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今尾恵介『住所と地名の大研究』新潮選書 1365円 2004年04月22日
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★今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。

★今尾恵介『住所と地名の大研究』新潮選書 1365円

★先日、四谷三丁目附近の喫茶店に、小沢昭一さんの取材ででかけてきました。喫茶店の住所がわかっていたので大丈夫だと思って附近まで行った。わたしはたいてい、住所さえあれば市街地図を頼りになんとか目的地まで つける自信がある。詳しく場所を聞かなくても大丈夫。これまでもそうしてきた。ところが、今回、わからなくなってしまった。

★四谷三丁目の一番地と二番地があって三番地がない。一区画をぐるぐる回って、ついに断念。近所の果物屋さんで聞くと、三番地は大きな道路・新宿通りを越して向う側だという。これ、ときどきあるんです。大きな道路をはさんで、片側に奇数の番地、もう片側に偶数の番地が集まっている。神保町などもそうです。知らないとわからない。住所ってなんでこんなにややこしいんだろう、って思う。

★そこでこの本です。著者も言ってますが、世に地名研究の本は数あれど、住所を研究した本はない。著者は日本地図センター……そんなところがあるんですね、の客員研究員で、中学校のころから地図を眺めていたという地図マニアです。

★最初におもしろい話が紹介されている。「サラダ記念日」の俵万智さん。歌人ですね。彼女の大学時代の住所が、具体的な数字はぼかしますが、東京都中野区野方○丁目○の○○ ○○様方だった。さすがは未来の人気歌人。住所までが短歌になっている、というんです。これ、外国ではありえないでしょうね。住所が詩になってる。

★住所はどのようにつくられたか、住所のしくみ、などについてくわしく書かれているのですが、ちょっと短時間では紹介しきれない。住所の謎、住所の不思議に的を絞って紹介したい。たとえば、「字」「大字」てありますね。地方の農村部などにいまだ残ってます。これ、明治以前の古い呼び方みたいですが、じつは「町」や「村」より新しいんだそうです。明治22年に行われた市町村の大合併というのがあって、合併によりあたらしくできた町や村にあたらしく名前をつけて、それ以前からあった町や村に「大字」をつけることになった。このとき、現在の東京都世田谷区駒沢二丁目は、東京府荏原郡駒沢村大字上馬引沢字三橋と呼ばれるようになった。東京郊外には明治期、大字、字のつく地名があったんですね。

★さっき、住所を頼りに目的地を訪ねると言いましたが、10キロ歩いても同じ地名、という場所があるそうです。これは困る。たとえば軽井沢町の大字長倉。ここは非常に広い。現在の中軽井沢駅附近を中心としたエリアですが、北端はなんと浅間山の山頂、南端は塩沢湖までを含む。端から端まで10キロある。スケールが大きい町ですね。町役場の住所が「長倉2381−1」だから、とてもじゃないが住所頼りに、目的地に歩いて行きつくことは難しい。

★網走番外地は番外地じゃない、という話もあります。高倉健さん主演の映画で有名になった網走刑務所ですが、正式な住所は、網走市字三眺(さんちょう)官有無番地。番外地じゃなく無番地。しかし、これでは迫力がないなあ。あれやっぱり番外地でないと。その名も網走番外地〜と歌うと迫力あるけど、その名も網走、無番地〜では。
著者によれば、無番地も番外地も同じ意味。地番のつけられていない場所ですね。道路や河川などに例がある。あとは官有地ですね。自衛隊の住所は無番地だそうです。東京・銀座にも「番外地」があるそうですよ、どこかわかりますか。首都高速の下にある「銀座ツインズ」がそう。あそこ、もとは外堀川の埋め立て地ですからね。

