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『乗物絵本時代〜昭和の子供達が見た汽車・電車』 関田克孝 JTBパブリッシング 2625円 |
2004年11月18日 |
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今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。
『乗物絵本時代』関田克孝 JTBパブリッシング 2625円
★今日御紹介する本は、中高年の男性に特におすすめ。一日、仕事をほっぽりだして夢中で見てしまうと思いますよ。タイトルにあるように、これは昭和を中心に、明治大正から約三百冊、著者が集めた「乗物絵本」を紹介した本です。
★ぼくらが子どもの時分、本屋の入り口を入ったところに、あれ、何て言うのか、ぐるぐる回る絵本を並べる陳列台があって、そこに必ず「のりもの」とか「でんしゃ」と書かれた絵本がありました。写真じゃなくて、絵でした。いま、あんまり見かけなくなったかなと思いますが。むかしの子どもは、特に男の子はみんな一冊は持っていた。あれ、どこへ行ってしまったのか。神保町で絵本を扱う「みわ書房」さんに話を聞いたことがありますが、昔の乗物絵本は人気で、入ってもすぐ売れるそうです。買っていくのは、ぼくら以上の中高年のようです。でも、この本を見ているとわかりますね。たまらなく子ども時代が懐かしくなる。それが乗物絵本のようです。
★たとえば見開き大画面で、富士山をバックに、由比の浜海岸沿いを走る特急「はと」の絵があります。昭和27年発行の絵本で、文章は「かいがんぞいに はしる きしゃ ぼくらの きしゃは とっきゅう はとだ
たのしい たのしい てんぼうしゃ ふじさんの ゆきが まっしろだ」と全部ひらがなで書かれています。まあ、文章は全部こんな調子です。棒読みならぬ棒書き。絵がいいんですね。写真より温かみがあって、画家の理想や思い入れが籠っている気がする。この絵は安井小弥太、乗物絵本の名手。何度も出てくるので、この本で名前を覚えてしまいました。
★当時、特急には最後尾に展望車がついていました。「つばめ」「はと」「富士」。見ると、みんな展望デッキから親子が手を振る姿が描かれています。誰に向かって手を振っているのか。しかし、必ず手を振る。「この時代の乗物の絵本には、特急列車の展望デッキから手を振る親子の情景が描かれていない本はないといっても過言ではなかった」と著者は言います。
★展望デッキだけではない。線路端から、電車や汽車に向かって手を振る姿の子どももたくさん描かれている。いま、見ませんね。電車に乗っていて、線路端から電車に向かって手を振っている子ども。新幹線からも見たことがない。いまでも子どもは乗物が好きでしょうが、かつては好きと言う以上にあこがれ、だったのかな、とこの本を見ていて思いました。ぼくは記憶にないのですが、新幹線が走る前の「こだま」「つばめ」などでも、昔の特急列車は流線形でかっこいいですね。これらには、あまり乗る機会も少なかったろうから、余計にあこがれが増したかもしれない。
★そのほかもちろん蒸気機関車や地下鉄、都電など市街電車、それに戦前の東京近郊を走る省線電車、や私鉄も描かれています。まわりの風景も描かれていて、年配の人にとってはたまらなく懐かしいと思います。小田急の経堂行きや、渋谷から桜木町と書かれた東京横浜電鉄、現在の東横線などは絵を見る限り一輛ですね。マッチ箱みたいなかわいらしい電車です。戦後まもなく、MPが交差点に立って交通整理をする場面があったり、子ども向けの絵本といえど、情報も多い。
★ページを開いているだけで時間がたつのを忘れる本です。クリスマスのプレゼントに、お父さん、おじいちゃんにどうでしょうか。まちがいなく喜ばれるはずです。 |
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『コロラドの血戦』 クリントン・マッキンジー 新潮文庫 900円 |
2004年11月11日 |
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今日の担当は本の雑誌社・顧問の目黒考二さん(=文芸評論家の北上次郎さん)です。
『コロラドの血戦』 クリントン・マッキンジー 新潮文庫 900円
★帯によると「ハイテンポのリーガル・アクション・スリラー!」とのこと。個人的にはある種の「家族小説」そして、「犬小説」として読んだ。
★主人公はワイオミングの麻薬捜査官、アントニオ。アントニオは父と兄の間に確執があり、仲が良くないことを心配している。そこでアントニオは3人でロック・クライミングに行くことを提案した。現役の合衆国空軍大佐でもある父は、兄弟が子供だった頃からよく岩登りに連れて行ってくれた。そこで主人公アントンは、家族のきずなを回復するために、思い出の岩登りに3人で行くことにしたというわけ。その旅先で思わぬ謀略の渦に巻き込まれていくというのがこの長編のストーリー。
