘している
ジオラマがある。 男と女の、どちらがイカで、どちらがクジラか?
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「007 カジノロワイヤル」「武士の一分」 |
2006年11月28日 |
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「007 カジノロワイヤル」
12月1日(金)より公開
- 前作から4年ぶり。シリーズ21作目。最大の話題は、6代目ボンドを襲名したダニエル・クレイグ(38歳)のボンドぶり。金髪で小柄なニュー・ボンドに対し、発表当初は、世界中のマニアから非難が巻き起こった。しかし公開されて評価は一変。
いまや「ショーン・コネリー以来最高のボンド」という評価を獲得。良いです。
- ※若返ったボンドにふさわしく、原作もイアン・フレミングのシリーズ第1作が選ばれた。
※血気盛んな若者のボンドが、まだ殺しのライセンス「00」を許されない諜報員・M16として登場。オープニングは、なんとモノクロ。ボンドが諜報局内部の裏切り者を抹殺し、「007」の資格をクリアするエピソードが描かれる。
- オープニングでおなじみの、ボンドが画面に向かって銃を撃つ場面も、新趣向に。※本筋は、007として最初の任務の話。敵は、世界中のテロリストの資金を集め、マネーロンダリングする銀行家。彼はポーカーの天才的な名人。絶対に負けないポーカーにより、カジノでテロリストの資金を洗浄している。
- そこでイギリスは、国家予算から1500万ドル(20億円弱)をボンド一人に預け、カジノで銀行家を打ち負かす作戦に出る。そこにもちろん女性が絡み…。という展開。
- シリーズおなじみのアクションがパワーアップしたのはもちろん、これまであまり描かれなかったボンドの人間性も深く掘り下げている。特にポーカーゲームの場面のような、心理的なドラマで、効果的に表現されている。
※ボンドの上司・Mを演じるのは、これまで通り、アカデミー賞女優のジュディ・デンチ。ようやく本格的な芝居をするボンドに出会え、彼女の演技も生きている。
「武士の一分」
12月1日(金)より公開
- 山田洋次監督の時代劇3部作を締めくくる作品。主人公に木村拓哉がキャスティングされたこともあり話題作です。ちなみに「一分」とは、人間としての名誉、責任という意味。
- 主人公は、東北地方のある藩の下級武士。剣の天才として知られたが、現在の仕事は、殿様の毒味役。武士としてあまりやりがいのない仕事だが、嫌々続けている。
※彼はある日、毒にあたり失明してしまう。目が見えなくなった彼は、失業の危機に見舞われる。そこで妻(元宝塚の壇れいが映画デビュー)は、夫の上司(坂東三津五郎)に口添えを頼む。しかし相手は見返りに、彼女の肉体を要求する。やがて主人公は、
妻の不倫のうわさを耳にし…。という展開。
- 注目の木村拓哉の演技。テレビなどで見せる器用さを十分発揮し、好演している。
- 起伏のあるストーリーではないが、主人公夫婦の丁寧な日常描写がいい。粗末な朝食の場面など、日常が静かに丁寧に描かれる。
※この夫婦に、父の代から仕える老人(笹野高史(たかし))は素晴らしい助演ぶり。
- クライマックスの決闘シーンもいいが、むしろ夫婦の「愛情物語」としての映画。
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