★そんなふうに見て行くと、住所っておもしろいもんだな、と思いますね。地名とはまた少し違う。ただ、著者はいまの何丁目、何番、何号と数字が続く住所はわかりにくいと言います。大きな通りを挟んで奇数と偶数に番地が分かれるというのもその一例。要するに、役所が机の上に地図を広げて、勝手に自分たちの都合でいじくってきた結果がいまの住居表示になった。地べたを毎日歩いている人のことは考慮されていない、と言います。昔はもっと細かく町名を分けて、番地だけでわかるようになっていた。いまの新潮社がある新宿矢来町71なんてのはその名残りです。 矢来町の71番地、迷う可能性が低い。

★ぼくの実家は京都なんですが、京都は理想的。旧市街では上る(あがる)、下る(さがる)なんて表示が残ってます。東山区東大路三条下る三筋目西入(いる)進之(しんの)町なんて、東大路と三条通りの交差点から南へ下って三つ目の筋を西へ入ったとこが進之町とそのまま住所が案内になってる。北と南がわからなかったら、昔なら山を見たらわかったし、いまでも鉛筆転がして動いた方が南。わかりやすい。

★転入転出などで住所変更を出したり、新たな書類を書くために何かと住所を書く機会が多いシーズンですが、ちょっと気をつけてみてみると、住所からいろんなことがわかるんだなあ、と教えられる本でした。
高野和明『幽霊人命救助隊』文藝春秋 1680円 2004年04月15日
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今日の担当は本の雑誌社・顧問の目黒考二さん(文芸評論家の北上次郎さん)です。

高野和明『幽霊人命救助隊』文藝春秋 1680円

★映画化もされた『13階段』で江戸川乱歩賞を受賞した高橋和明の新作。しかし今回はミステリーではなく、深刻なテーマを扱いながら、読めば元気が出てくる奇想天外な娯楽作に仕上がっている。

★主人公は4人。大学受験に失敗した青年、30代の女性、中年の男性、そして60過ぎの暴力団組長。この4人は理由があって自殺してしまう。それぞれの事情はおいおい語られる。

★自殺した4人は、天国に行くかと思いきや、どこか野原のようなところで目が覚める。すると、上空からパラシュートで妙な白髪のじいさんが降りてくる。誰かと思えば、なんと神様。神様が言うことには、「おまえらは命を粗末にしたから、このままでは天国に行かせない。7週間あげるから、その間に自殺しようとしている100人の命を救いなさい。100人救ったらおまえら4人を天国に行かせてあげよう」と。かくして、4人は幽霊となって下界に降りて自殺志願者を救おうと奔走することになる。

★幽霊となった4人は、透明人間のように普通の人には見えない存在。ものに触れることも出来ない。では、どうやって人を救うのかというと、、、?神様から、いろいろなお助けグッズを与えられる。これがバカバカしい。例えば、耳元に声を届けるメガホン。自殺志願者を見分けるゴーグル。

★この小説が良くできているのは、自殺をしようとしている人間が抱えている苦悩や状況を根本的に取り除くのは無理だということを踏まえていること。すべて解決しようというのではなく、道筋だけをつけてあげる。例えば、会社で左遷され絶望し、自殺しようと思い詰めている男を救うには、どうしたらいいか。左遷という事実自体を変えることが出来ない以上、気持ちの持ちようを変えるしかない。そのために何が有効かと考える。設定は荒唐無稽だが、苦悩の中身と救い方の部分は実にリアル。

★しかも。全編にわたってユーモラス。自殺という深刻なテーマを真面目に扱いながら、ユーモアを忘れない。例えば、左遷された男がまさに自殺を図ろうとしている時、主人公の一人の暴力団の組長は、時間を稼ぐためにメガホンで「遺書を書け」と叫ぶ。さらに、「辞世の句を書け!」、「季語がない!」、、、、。

★自殺をしようとする人の苦悩は十人十色、100人それぞれの苦悩と主人公4人のドラマが重なっていく。この二重構造が効いている。

★設定自体はことさら目新しいものではない。浅田次郎の大傑作『椿山社長の七日間』、森絵都の『カラフル』理論社などの先行作もある。この作品がユニークなのは、自分だけでなく、大勢の他人を救おうとすること。

