現場レポート
52017.1.9
特別試写会&舞台挨拶
1月17日(火)の初回放送が迫る中、本日9日(月)に、特別試写会&舞台挨拶が行われました。
佐野亜裕美プロデューサー:
『カルテット』は、『Woman』『最高の離婚』ほか数々の名作を生み出してきた坂元裕二さんと、かなり前から少しずつ作り上げてきたオリジナルのヒューマンドラマです。30代の、恋も人生も行き詰った4人の男女が紡ぐ、愛すべき日常を丁寧に描いていきます。
このドラマは100人がいたら100通り、もしかして何度も見たらそのたびに面白がるところが変わる作品だと思って作りました。ですので、みなさんが面白かったところをうまく他の方々に伝えていただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。
佐野プロデューサーの挨拶の後、松たか子さん、満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さん、という豪華キャストが登壇。『カルテット』にかける熱い意気込みを語ってくれました。
松たか子さん:
今日は寒い中、ありがとうございます。第一話出来上がったばかりのものを見て、みなさん存分に楽しんでいってもらいたいなと思います。今日はよろしくお願い致します。
満島ひかりさん:
私たちはさきほど1話を見ました。大人のドラマでした。みなさんにも楽しんでもらえるんじゃないかと思います。佐野さんのお話通り、100人いれば100通り見方が変わってくるドラマだと思います。これから撮影も日々がんばっていきたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願い致します。
高橋一生さん:
佐野プロデューサーがおっしゃってたように、いろんな楽しみ方ができるドラマになっています。ラブサスペンスとかコメディとか言われてますが、みなさんが思ったとおりのものになるんだと思います。ぜひ、構えずに。そのときの感覚で楽しんでもらえたらと思います。よろしくお願い致します。
松田龍平さん
今日見ましたが、重厚な人間ドラマが展開されるであろうドラマです。結構やることが多くて、毎日楽しく忙しくさせてもらっています。演奏シーンもあって、僕ヴァイオリン初めてで。松さん第一ヴァイオリンで、僕セカンドなんですが、松さんがめきめき腕を上げれば、僕のプレッシャーがどんどん高まって(笑)、そういう4人でいい関係を築きながら、演奏シーンを撮ったりしてます。いいスパイスになってると思います。ぜひ楽しんでご覧ください。
Q.坂元裕二さんオリジナル脚本ですが、みなさんが感じるこのドラマの魅力とは?
松たか子さん:
緊張と緩さが微妙に見え隠れするというか…でも“ああドラマだな”っていうか。日常だったりささやかだったり衝撃的なことだったり、色々あるんですけど、それが毎日を描くドラマなんだなって。自分にふと帰ってくる。油断していると自分に突き刺さる感じ、楽しいんだけどちょっと怖い感じ、それが坂元さんの選ぶ言葉や設定に詰まっているので、物を書く人ってすごいなって。「へえ〜」と思いながらやってます。
満島ひかりさん:
はっきりしない4人が、はっきりしないことを話しているうちに、なにかがはっきりしてくるみたいなところでしょうか。
この人は赤キャラ、青キャラ、黄キャラ…という感じにキャラクターがはっきりしている人たちがぶつかるんじゃなく、一人の人間の中にも多面性があって、角度を変えれば違う表情が見えて、いろんなものが違って見えるドラマです。さきほど出来上がったドラマ見て、そういう積み重ねが面白い感じになっていましたし、ちょっとした目の動きで、実は言っていたことと違うこと考えてるんじゃないかとか、そういう部分が見えてきて、「坂元さんこういうの書くんだ」と思いながら、今までやってきたものとは違う感覚があります。なんか、重くならないですね。重くならないって言い方は少し違うかもしれませんが、下に落ちようとすると誰かがフッと風を吹かせてあげるみたいな、ずっと風が吹いている感じのドラマだと思います。
高橋一生さん:
僕が今まで見てきたドラマとは一線を画してるというか違う楽しみ方が出来るドラマかなと思っています。何にもないように見えたものが、実は伏線になっていたりとか、繋がっていたりとかがたくさんあって。それから坂元さんの本でよく表現されている、ある生々しさみたいな、会話の生々しさだったりがあいまって、不思議な世界観になっています。ある寓話的な部分もあるし、生々しい部分もあるし、それを見てくださっている方が透明人間になって、僕らがいる別荘に覗き見している感覚になってもらえたら面白いんじゃないかなと思います。