★兄、ロベルトはロック・クライミングの第一人者。素手で岩山を登るすご腕のフリークライマーだが、あまりにも自由奔放な性格で、社会的には問題児。薬物依存症で、何度も警察の厄介になっている。兄の薬物依存の前科が、優秀な軍人である父の昇進の妨げにもなってきた。
★しかしロベルトは、アントニオによれば「卑劣な行為の残虐性を許さない」正義派であり、母に言わせれば「あの子は、完全に自由で、完全に野放しの世界で生きてきた。」ということになる。歩くだけで女性たちが振り返る容姿の持ち主で、自由気儘に生きている自由人。素手でクライミングする姿は」自殺したがっているんじゃないのかと言われるほど大胆で、しかし大胆なあまり、世の中の規範にも従わないので、何度も逮捕され、それをまったく後悔しない男。
★ロベルトが殺人事件の容疑者として逮捕され、その無実の罪を証明するために証人を追うアントニオの活躍が始まるのだが、「どんな犠牲を払ってでも家族への忠誠を優先しろ」という父の教えが物語の中で活きているのがミソ。父は途中で軍の出動命令を受けて去ってしまう。アントニオにしてみれば、「家族より仕事をとるのか、、、」と憤るのだが、、、。
★ラストがかっこいい。父親に電話した段階で、そのラストはだいたい推察できるけれど、しかしここではやっぱり控えておこう。ようするにこれは、家族小説なのである。
★もうひとつ重要なのはアントニオの愛犬オソの活躍。熊のように巨大で荒々しい犬。アントニオが密売人のアジトに踏み込んだときに発見した犬。虐待されていたからオソは人間不信で、アントニオが何週間も愛情を注いで、ようやく触っても噛まないようになったところ。それでも他の人間には触らせないし、ときにはアントニオでもあまりいい顔をしない。この犬が可愛い。
★訳者あとがきによると、これはシリーズの第一作らしい。アメリカでの出版順序は逆だが、内容的にはこれが、アントニオ・バーンズ・シリーズの第一作とのこと。いやはや、楽しみなシリーズだ。 |
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『野口英世は眠らない』山本厚子 綜合社 1890円 |
2004年11月04日 |
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今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。
『野口英世は眠らない』山本厚子 綜合社 1890円
★11月1日に20年ぶりに新札が発行されました。肖像が、一万円はそのまま福沢諭吉で、五千円が樋口一葉、千円が野口英世になりました。その野口英世ですが、子ども向けの伝記で必ず取り上げられて、医学における黄熱病ほか伝染病の研究などの世界的業績と、子どものころ、囲炉裏に手をつっこんで大火傷を負い、いじめられたりからかわれたりしながら努力して研究者となった、というぐらいのことはみな知っています。口ひげをはやした、ちょっと加藤芳郎さんに似た風貌もおなじみ、です。しかし、意外にくわしいことは知らないんじゃないか。ぼくも子どものころ学校の図書館で借りた偉人伝で読んだくらい。
★そこでこの『野口英世は眠らない』ですが、野口の一生をたどりながら、海外での活動や評価を現地へ行ってくわしく調査した評伝です。千円札の顔になるのだから、偉い人にはちがいないが、ずいぶんむちゃくちゃな、おもしろいところのある人だな、というのが、わたしがこの本を読んでの印象。
★まず、野口英世が日本よりむしろ海外での評価が高いという話から。著者が訪ねてみて驚くんですが、野口が黄熱病研究のため滞在した中南米では英雄扱いです。たとえば、銅像やレリーフはラテンアメリカ、つまりパナマ、エクアドル、メキシコ、ペルー、ブラジル、リオなどですが、そのうち七カ所にもあるし、野口通りという通りもあれば、アンデス山中には「野口小学校」がある。ペルーには「ヒデヨ・ノグチ国立精神衛生研究所」がある。エクアドルでは生誕100年の年1976年には、記念切手も出た。
★同じ医学の研究者たちも、日本から来た野口に対して畏敬の念を抱いていますが、それは医学上の業績もあるが、著者は、研究における行動力が評価の高さにつながっている、と見ます。というのは、タイトルにもありますが、野口はいったん実験や研究を始めると、文字どおり不眠不休で没頭します。とにかく、実験中はほとんど食べないで、眠らなかったらしい。その姿を見て、「一体日本人は、いつ眠るのですか」とロックフェラー研究所の所長などは言った。大正7年(42歳)にエクアドルで黄熱病の病原体を発見しますが、このときも徹夜で実験を繰り返した。今度の新千円札の肖像は、この年に撮った写真が元になっている。だから、あまり寝ていない顔がお札になったわけです。いま手元にあったらじっくり見てみてください。