★金、家族、愛情、、、現世にあふれる沢山の苦悩の見本市のようだが、それがちょっとしたことで救われることが示される。奇想天外で、読めば元気が出てくる理想的な娯楽作品。
『エリック・ホッファー自伝』中本義彦訳 作品社 2310円 2004年04月08日
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今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。

★『エリック・ホッファー自伝』中本義彦訳 作品社 2310円

★2002年に出た本なんですが、ぜひこの時期に、新入学、新入社した若い人たちに読んでもらいたい、と思って取り上げます。またこの春、大学へ入った人にプレゼント、というかたちでもいい。ぼくはとにかく、この本を度胆を抜かれた、という感じで読みました。「すごい、すごい」と声に出しながら読んだ。

★エリック・ホッファーは1902年にニューヨークでドイツ系移民の子として生まれ、1983年に81歳で亡くなった哲学者です。生前から著作は翻訳され、一部で注目されていましたが、まあ日本ではほとんど無名。 死んで20年後に、この『自伝』が翻訳され、みんなひっくりかえって驚く。ブームとなり、研究本も出ます。世の中にはなんともすごい生涯を送った人がいるもんだ、と驚くわけです。どういうことか。

★簡単に生涯を追うと、エリックが5歳のとき、母親が彼を抱いたまま階段から落ち、それがもとで母親は2年後に死に、その年、7歳でエリックは視力を失う。失明するんです。これまた不思議なことに15歳で視力を回復する。それがたった3ページのあいだに描かれている。悲劇としての悲しみも恨みつらみもまったくない。そのときもその後も彼は正規の教育を受けないで、放浪を続け、波止場の労働者となり、そのあいだ、まったくの独学で勉強をつづけ哲学者となる。最後は大学教授に迎えられ「沖仲仕の哲学者」と呼ばれる。

★すごい話でしょう。日本なら「だからあなたも生き抜いて」とか名付けてワイドショーネタとなる。この本はまったく違うんですね。

★母親が亡くなったあと、やもめの父親とエリックの世話をする、マーサという女性がいるんですが、彼女が目の見えないエリックに言うには「将来のことなんか心配することないよの、エリック。お前の寿命は四十歳までなんだから」。彼の家系はみな短命で、50歳以上生きた者は独りもいない。確かに父親もエリックが18歳のとき、50歳足らずで亡くなる。ここが不思議なんですが、寿命は四十歳と聞いて、彼はあれこれ思い悩まずに済んで、「私は旅人のように生きることができた」というんです。

★18歳から40歳近くで港湾労働者として定住するまで、さまざまな職を転々とし、アメリカ各地を放浪していく。農業の手伝い、ホップつみや綿つみ、プルーンの収穫、炭鉱、砂金取り、皿洗い、レストランの給仕。彼は仕事の合間に、図書館へ通い、絶え間なく読書をし、数学、化学、物理、地理などの大学の教科書をマスターしていく。 目が見えていた5歳までに英語とドイツ語が読めた、というから飛び抜けた頭脳を持っていたということでしょう。BR>
★例えば、レストランの給仕をしていたとき、客で来ていた柑橘類の研究をしている大学教授がドイツ語の植物学の本を前に理解できず苦しんでいた場面にでくわす。エリックは「なにかお手伝いしましょうか」と声をかけて、ドイツ語の手助けをし、レモンの病気についても肥料の改良という解決策を考え出す。教授は研究室へ来てくれと申し出るが彼はことわる。放浪生活が性にあっている、ということでしょう。

★彼は本からだけ学ぶだけでなく、つねに労働するなかで、労働と労働する人々からも学んでいく。彼が働く現場は社会の最底辺で、働く人々も社会不適応者が多いのですが、彼はそういう「弱者が演じる特異な役割こそが、人類に独自性を与えているのだ」という真理にいきつく。それが以後、信念となる。

★最初の本『大衆運動』が出たのは49歳のとき。これはバートランド・ラッセルほか著名人に絶賛されるが、それでもまだ港湾労働の仕事を続け、62歳のとき大学で政治学を教えるようになる。

