ドリマ署橋本班 “ハシ”チョウ日記 シリーズ5

vol.11

2012年5月2日(水)

橋本です。

ゴールデンウィーク真っ只中ですが、
第4話もご覧いただきありがとうございました。
小池刑事の変装ファッション、お楽しみいただけましたでしょうか。
私個人としては、尾崎を振り切って走り去るシーンの小池の全力疾走っぷりと、
振り切られた尾崎の本当に悔しそうな表情がツボでした。

オンエアーが終わったんで言えるんですが、
実は、第3話と第4話は「誰も死んでいない」回でした。
今回は警視庁捜査1課を舞台にしたシリーズなので、
どうしても毎回殺人事件を中心に扱うことになるんですが、
その中で、何とかして「実は誰も死んでいない」というお話を作りたい!
というのが、私の秘かな目標なのでした。

最初から「今回は誰も死にませんよ」と言ってしまうと、
ドラマを見る前にネタバレになってしまうので言えなかったのですが、
第3話と第4話は、ドラマの中で誰も死んでいないのです。

・・・ん?
「それがどうした?」
と、思いました?

いやいや、これが実は大変なことなんです。
このところ、1話完結方式の事件モノのドラマが増えてきていますが、
「事件が起きて、
犯人が誰か推理して、
最後まで真犯人がわからないように引っ張って、
ラストで見事に解決する」
という流れを、正味45分でキッチリやろうとしたら、
複雑な事件を設定するよりは、
「まず誰かが殺される」
というところから始める方が、ストーリーが作りやすいのです。

まあ、「ハンチョウ」の場合は、「謎解き」や「トリックの解明」よりも、
「事件に関わった人たちの人間ドラマ」を描くことに軸足を置いているので、
他の事件モノとは展開の仕方も違うと言えば違うんですが、
それでも、まったく「誰も死なない」という条件でストーリーを作るのは、
なかなか大変なことなんです。

今回もいろいろ苦労はありましたが、
脚本家さんにも無理を言って、
何とか2作連続で「誰も死なない」お話を作ることができました。
とりあえず、私の秘かな目標は達成できました。
ちょっと、自己満足です。
脚本を書いていただいた、岡さん、大川さん、
ありがとうございました。

来週の第5話は、結城刑事がメインで活躍するストーリーです。

「いたずら電話が多発していたある月曜日、
『女の人が襲われている』という110番通報があり、
警察官が現場のマンションに急行する。
しかし、その部屋にいたのは友人の赤ちゃんを見に来た結城だった。
警察官はいたずら電話と判断して帰る。
2日後、人気漫画の原作者が山梨県の渓谷で転落死しているのが発見される。
死亡推定時刻は2日前の月曜日。
原作者が住んでいたのは結城が訪ねていた部屋の2つ隣りの部屋だった・・・・・・」
というお話です。

サブタイトルは、「女子高生は見ていた!」。
来週月曜日、5月7日夜8時からです。
前回の予告でちらっと流れた、
安積・尾崎・小池がカメラに向かってウィンクするシーンは、
番組冒頭、時刻でいうと8時01分くらいに流れます。
ぜひ、お見逃しなきよう。

連休中も、撮影チームに休みはありません。
今日も雨の中、ロケ場所を探すロケハン隊が東京中を走り回っています。
私も、連日打ち合わせです。

そんな中、半日時間が空いたので、
今野先生の新刊「ペトロ」(中央公論新社)をやっと読むことができました。
「触発」「アキハバラ」「エチュード」などでお馴染みの、
碓氷弘一警部補シリーズの最新刊です。

都会的な装丁が目を惹くカバーの帯には、
「連続殺人事件の現場に残された古代文字ペトログリフ。
警部補と大学教授の異色コンビが真相に迫る!
刑事も教授も、真実を究める姿勢は同じ。
捜査のプロと学問のプロが、
強力タッグで犯人を追いつめる!」
と書かれています。

ゴールデン・ウィークに何か読みたい!
と思っている方には、おススメの一冊です。
もちろん、「陽炎」「最前線」「半夏生」「花水木」「夕暴雨」「烈日」
などの「東京湾臨海署安積班」シリーズも、
未読の方はぜひ!

インタビューで、今野先生は、
「作品を書く上で、いちばん大切にしていることはなんでしょうか?」
と聞かれて、次のように答えています。

「読後、元気になってもらいたい。
世の中、捨てたもんじゃない、
と思ってもらいたい。
そう思って作品を書いています」

「ハンチョウ」シリーズも、そうありたいと思います。
ゴールデン・ウィーク明けでお疲れ気味の時期かも知れませんが、
来週月曜日、ぜひ「ハンチョウ」を見て、元気になってもらいたい。
世の中、捨てたもんじゃない、と思ってもらいたい。
心から、そう思います。
よろしくお願いいたします。