インタビュー

インタビュートップへ

原田美枝子さん(第3夜:滝沢圭子役)

(写真)

Q. 台本を読まれた感想をお願いします。

井上由美子さんは好きな脚本家なので、今回出演させていただいて嬉しいです。オリジナルの素晴らしい作品で、やりがいがあります。
わたしにも子どもがいますので、学校の先生の大変さは想像できますし、親の側も、PTAに参加していたので、いろいろと大変なことが分かります。
中学生というのは、一番接し方が難しい時です。小学生の頃はまだ子どもですから、先生に対する尊敬の念や、大人に対して従順な部分がありますけれど、中学生になると自我も出てきて、生意気盛りです。高校生になると自覚も出てきて、単位を落とすと卒業できない、と勉強に対して前向きになってきますから接しやすくなります。ですから中学の先生は、本当に偉いと思いますね。

Q. PTAの活動もなさったんですか?

「みんな働いています、みんな大変です」と言われて、断れませんでした(笑)。そこでもいろいろなことがあって、みんな自分の子どもがかわいいですから、必死になるんでしょうね。先生は授業そのものより、そういうことの対応で疲れると思いますよ。

Q. 娘の桃子先生をどう見ているお母さんだと思われますか?

圭子はシングルマザーで、一人で子どもを育ててきましたから、職業を選ぶ余裕などなかったと思います。今はスーパーで働いていますけれど、とにかく生活のため、子どもをどこかに預けなければ働けませんし、いろんな仕事をしてきたんだと思います。だから娘には好きな仕事を持って欲しいし、その夢を叶えた娘を応援しているんだと思います。
神木くんは、「あいくるしい」という作品で親子を演じたことがあります。そのときはまだ小学生だったのですが、立派になりましたね。今回の松下さんも素直でとても演じやすいです。

Q. どういう先生がいい先生だと思いますか?

時代によって、学校もいろいろあると思います。このドラマは戦後から始まって、1980年、そして現在と続いていて、どの時代の先生も大変だと思いますけれど、最終的に子どもを信じる先生、子どもの力を信じている先生がいい先生だと思います。「この子たちは成長していくんだ」という力を信じてくれる先生のことは、子どもも信じるようになります。子どもはシビアですから、相手が何かを押し付けてきたり、迷っていたりすると目ざとく見つけて無視したり、からかってきたりします。だけど「この先生何かすごいぞ」と少しでも思うと、聞く耳を持つ気がしますね。
子どもの成長というのは、接する大人の問題です。生まれてきて一生懸命生きようとしていて、最初から悪い子どもなんていないんです。コミュニケーションが少しずれてしまっていくと、外れたほうへ行ってしまうのではないでしょうか。

(写真)

Q. 思い出の先生や学校の思い出などありましたら教えてください。

デビューした高校1年のときに、3部制の高校に転校しました。そこは働いている方、戦争で学校に行けなかった方など、いろんな人たちが来ていたんです。同級生に看護師の方が多くて、皆さん夜勤明けで授業に来ていたりして、シビアなお仕事をしていらしてるのに、弱音を吐くこともなくて、まわりがそういう人たちだったからこそわたしもいろんな刺激を受けて、今でも交流があります。
そこの先生がとても温かくて、大畑先生という担任の先生だったのですが、信頼して励ましてくれたりしました。本当に、その先生がいたからこそ、頑張って卒業できたんだと思います。

Q. ご覧になる皆さまにメッセージをお願いします。

親も子の生きようとする力を信じることが大事ですし、先生も生徒の「成長しようとする力」を信じてあげることが大事だと思います。先生も親も、最初は自分自身に自信はありません。子どもも親によって成長しますし、親も子どもによって助けられ、お互いに成長していくものです。先生だけで一方的に与えたり教えたりするというものではなく、いろんな葛藤の中で成長していくのだろうと思っています。「相手を信頼する」という気持ち、それが一番大事なことだと思いますね。

インタビュートップへ

ページトップへ