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「世界一の2枚替えの選手になれ」
控えセッターの中道瞳は眞鍋監督にそう言われている。

最終予選開幕まであと1週間となったこの日も、
ゲーム練習中に中道は2枚替えでコートに入った。

眞鍋ジャパンにおける2枚替えとは、
セット終盤に正セッターの竹下佳江が前衛に回る際、
身長のあるスパイカーと竹下を交代し、
後衛に回るスパイカーに替え中道がコートに入るというもの。
より身長の高い選手で前衛を固め、勝負に出る大事な作戦である。

同じ身長159センチの竹下に憧れ、そして竹下の控えとしての誇りを持ち、
今日も自主練習では最後まで、若手スパイカーにトスをあげ続けていた。

「気持ちのこもった一本をあげたいと思います」
自身初めてとなるオリンピックへの挑戦。
短いながら必ず訪れる出場機会に、中道は全てをかけている。