認め合うという希望
私は映画「男はつらいよ」シリーズを何度も見返している人間です
寅次郎がどんなに世間の常識からかけ離れていても、さくら達はいつも旅先の寅を案じ帰宅すれば喜んで皆で食卓を囲む
…
この映画を見ていると、勝手に自分もそこに混じっているようで居心地が良いんです
カルテットには「男はつらいよ」を見ているときと似たような居心地の良さを感じました
どんなにクセが強くても、世間には「ダメ人間」と評されるタイプでも、お互いに相手をかけがえのない存在だと胸を張り、認め合い許し合い、食卓を囲み共に生きる…
とても居心地が良く、劇的なストーリーがなくてもずっとこの世界を見ていたい、食卓に勝手に混じっていたい…そんな気持ちになりました
私は家族からありのままの自分を拒絶され、必死に違う自分になろうともがき疲れ果ててしまった人間でした
だから、「男はつらいよ」やカルテットの世界に混じりたいのかもしれません
警察に捕まっても変わらずに愛され、「連れて帰る!」と抱きしめてもらえる真紀さんが羨ましいな…
でも自分が真紀さんにはなれなくても、この世界のどこかにそんなふうに強く認め合う、愛にあふれた関係があれば希望が持てる…
「男はつらいよ」は劇的な展開も事件もない物語で、途中からマンネリだ地味だとも言われた作品です
カルテットも、「男はつらいよ」と同じように何がいいのかわからない、という人もいるのかもしれません
でも私は、今後「男はつらいよ」と同じようにカルテットも何度も見返すようになると確信しています
愛にあふれた世界を見たいから…
希望が見たいから…
カルテットを生み出してくださった皆様、
作品に出会えて嬉しかったです
頑張って生きていきます
ありがとうございました