ドリマ署橋本班 “ハシ”チョウ日記 シリーズ5

vol.14

2012年5月25日(金)

橋本です。

第7話もご覧いただき、ありがとうございました。
8時台のドラマにしては、ちょっとハードな展開でしたが、
いろんな方から「面白かった!」という感想を頂きました。
ありがとうございます。

ほんと、平日の8時台のドラマって難しいんですよね。
遅めの晩ごはんを食べている方もいるでしょうし、
早く食べ終わった方も、後片付けやお風呂の支度などで、
ばたばたしてるでしょうし……。
落ち着いて、「さあじっくりドラマ見ようか!」
って感じには、なかなかならないですもんね。
ほとんどの方が、「何かをしながら」見られていると思います。

そんな環境で、きちんとストーリーを伝えようとすると、
どうしてもゆっくりとした展開になってしまうし、
あんまり複雑な物語にはできないし、
テンポをある程度犠牲にしなきゃいけなくなるし・・・。

でも、やっぱり、自分たちが「面白い!」と思うものを、
皆さんに見てもらいたいじゃないですか。
だから、「ハンチョウ」シリーズでは、
いつもそのあたりを冒険しています。

「わかりやすい」ドラマではないかも知れないけど、
「面白い」ドラマでありたい。
「何かをしながら」見られるドラマではないかも知れないけど、
「何かをしている手を止めてしまう」ドラマでありたい。
そして、ご飯を食べながら見ていたとしても、
「心を打つ」ドラマでありたい。

そんな欲張りなことを考えながら、「ハンチョウ」を作っています。

気が付けば、シリーズ5も折り返し点を過ぎて、
もう後半戦。
なんか、早いなあ。
もう、あと5本しかないのか。
そうだよね、もう最終回の脚本打ち合わせとかしてるんだもんなあ。
撮影的には、ラストスパートです。

1話からずっと引っ張ってきた「木曜日の子供」に関しても、
少しずつ輪郭が見えてきて、
いよいよ終盤にかけて「なぜ特捜一係が創設されたのか?」
という謎が明らかになっていきます。
そのあたりも、ぜひお楽しみにお待ちください。

その前に、来週は第8話。
紆余曲折を経て、なんとかチームとしてまとまりつつある
「警視庁安積班」の4人が難事件に立ち向かいます。
サブタイトルは、
「はだしの美女・・・記憶喪失の女」。
ご想像の通り、記憶をなくしてしまった哀しい女性の物語です。

この難しい役を演じていただくのは、前田愛さん。
言わずと知れた、六代目中村勘九郎さんの奥さまですね。
この女性、実は結構エキセントリックなキャラクターで、
記憶をなくした状態にいらついて、
看病をしている結城刑事に水をぶっかけたり、
顔を見つめて、「イヤな目・・・消えてよ!」
と叫んだりするんです。

ううん、こんな激しいキャラの役を、
梨園の妻である前田さんにお願いしていいものか・・・・・・。
悩んだ挙句、恐る恐るオファーしてみたら、
「あ、こういう悪いオンナの役、やってみたかったんです!」
と、あっさり快諾していただきました。

微妙な表情の変化、ちょっとした瞳の動きひとつで、
すべてを表現してしまう前田さんの演技は圧巻です。
前田さん演じる記憶喪失の女性と、結城刑事との、
「オンナの戦い」も見どころの一つです。

でも、やっぱり何と言っても、最大の見どころは、
久しぶりのハンチョウ節。
クライマックスのシーンで、
安積さんが魂を込めて語る言葉の一つ一つが、
まるで福音の鐘のように、聞く者の心に響きます。

どうか、お楽しみに。
第8話は、来週月曜日、夜8時からです。
よろしくお願いいたします。


追伸
ファンメッセージでいただいた質問にお答えするのを忘れました。
「高原のフーダニット」(有栖川有栖・徳間書店刊)という本です。