★このユニークな『自伝』から感じるのは、人間、ほんとうに勉強したいなら大学へ行かなくても学べるし、また大学を出て、会社に入ったら、それで学問は終りというわけではないということなんです。

★まあエリック・ホッファーのような人は特殊かも知れませんが、この本が、これから大学で学ぶ、あるいは企業という組織に入って働く若い人たちに、生きるということの根本姿勢を植え付けてくれるような気がする。
鷺沢萠『ウェルカム・ホーム!』新潮社 1300円 2004年04月01日
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今日の担当は本の雑誌社・顧問の目黒考二さん(=文芸評論家の北上次郎さん)です。

★鷺沢萠(さぎさわめぐむ)『ウェルカム・ホーム!』新潮社1300円

★今年一番の落涙小説。泣けて泣けて恥ずかしいほど涙が止まらなかった。

★「血の繋がらない家族」についての中編2編が収められおり、両方良いが、特に泣けたのが『児島律子のウェルカム・ホーム』。

★主人公・律子は中年のキャリアウーマン。2度結婚し、2度離婚を経験している。その律子の前に一人の若い男が現れるところから物語は始まる。

★最初の結婚は16歳年上の平岡。しかし、平岡に女が出来てそちらに子供が出来たことで離婚。その後パーティーで知り合った石井と結婚。相手は再婚で、前妻の娘聖奈がいる。この石井もかなり問題で、事業資金が足りなくなるたびに律子の金を引っ張り、女遊びもやめようとしない律子は自分で稼いで自分で家計をやりくりし自分で聖奈を育てるという生活が始まっていく。

★石井が女遊びを始めても律子が怒らなかったのは、石井が家に寄りつかないほうが、聖奈のために割ける時間が増えると思っていたから。この娘は天使のように可愛いのである。

★その聖奈がグレ始めるのは中学に入ってから。それから紆余曲折、石井家一族から追われるように離婚した律子にはもうどうすることも出来ない。聞くところによると石井は3度目の結婚をしたらしい。聖奈にはまた新しい母親が出来たということ。で、それから四年たった現在、もしかしたらと律子は聖奈からの電話を待ち続けるが、彼女からは音沙汰がない。そこに一人の青年が訪ねてくる

★40代の律子は、会社ではやり手。しかし、私生活のほうは心許ない。男運が悪いという範疇を著しく逸脱しているようにも思う。問題は、律子自身が「自分には形のある何か」がまったくないと感じていること。これまでの人生を後悔しているわけではないが、その欠落感が彼女にはある。会社では優遇されていても、仕事はたしかに面白くても、なにか満たされないものを彼女は感じている。

★この先は紹介しないほうがいいだろう。あとは本書をお読みいただきたい。久しぶりに落涙した小説だ。恥ずかしいくらいに涙があふれ出て、胸が痛くなった。こういう状況に置かれたら、私も律子と一緒に泣いてしまうだろう。そう考えるだけで、また涙があふれ出る。

★壊れた家族が再生する物語というのは僕が一番弱いパターン。失恋話では泣けないが、こういう話は泣いてしまう(僕自身が家族にクールだから?)。ストーリー自体は当たり前のよくある話だが、作者の造形力、描写力が見事で、どんどん引き込まれ、つい泣いてしまう。
『トーキョー・フリータースタイル 東京に暮す49人の「時間」と「お金」』
マーブルブックス編集部・編 中央公論新社 本体1700円
2004年03月25日
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今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。

『トーキョー・フリータースタイル 東京に暮す49人の「時間」と「お金」』
マーブルブックス編集部・編 中央公論新社 本体1700円


★フリーターは年々増加し、92年から50万人増えています。しかも15歳以上、35歳未満の統計で、35歳以上は入っていない。もっといるな、というのが実感。東京中央線の中野、高円寺あたりを昼間歩いていると、若者の半分以上がフリーターじゃないかと思える。

