水戸黄門大学

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パナソニックドラマシアター水戸黄門 40周年第40部記念 スペシャルコンテンツ



学部(がくぶ)

東海道五十三次

第28部 / [5] 江尻・駿府
*家康公ゆかりの地
江尻は今の清水市、清水銀座商店街が昔の宿場の中心に一致する。清水というと全国的に名を轟かせている物がいくつもある。一昔前だと清水の次郎長、もちろん漁港としても日本有数だ。
今はなんと言ってもサッカーだ。とにかく陽気で前向きな町。もしかしてこの町だけ日本人ではない、ラテン民族ではないかと錯覚しそうだ。今のJリーグの半分位は清水出身ではないだろうか?エスパルスに至っては外人以外は純正だ。日本代表にも出身者はかなりいる。球技で、一つ地域出身者がこんなに多いのは他にない。早くから優秀な指導者がいた事もあるだろうが、実際にこの町へ行って、住む人のバイタリティを肌で感じると、人自体が日本人離れしてるのではないかと錯覚しそうだ。
それから祭にかっぽれを採用している。私も櫻川ぴん助師匠に習って、港祭にかっぽれを踊る。阿波踊りにもまけない位みごとなものだ。
東海道の宿場も、現在旧宿場は相対的に力を失い。昔は町の中心だったがその座を他の地区に譲った所がほとんどなのにここは清水銀座商店街として清水市の中心的商業地区だ。53次の中でもたいへんに珍しい。
巴川にかかる稚児橋にはかわいい子河童の像が待っている。江戸時代家康公の命により、掛けられた橋の渡り初めの式の時、カッパが川の中から現れて、橋を渡ったという言い伝えがある。
それと江尻の伝説で忘れてはならないのが三保の松原の天女伝説。
それから旅の途中で追い分け羊羹本店へ寄った。東海道と清水港へ行く道の別れで追い分けと名がついた。おいしい上品な甘味は参勤交代の諸大名が味わったそうだ。ご主人が座敷に案内してくれ話をしたのが慶喜公の直筆の掛け軸と山岡鉄舟が清水の次郎長に宛てた手紙だ。明治時代の物だが、慶喜公や次郎長が好んでこちらの羊羹が食べた姿が目に浮かぶ。今回の水戸黄門の旅でもはっつあんは食べそこない。お銀さんが食べる。話のわき役で顔を出す。
ここも一つの見どころだ。
昨年の宿場寄席では清水銀座商店街内の料亭、庵原屋さんの駐車場を使って屋外の落語会を計画してくれた。それも毎年行っている祭りの中に組み入れた。屋外を計画したのは53次ある中で3宿だけだった。宿場寄席を祭りにはめ込んだのは唯一ここだけだった。リオのカーニバルを思わせるどんちゃかする中で、屋外で落語会を行った。会場の前へ来ると音を小さくしてくれた。配慮は大変嬉しかった。それでも遠くで響く音に私の声は負けそうになった。
この町のバイタリティは計り知れない。
ややもすると静岡市の隣で、個性が埋没してしまいがちな場所でエネルギッシュに町づくりをしている清水の町はこれからも発展し続けるだろう。元気が出にくい昨今、日本の町の見本がここにある。

予備知識を持たずに今の東海道を歩くと、東海道五十三次で一番大きな町はどこですかという問いに、答えは「府中宿」と多くの人は答えるだろう。日本橋と京都をのぞくと旧宿場の中では一番大きい。
徳川ゆかりの地、400年の家康公の駿府城を見ながらビルや商店街を抜ける時、歴史と現代が混ざり合って何とも言えない都会がある。「静岡市」と「静岡県」。この名は明治に突然出来た。それまでは「駿府」あるいは「府中」。「駿河」の国府で「駿府」あるいは「府中」、江戸時代宿場の名としては「府中」が主に使われている。静岡の名は明治時代、最初の知事が府中や駿河では縁起の悪い名。「賎機山」別名「賎が丘」から「賎丘」、字を変え「静岡」としたと言う。
歴史のある町で、昨年も浅間神社で落語会をやらせてもらい。その建物の中、外を見せてもらったが、りっぱな絵や彫刻が施してある。日光の東照宮に似た印象を受ける。
落語会のやり方も老舗の味が出てる。行政、浅間神社、ホテル組合、飲食組合が工夫を凝らし、特にお弁当は各料亭が一品だけ持ちよって、七つ料亭の合作である。粋な事をしてくれた。浅間神社の社務所は入場制限をしたにも関わらず溢れて、中庭越しに会場を臨める楽屋にもお客様に入ってもらい。楽屋は狭い所へ追いやられた。それには驚きそして嬉しかった。古い静岡の町の老舗の持ってる力を十二分に楽しませてもらった。今、来年の家康公400年祭に向けて「ゆめ未来局東海道四百年際推進委員会」を設置し、県が中心になって盛り上げている。他県にはない試みで東海道五十三次のうち二十二宿を持っている静岡県の宿に対する愛情と取り組みは東海道全宿のパワーの源になっている。
3月31日から4月2日まで静岡まつりが行われた。家康公が家臣を連れて花見をしたという故事にちなんで始めた祭りも今年が44回を数える。駿府公園と旧東海道を使い大名行列や色々なイベントは子供からお年寄りまで町の人が参加する市民総出のものだ。
それともう一つが静岡葵博だ。1月8日から来年の1月7日まで行っている駿府公園と東静岡駅前広場の2会場を使って駿府城と家康公と静岡市の変遷をメインテーマに趣向が凝らされている。休みを利用して一日がかりで楽しんでもらいたい。
もう一つ4月25日にはとろろ汁でおなじみの丸子宿に新しい建物がオープンする。「駿府匠宿」東海道歴史体験も可能な館だ。
歴史の町静岡は色々な楽しみを与えてくれる試みを積極的に行って、それがまた、町のにぎわいを一層大きくしている。
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