松田龍平さん:
ほぼ4人芝居なので、別荘の中でずっと“から揚げにレモンかけるかかけないか”の話をしていたり、さきほど一生君が話してたように、たわいもない話がのちのち効いてきたり、先の展開が読めない面白い本ですし、可能性に満ちたドラマなんじゃないかって思います。あと、お芝居と演奏シーンの、少し演奏してからスムーズに芝居に入っていく流れとか、変わり者奏者4人の生活感というか、そういうのが回を追うごとに見えていけたらいいなと思うし、自分も楽しみにしています。
Q.楽器にまつわるエピソードを教えてください。
松たか子さん:
ヴァイオリンは初めてなのですが、一応セミプロというか経験がある“ファーストヴァイオリン”という立場なので、日々努力しておりますが、先生たちに注意されたり、おだてられたり、その気にしていただきながらなんとか…。でも、チェックは見るのが怖くて出来ません(笑)。そこは監督と先生にお任せしています。
でも、せっかくなのでできるだけのことはしたいと思っていて、こんな機会もなかなかないので、ヴァイオリンを少しでも好きになりたいと思う日々です。まだヴァイオリンが私を認めてくれてない感じはありますが(笑)。
ただ、音楽があると現場は楽しくなるものなので、大変ではありますが、しょうがないな、やるっていっちゃったしなって諦めながら頑張っています。
満島ひかりさん:
すごく楽しいです。先生に「毎日話しかけるといいよ」と言われたので毎日おうちでチェロに話しかけたり、あとは「チェロは人間の声に一番近い楽器だからたまに音を鳴らすと落ち着くよ」とか、「女の人の体がモデルなんだよ」というお話を聞いて、たまにこうやってなでたりして。まだ全然弾けませんが、弾いていてすごく楽しいです。先生たちがそんな難しい曲は弾けませんって言っても、脚本の坂元さんが折れてくれなくて(笑)、結構難しい曲を頑張ってやっていて、そうするとちょっとしたことが、最近音が出て弾けるようになったりして。
それから音楽の音の中に、どれだけ混じれるかとか、私はすごくめんどくさい人なので、他の3人が優しいから、がんばってやれてます(笑)。こだわりも強いし、めんどくさいし、「もう1回やりたいです」って何回も言って(笑)。みんなはもうやりたくないかもしれないのに…。
松さん&高橋さん:
そんなことないです。
松田龍平さん:
僕は1回だけ「もう芝居やりましょうよ」って言っちゃいました(笑)。
高橋一生さん:
ヴィオラ、って主旋律弾けないんですね。楽譜上では、裏で音を取ってる、というか、ベースみたいな音ですね。チェロはその中でも王道、というかちゃんとしたベースのラインを、もう一個上なんで、これがまたヴィオリストにとっては中途半端でコンプレックスであるところらしいんですね。それで僕が演じる家森はちょっと卑屈になってる役なんです。
それで楽器の演奏をしている時に、ひかりちゃんが楽器の中に作った年代が書いてあるって言って。みなさん持ってる楽器がどれもすばらしいもので、1700年代に作られたチェロだったり、ヴァイオリンだったりとか、で、僕も「そうなんだー!」って僕のヴィオラを見たら、僕のだけ1900年代(笑)。こういうところで僕いじわるされるなって、どんどんどんどん卑屈になってますね(笑)。高橋一生としても卑屈になってます(笑)。
松田龍平さん:
(第一ヴァイオリンの)松さんがメキメキ腕を上げていて、ホントに弾けるんじゃないかってくらいうまくなってるんですよ。それが僕の日々のストレスというか、プレッシャーを与えられ続けて、割と役柄もそうなんですけど、松さんがファーストだから、松さんの合図を待って、ちらちら見てるんですけど、ボーイングとかで松さんを見て、違ってたら正す、ってやり方をやってて、これじゃリーダー務まらないなと思いまして、そろそろちゃんとやろうかなって思ってます。
ただ、緊張感がすごくて、演奏のシーン、みんな初めてなんで大変なんですよ。楽曲も「うそでしょ」ってくらいあるし。その中でプレッシャー感じながら、楽しい雰囲気をもっと出していきたいと思って、それがやればやるほど身について、余裕が出てきたらそういう演奏も見せられたらいいなと思ってます。
また、今回は日本ヴァイオリンさんから世界に1セットしかない、幻の名器が舞台上に登場!
(一番上の写真で、キャストのみなさんが手にしています)
現代を代表するイタリア人弦楽器製作者・フランチェスコ=トトが手がけた、超貴重な弦楽器だそうで、キャストのみなさんも恐る恐る手に、スチール撮影に臨んでいました。
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