★フリーターという呼び方は、フリーアルバイターの略としてここ10年ぐらいで定着。非正規低賃金雇用者。平均収入は12万円前後で、課税の対象ラインにも達していない。そこで税収や、年金問題にも大きく関わる社会問題となっている。息子さんや娘さんがいつまでも定職に就かず、「いったい何を考えているのか?」と不安に思っている親御さんも少なくないと思う。

★この本は、そんなフリーター49人に履歴、アルバイトの内容、収入、いま住んでいる住居、趣味、ライフスタイル、家計簿、一週間の日記を公開してもらっています。いまの若者の生き方、暮らしぶりが垣間見える。彼らの部屋を覗き見している感じ。フリーターのことを理解するには格好のテキストになる。

★20代前半が多いが、10代や30代も混じっている。驚くのはけっこう大学卒業者、しかも4大出が多いことです。 不況ということもあるでしょうが、あえて正社員として就職という道を選ばなかった人も多い。親とすれば、高い月謝払って大学まで行かせて、フリーターではやらずぶったくり、という感じでしょうが。

★しかもみんないたってお気楽に快適に過ごしている。収入は12万〜20万ぐらい。支出もまたほぼ同じ。貯金なんかしていません。当然ですが。週の労働時間は30時間から60時間ぐらい。人によりますが余暇はたっぷりある。だからみんな家計簿を見ると使った額の順位が住居費の次ぎぐらいに遊興費がくる人が多い。食費とは別ですから、飲んだり遊んだりってことでしょう。また同じような友人仲間がたくさんいる。

★エンゲル係数ならぬお気楽係数とでもいいますか。江戸時代に戻ったような感じがする。生きていく分だけ働いて、あとは自分のために時間を使う。そういう人が大量に増えている。音楽、映画、ファッションなどの消費動向は、彼らが握っているところがあってマーケティング的にも無視できない存在になっている。意外に本もけっこう読んでいる。

★31歳の某テレビ局美術スタッフという男性。家賃4万5000円のマンションに彼女と二人で住んでます。座右の銘を書く欄があるんですが、31歳で「笑う角には福来たる」。脳天気というか、前向きというか、、、、。「現在、考えたくない、考え出すと憂鬱になるような悩みはなんですか」の回答が「虫歯」。1月5日、初出勤の日記の書き出しが「ちんぴょろすぽーん!!と初出社」。まったく呆れた奴ですが、ぼくも似たような生活を送っていたので、正直言ってわからんでもない。もちろん本当は、いいことばかりじゃありませんが。

★職種はカラオケ、コンビニ、ゲームセンター、ファミレスなどの店員、というのがまず目につく。ほか、カフェスタッフ、レストランキッチンスタッフ、ホテル宴会場スタッフなどスタッフというのも多い。昔は学生アルバイトといえば道路工事とか肉体労働しかなかった。わりあい楽に金を稼げる職場が増えたこともフリーターが増えた一因かと思います。じっさい彼らがいなくなると困る業種は多いでしょう。

★なかには、これは立教大学を出た26歳の男性ですが、出会い系サイトのサクラ(女の子を装って客とメールトークする)という仕事の人もいる。いかにもいまどきの仕事。しかも時給1150円とけっこういい。それでも多くの若者は将来の夢がある。デザインをやりたい、音楽をやりたい、海外 留学がしたいなどですね。好きな道へ進むため、わりきってアルバイト生活を送っている。やりたい仕事が見つかるまでの充電時間、という男性もいる。とにかく毎日の暮らしを楽しむのはみんな上手い。

★そんな彼らに、いくら社会的に責任を持ってとか、将来の展望をとか大人が言ってもなかなか説得力はない気がします。せめて彼らから、またあたらしい音楽や映画や文学などが生まれるかもしれない。そう期待したい。

★もはやフリーターは日本社会の前提になっている。頭ごなしに「けしからん」と言ってもしょうがないので、とりあえずこの本を読んで、フリーターの実態を研究してみてはいかがでしょう?
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