【も】紋つけて助格りりしい武士姿
黄門様のご紋(もん)といえば、おなじみ徳川の三つ葉葵。印籠に描かれているあれです。
刀の柄にも葵のご紋が入ってるけど、ふだんは柄袋(つかぶくろ)をつけて旅をしているから、それはめったに見ることはないわな。
ところで、助さんと格さんにもちゃんとご紋があるんです。気がついてました?
当時のお侍さんはみんな家紋があったから当然二人にもあるわけやけど、町人姿で旅をしているから、道中でお目にかかることはまずない。黄門様のように刀の柄には入ってないしね。
たいていは、シリーズの初回か最終回、水戸藩の城中でお侍のかっこうをする時に見ることができます。
第32部も、1話の菊千代君の「袴着(はかまぎ)の祝」の時に、裃(かみしも)についてました。
助さんが「丸に剣出片喰(まるにけんでかたばみ)」、格さんが「細輪に三ツ松皮菱(ほそわにみつまつかわびし)」です。
家紋はふつう着物の左右の胸と、左右の袂(たもと。二の腕のあたり)、背中の真ん中の、計5カ所に入ります。
もともとは家を識別するマークやけど、装飾的な意味合いがどんどん強くなっていったみたいやね。
植物や動物、文字、建物などを図案化し、一般的な家紋だけで300〜500種類、その変形も入れると数千とも数万ともいわれてます。