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出演者インタビュー

大野甲太郎役 藤本隆宏

原作はお読みになられましたか?

ドラマ版の台本に描かれている大野甲太郎という人物を作り上げたかったので、しっかり読み込むのではなく、あえて流れるように読みました。感想としましては、社会や家族が抱える問題を見事に掘り起こされ、大きな衝撃を受けました。
全てが終わったあとに、しっかり読み直したいと思います。

原作・台本を読んでみていかがでしたか?

正直言って、この作品をドラマとして表現できるのかな?と思いました。けれど、プロデューサーの植田さんが「絶対に大丈夫です!」と自信を持っておっしゃったので、その言葉を信じて役作り・撮影をさせていただきました。私は第6話からの出演でしたが、実際に映像となった作品を拝見し、とても挑戦的で魅力的な作品だと思いました。

挑戦的、魅力的な作品とは?

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家族の抱える様々な問題をドラマで表現することによって、視聴者のみなさんに改めて気づいていただくことができる作品だと思います。最近は、親が子供、子供が親を……という事件を耳にするとこが余りにも多くて。この作品に携わるまでは、新聞・テレビ・インターネットなどで事件を知っても、“自分とは違う世界で起こっていること”のように感じていた部分があったかもしれないと反省しました。このような家族同士の事件は年間に数件しか起こらないであろうと思っていたら、実際には一日に数件起きていると知り、同時に全く関係のない世界で起こっているのではなく、自分達の身近なところで起こっている問題なんだと改めて気づかされました。『家族狩り』という作品は人々が目を背けたくなるような問題を包み隠さずに表現しているので、挑戦的ですし魅力的だと思いました。

『家族狩り』に携わったことで、様々な問題を身近に感じるようになった?

なりましたね。第8話を撮影している頃、親が子供を殺めてしまうという悲惨な事件をニュースで知りました。以前なら、“そういう出来事があったのか”と気に留めるだけだったかもしれませんが、親の気持ち、子供の気持ち、親戚の気持ち、子供の友達の気持ちなどを考えてしまって、涙が止まりませんでした。日本は平和で豊かですが、こういう事件がたくさん起こっていることを知りましたし、『家族狩り』を通して多くの方に自分の痛みと同じように感じて欲しいと思いました。こんな事をいうのはおこがましいし、「だったら君が何かしなよ」と思われる方がいるかもしれませんが、ひとりでも多くの人に現状を知っていただき、その上でケアが出来るような社会を作っていけたらと思います。

演じられている大野甲太郎はどのような人物ですか?

表向きは豪快で明るいシロアリ駆除の業者ですが、その裏で家族を狩っています。
しかし演じていて感じるのは、大野という人物は “愛に溢れた人”だなと。
実際にはたくさんの家族を殺めているのですが、大野としては苦しんでいる家族を助けるために愛を持って行動していると私自身は考えています。視聴者のみなさんは、シロアリ業者である大野と殺人を犯す大野にギャップを感じてしまうかもしれませんが、私の中ではどちらの顔も“大野甲太郎というひとりの人間である”と思って役作りをさせていただきました。
撮影に入るまでは、シロアリ業者の大野は“明るさをわざと作っているのかな?”と思っていたのですが、坪井監督が“明るい部分も大野であり、シリアスな部分も大野である”とおっしゃったんです。人間はひとつの顔だけを持っているのではなく、いくつもの顔を持っていると。その言葉を聞いて「なるほど」と納得し、大野の2つの顔を自分の中に引き寄せて演じました。

坪井監督からは大野像に関して、他にも提案がありましたか?

シロアリ業者の時は陽気に、家族を狩るシーンは“冷静に、あまり感情を表さないで欲しい”と言われました。台本を読んだ際、家族を狩っているシーンはかなり感情が昂ぶっているのだろうか?と疑問に感じて坪井監督に相談したところ、大野という人物は“心穏やかに、家族ひとりひとりをあの世に送り出しているので、あくまでも冷静に感情を表に出さない人物のほうがいいのでは?”と提案してくださいました。

財前さんとはどのようなお話されましたか?

人を殺めているので“悪役”というカテゴリーに入ってしまうのですが、本人達は末期的症状の家庭を生まれ変わらせる、送り出していると考えているので、“大野も葉子も愛に溢れた人物で、人を救うために愛をもって行動しているということだけは忘れないように演じよう”というお話をしました。

印象に残っているシーンはありますか?

最終話では大野の過去が描かれているのですが、そのシーンは印象に残っています。この出来事があったからこそ今の大野がある、と実際に演じてみて分かったというか……大野の抱える苦しみ・辛さ・葛藤を感じることができました。
もうひとつ最終話のことなのですが、松雪さん、伊藤さん、遠藤さんの俳優としての力に引き込まれ、自分の作り上げてきた大野像がいい意味で崩れたのは不思議な感覚でした。大野の人間らしい感情や動揺をリアルに感じることが出来たので、演じていて面白かったです。今までとは違う大野の顔をお見せできるのではないかと思います。

最後に、藤本さんにとって「家族」とは?

まず家族によって人は作られますよね。個人が壁を作ってしまっている家族もあれば、依存しあっている家族もあるし、社会と交流している家族もある。1000の家族があれば、1000通りの家族がある。社会と共に家族が人間を形成していくと思うので、ひとつひとつの家族を大切にしなければならないなと。私自身も家族というものを改めて考えたいと思いますし、幸い両親は健在ですから、今まで以上に親孝行をしなければならないなと思いました。

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