[第5回] 1980年代一大ブームを巻き起こしたバンド、チェッカーズが3曲同時ランクインの「ザ・ベストテン」伝説回に注目!!
2021年5月12日
遂に、当時一大ブームを巻き起こしたチェッカーズが降臨する回である…。
5月23日(日)CS放送TBSチャンネル2で放送される「ザ・ベストテン」(1984年5月24日放送回)は、伝説のシーンが続々登場する目が離せない回である。
まずオープニングから面白い。「ザ・ベストテン」では、番組へリクエストを送った視聴者へ、エンディングで「はい!ポーズ!」と決めセリフで撮影する出演者全員が写る記念写真をプレゼントしていたのだが、その過程を追跡したVTRが紹介される。
撮影から現像(当時は紙へのプリント)、そしてTBSのメール室から郵送するまでの様子が映される。まずは、その部屋に置かれたハガキの束の多さに驚くので目に焼き付けていただきたい。実は、そのハガキの束が、のちにチェッカーズの3位「涙のリクエスト」の曲の演出につながり、見事な伏線になるという、巧みな演出にも注目していただきたい。
この回は、以前このコラムでインタビューに答えて下さった、石川眞実さん演出の回で、
9位の堀ちえみ「稲妻パラダイス」では、石川さん十八番の演出「人形劇」を堪能する事が出来る。曲の歌詞に添ったかわいらしい人形劇なのだが、なんと、当時の大人気ドラマ「スチュワーデス物語」もモチーフになっているのである。曲とは全く関係ないのに・・・。という、どこかズレているようなズレていないような、ベストテン特有の“ちゃんぽん的演出”を楽しめる。
そして、冒頭で述べたように、チェッカーズがランクインする。しかも、3曲同時ランクインという伝説回となる。7位、3位、2位で、演奏自体は「7位」と「3位・2位」と2つに分かれるのだが、これも見事な舞台装置により、別々の3曲が1つのメドレーのように、繋がって聴けるようになっている。
さらに、1位の中森明菜は、スタジオが鳥で埋め尽くされる。鳩やアヒルだけのレベルではない。動物園でしか見れないような孔雀やフラミンゴがいるのだ。オブジェかと思って凝視してみると、生きているのである。その運搬方法や、生放送でおとなしくしてもらう為のしつけなど考えると(今私が発案するなら)恐ろしくなる。
前回、紹介した、司会の久米宏さんの話芸も健在である。少し風邪をひかれたのか、放送を通して鼻声なのだが、ボキャブラリーは豊富で絶好調!
藤井フミヤ(当時・藤井郁弥)が仕出し屋でアルバイトしていたという事で、スタジオで特技である錦糸卵の千切りを披露するのだが、黒柳徹子さんが錦糸卵の薄焼きを1枚~2枚~…と数えた時、すかさず「番町じゃないんですからそんなに数えなくていいんですよ」とツッコむのである。(大正時代の新歌舞伎『番町皿屋敷』の一節より引用)そのほかにも随所に秀逸なやり取りが出てくるので乞うご期待!!
スポットライトのコーナーには、夏の名曲、石川優子とチャゲ「ふたりの愛ランド」が登場する。曲の制作エピソードと合わせて、ぜひチェックを。
まさに「これでもか」の連続。ぜひ注目を!