もう一度君に、プロポーズ「あらすじ完全版」

第2話

(写真) 波留と出会ってからの5年間の記憶を失い、実家に戻っている可南子の様子を見に、毎日顔を出す波留。しかし可南子は、自分のことで手一杯だと波留をこばむ。
そんな波留の元に、一件の仕事が舞い込んだ。近所で蕎麦屋を営む梅津が、車を廃車にしたいと依頼してきたのだ。その車は、5年前に波留が可南子を初めてのドライブデートに誘ったときに、借りた思い出の車だ。

母親の万里子のすすめで心療内科を受診した可南子は、病院で保険証を持ってくるようにと言われる。しかし保険証は波留が持っている。仕方なく呼び鈴を押してみるものの、まだ波留は帰ってきておらず、管理人が鍵をあけてくれた。中に入ると、部屋の中は散らかったままになっている。可南子は片付けをし、後日保険証を送って欲しいとメモを残して帰っていった。

(写真)可南子の日記を手に取り、初めてのドライブデートの日の日記を探す波留。ペーパードライバーの可南子の運転に、ついつい口を挟んでしまう波留にむくれる可南子。あげく脱輪してしまい、JAFを呼ぶ羽目になり、むくれる可南子。には「最悪なドライブ」と話した波留だったが、可南子の日記には「最高のデート」と書かれていた。

食品会社に勤める裕樹は、全国規模の大きな仕事を担当することになり張り切っている。志乃はお祝いをしようと誘うが、仕事に目がいっている裕樹は断ってしまう。仕事を続けるか悩む可南子に、裕樹は家のことなら心配ないと胸をたたく。
可南子が図書館に出向くと、美奈が話しかけてきた。マーくんの妹が迷子になったというが、可南子にとってマーくんはまだ幼稚園の男の子だったはず…館長の大橋に今の状況を話す可南子。心配ないと大橋は言うが、可南子は退職を申し出る。
図書館を出ると、そこには保険証を届けにきたという波留が待っていた。仕事を続けるよう言う波留に、空白の5年間がいかに長いかを感じた可南子は、不安を隠せず、どうしたらいいのかわからないと告げ、足早に去っていく。

(写真) 仕事のお使いに出ていた桂が、駅に向かう可南子の姿に気づき声をかける。波留の後輩だと強引に誘われた喫茶店で、可南子は波留の記憶がないことを桂に説明する。驚く桂は、最近様子がおかしかった波留に余計なこと言ってしまったと自己嫌悪に陥ってしまう。
その夜、波留を誘った桂は、可南子に会ってすべて聞いたということを正直に話す。まわりには心配をかけたくないから黙っててくれという波留に、応援するから何でも言って欲しいと桂は言い、今度食事を作りに行くと張り切るのだった。

図書館の朗読会を見に来た可南子は、大橋から可南子のおかげで毎月の開催にこぎつけたことを知る。夢中で物語に聞き入る子どもたちの姿。可南子が目指した光景がそこにあったのだ。
波留が可南子を訪ねて図書館に行ってみるも、可南子はもう帰った後だった。仕方なく家に戻ってバイクを降りると、可南子から電話が。電話の向こうから聞こえてくる豆腐屋のラッパ音、自分のところでも近くに聞こえる…可南子は近くにいるのだ。
直接、可南子と会うことの出来た波留に、可南子はもう一度図書館で働くことにしたと告げる。嬉しそうな笑顔を見せる波留に、可南子からも自然と笑顔がこぼれる。そして、そんな二人の様子を、少し離れたところからほほえましく見つつも声をかけられず、どこか寂しそうに立ち去る桂の姿があった。

(写真)

可南子がふと、波留の持っている新聞紙にくるまれたものに気づく。尋ねるとそれはたい焼きだ。しかも背びれで二匹がくっついている。食べるように勧められ、いぶかしそうな顔をしつつも美味しいと言って食べる可南子を見つめる波留。
そのたい焼き器は実家にあったもので、高校まで野球部だった波留の試合のときには、必ずお弁当に入っていた。実は太助と波留は血が繋がっていないが、そのたい焼きには、「頑張りたいお前のそばには、応援したい俺がついている」という太助の想いがこめられていたのだ。

かつてたい焼きを食べながら、興味深く二匹繋がったたい焼きのことを聞いていた可南子。そのときのことを思い出しながら、波留は、梅津に依頼された思い出の車を廃車ではなく、もう一度蘇らせようと心に決めたのだった。