★ほかにも英語、ドイツ語、フランス語、中国語、デンマーク語、スペイン語を操った語学の天才で、国際人としての感覚を身につけていた、野口の妻、アメリカ人のメリーが大酒飲みで、酔ってはよく野口をぶんなぐったなどすごい話はいくらでも出てきますが、ぼくが驚いたのは、野口のお金の使いっぷりです。これがめちゃくちゃ。野口が恩師と仰ぐ歯科医師の血脇(ちわき)守之助などは生涯、いったいいくら野口のために金を使ったかわからないくらい。血沸き肉躍るほど使った(笑)。例えば、1900年(明治33)に野口は渡米することになるが、その費用300円(現在の150万円くらいか)を作るのに、結婚する気もない金持ちの家の女性と婚約します。その条件で相手の家から金をもらう。こんなこと、子ども向けの偉人伝には書けない。ところが、渡米前に送別会と称して伊勢佐木町の料亭で仲間とどんちゃん騒ぎをしてひと晩ですっからかんになる。金がないとアメリカへ行けない。しかたなく恩師・血脇は高利貸しから借りて300円、野口に渡す。野口はひとりで渡米しますが、婚約者はほったらかしで4年後婚約は破棄され、婚約料の300円を返すのは、またもや血脇先生。むちゃくちゃです。
★また、野口が不眠不休の研究に耐えられたのは頑丈な身体の持ち主だったから、ですが、たった一度腸チフスが原因で入院している。その理由は、カキが身体にいいと聞いて、カキを食い過ぎて腸チフスになる。医者は手術が必要だ、と言うが、野口は断る。自分も医者なのに。じゃあ、野口英世が嫌いになるかというと逆で、その個性的な生き方にだんだん親しみがわいてきます。
★全体から感じられるのは、野口英世という人のすさまじいエネルギーです。幼くして障害者となり、家は貧乏で、立身出世の道は閉ざされていましたが、そこを努力、熱情、忍耐で切り拓いていく。とても人並みには寝ているヒマなどない、人生でした。ぼくは、たくさん寝ていたいほうなので、野口英世みたいに偉くならなくていいや、と思いましたが。それに周囲の人がこの野口に助力を惜しまない。最後、黄熱病にかかって入院したときも看護婦が「あの方のためなら、どんなことでもしてあげたくなるわ」と言った。どうも不思議な魅力のある人だったらしい。野口の明治三年五月二十一日に息を引き取りますが、最後の言葉は「私にはわからない」だったそうです。 |
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『明日の記憶』荻原浩 光文社 1575円 |
2004年10月28日 |
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今日の担当は本の雑誌社・顧問の目黒考二さん(=文芸評論家の北上次郎さん)です。
『明日の記憶』荻原浩 光文社 1575円
★主人公は広告会社の営業部長をつとめる50歳の男、佐伯。佐伯の身にある変化が起こり、物語は始まる。帯には「人ごとだと思っていたことが、我が身に起こってしまった。」
★会議の約束を忘れる、取引先の担当者の名前を忘れる、、、仕事のなかでそういう現象が相次いで起きるようになる。初めのうちは軽い物忘れ程度と考えていたが、その記憶の喪失はどんどん加速度を増し、佐伯は慌て始める。そこで佐伯はあらゆることをメモにとることにする。いま相手が言ったこと、相手の名前とその容貌の特徴。仕事の案件。そのすべてをメモにとり、その未整理のメモでポケットが膨らんでいく。その姿を見て部下たちは「最近、部長の様子がおかしいよね」と噂しあうようになる。そして、妻の勧めで病院を訪れた佐伯は、若年性アルツハイマーの初期症状と診断されるのである。
★私自身、最近こんな体験をした。つい先日、京王線の新宿駅で降り、改札口を出た瞬間に、どこへ行こうとしているんだろとわからなくなった。手に持っている荷物を見ると、競馬場に行くところではない。すぐに、ああ自宅に帰るんだと気づいたが、次の瞬間、ええと、自宅に帰るには何線に乗るんだとわからなくなり、小田急線だと気づくまで数秒の間があった。まあ、私の物忘れのひどさは若い頃からなのだが。
★小説の最初のほうにこんなくだりがある。「アルツハイマーにかかった場合、最初にあいまいになってしまうのが、直前の記憶や短期の記憶だそうだ。いま自分が見たもの、言ったこと、したことを、次の瞬間に忘れてしまう。あるいは新しく覚えたことや、数日前の約束などが頭から消え去る。これはアルツハイマーが最初に冒すのが、短い期間の記憶を保存する脳の中の
「海馬」と呼ばれる部分だからだそうだ」」果たして改札を出た瞬間に行き先を忘れてしまうのは、短期の記憶なのか?
