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TBSみのりの風景

  • 毎週火曜よる10:54〜放送

ロケごはん日記

梅の里で出会った、奥深い普通の食堂

日記の内容

何の変哲もない食堂。どこにでもある食堂だ。場所は和歌山県みなべ町。

梅の里で出会った、奥深い普通の食堂

中に入ると、おそらく40代の夫婦らしき人達が切り盛りしている店だった。
メニューは、トンカツ定食、焼き魚定食、親子丼などなど…、至って普通。
しかし、一つだけ大きなことを忘れていた。
ココが、南高梅発祥の地、みなべ町だということを。

まずはカメラマンのHさんが切り出した。
「出し巻き(玉子)定食下さい。それと、(メニューにない)南高梅の梅干しありますか?あったら、つけてもらえますか?」
すると、店の奥さんが、ニコッと微笑んで二つ返事で「良いよ」と言ってくれた。

梅の里で出会った、奥深い普通の食堂

ものは言ってみるものである
すかさず、私もトンカツ定食に南高梅をつけてもらうようにお願いした。

梅の里で出会った、奥深い普通の食堂
梅の里で出会った、奥深い普通の食堂

奥さんは、おもむろに棚の中からコーヒーの瓶にいっぱい詰まった南高梅の梅干しを出して、二つもつけてくれた。聞くところによると、梅農家の方からもらったのだという。
本場で初めて食べた本場の梅干し。とても酸っぱかったが、とても美味しかった。
生きていると、日本人に生まれて良かったと感じる瞬間が何度かある。
その瞬間をこの梅干しで味わえた。

最後の会計時。言われた料金は定食のお金の分だけだった。
「梅干しの分は…」と聞くと、
店の奥さんが…「ただで(農家から)もらったから、お金は取らないよ」
おー、さすが!懐が深いよ、おかあさん!!
梅の里、みなべ町の奥深さを知った瞬間だった。

担当ディレクター:天田誠