★「アルツハイマーの進行は年齢が逆行していくと考えると、わかりやすい。幼児が感情を獲得し、言葉を覚え、知識と記憶をたくわえ、計算能力を発達させ、しだいにひとりでなんでもできるようになる。これとまったく逆の現象が起きていく」この過程のディテールが積み重ねられていく。
★これだけではひたすら暗く重い話。いくら現実を鋭くえぐるといっても、それではエンターテメイントとして成立しない。しかし、この小説は最後に切なくも美しい結末が待っている。今の医学では根本的な治療をすることができないので、あとは当の本人がどのような境地に辿り付くかの問題になる。若い頃に遊び半分で陶芸をたしなんでいた佐伯は、もう一度かつての師匠について陶芸を始めるようになる。不安と恐怖に怯えながら、佐伯がたどりつく地点はラストに描き出されているが、その美しさと悲しみに胸を打たれる。
★そのくだりで私は母のことを思い出す。70歳過ぎで発病し7年寝たきりだった母は、不安と恐怖に怯えながらも、「自分の病気も、もう恐れはしなかった。私自身が私を忘れても、まだ生命が残っている。そのことを初めて嬉しいことだと思った」と考えていただろうか。そう考えていた、と私は信じる。 |
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紀田順一郎著『私の神保町』晶文社 1890円 |
2004年10月21日 |
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今日の担当は書評家の岡崎武志さんです。
★紀田順一郎著『私の神保町』 晶文社 1890円
★東京千代田区に「神保町(じんぼうちょう)」という町があります。神を保つ町、と書きますが、地図で言えば皇居の右上あたりに位置する。ここに170軒もの古本屋さんが集まっています。この数と集中度は世界一。だから古書の町として世界にも知られ、120年以上の歴史を誇っています。いま日本で手に入る本は、ほとんどこの町に集まっているといっていい。この町で行われる業者市では、今年七月、坂本竜馬の姉宛ての手紙が出品され、1600万円で落札されました。重文級の文化財が取引されることもある。
★そんな町で今年も読書の秋ということで、10月29日から11月3日にかけて、神田古本まつりが開催されます。毎年行われ、今年第45回を迎えます。通常の営業と別に、神保町交差点近くと三省堂書店周辺で、ワゴンセールが行われる。そのほか作家のサイン会やオークションなど本好きに向けてのいろんな催しがあり、この時期を愉しみに、全国から神保町めがけて人が集まってきて大いににぎわいます。リュックを背負って泊まり込みで地方から出てくる人もいる。掘り出しものもたくさん出るので、東京在住のかた、首都圏のかたはぜひ一度足を運ばれるといいと思う。
★そして神保町へ行く前に、ちょっとこの本を読んでおくと、楽しみが倍増することうけあいなのがこの本です。神保町歴50年近い作家で評論家の紀田さんが、これまで書いた神保町についての文章を集めた本です。神保町の歴史から、古本のつきあいかたまですべてわかる。
★元は武家屋敷の町だった神保町に古本屋が集まったのは、ここに明治期、たくさんの大学ができたからです。町名だけ残る一ツ橋大学は移転しましたが、明治大学などはいまでも残ってます。その後、歴史の荒波を乗り越えて、いまに至るわけですが、『私の神保町』を読むと、本の町を守ったのは人の力でした。
★まず、第二次大戦中、神保町の古本屋街が空襲をまぬがれたのは、東京帝大で学んだロシア生れの日本研究家エリセーエフが、この町は守るべきだとマッカーサーに中止を進言したという伝説があります。事実その周辺は空襲を受けたが、古本屋街には爆弾一つ落ちなかった。だから、一部看板建築とか、戦前の建物が残っています。昭和40年代半ばには、神保町が高速道路の下になる計画があったが、これも古書店が反対運動をして白紙撤回させた。昭和58年ごろには地価が高騰し、坪7000万円、8000万円にもなり、地上げ屋があの手この手で買収しようとしますが、これにも結束して屈しなかったといいます。すごい町なんです。
★路地裏に、落ち着いた雰囲気の喫茶店がたくさん残っているのも神保町の魅力でしょう。ぼくなんかは、都心のほかの町に用事があってでかけても、一度神保町に立寄って、本を見てから帰ることが多い。大人の姿が圧倒的に多いこともあって、落ち着く町なんですね。
★著者は「古本漁りはグルメと同じで、高い金を出してうまいものを食べても、あたり前すぎて自慢にはならない。うまいものを手ごろな値段で発掘する能力と甲斐性こそが評価されるのである」と言っています。そこで、店のなかに入らなくても、表に出たワゴン、特価台を見て歩くだけでも「独特のたのしみ」がある、とアドバイスしています。いま、文芸書の評価が下がって、個人の文学全集が安くなっています。昔は高くて買えなかった作家の全集も、いまならポケットマネーで買えたりします。『私の神保町』を持って、この秋、神保町へでかけてみましょう。 |
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