伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」制作秘話~作家・寺坂が聞いたミラーゲートの裏側~

TBSチャンネル2で再放送中「ザ・ベストテン」を100倍楽しむ為の連載がスタート!

寺坂直毅 写真

著者プロフィール

放送作家・寺坂直毅

1980年宮崎県宮崎市生まれ。
幼い頃「ザ・ベストテン」を観て音楽番組の魅力を知り、研究をスタート。NHK紅白歌合戦にも精通し、イントロナレーションの暗記、セットのミニチュアを作成するなど、歌番組への偏愛ぶりが数々の番組で取り上げられ、現在多くの音楽番組の構成を手掛ける。黒柳徹子ファンとしても知られ、黒柳徹子の発言や一挙手一投足を記録している。

[第12回] 時代を感じるMC!秀逸なセット!ユーモアあふれる企画!まさにザ・ベストテンの幅広さを堪能!

2022年11月15日

今回のザ・ベストテンは、1986年(昭和61年)11月20日の放送となる。まずは、いつも以上にネタが詰め込まれたオープニングに注目していただきたい。
日本パンダ保護協会名誉会長でもある黒柳徹子さんが、生まれたばかりの上野動物園のパンダのお話を披露する。名前をどうするか選定中とのことで、冒頭からかなりハイテンションの徹子さん。実際このパンダの名前は「トントン」になったそうだ。

黒柳徹子 松下賢次アナ 写真「年賀状」の撮影をする黒柳徹子さん(右)と松下賢次アナウンサー(左)

そのまま、400名の視聴者に送るという「年賀状」の撮影タイムに。毎年ホンモノの干支をスタジオに呼ぶという事で、前年(寅年)はなんと本物の虎が来たそうだ。翌1987年は兎年という事で、スタジオでかわいらしいうさぎと一緒に記念撮影をする。

杉山清貴 写真スタジオで「最後のHoly Night」を歌う杉山清貴さん

さて、第8位で登場するのは「最後のHoly Night」杉山清貴さん。オメガトライブを卒業してから2枚目のシングルでのランクインとなる。クリスマスソングなので、まさにこの季節にピッタリの名曲である。そして、写真を使ったストーリー性のあるセットが素晴らしい。まるでドラマのワンシーンのようである。

西村知美 写真スタジオで黒柳さん&松下さんとトークをする西村知美さん(中央)

第6位は西村知美さん「君は流れ星」。バラエティタレントの顔ではなく、アイドルとしての表情にも注目していただきたい。

玉置浩二 写真スタジオで「Friend」を歌う安全地帯のボーカル・玉置浩二さん

そして第5位「Fin」中森明菜さん、第4位「Friend」安全地帯が一緒に登場する。明菜さんと玉置さんの2ショットはかなり貴重!お2人とも、共通して「テレビ好き」「テレビが終わるまで観る」という事で、当時のキー局のテレビの終了時間が紹介される。今は24時間放送が当たり前だが、当時は午前2時には終了していたのだと、時代を感じるMCが非常に面白い。カラーバーがあった頃が懐かしくなる1シーン。2曲とも、映像を使ったセットを使用する。改めて、舞台装置の進化を感じる。

細川たかし 写真スタジオで黒柳さんとトークを繰り広げる細川たかしさん(左)

スポットライトは細川たかしさんが登場する。「ポップスだけではなく、演歌をよろしくお願いします!」と視聴者へのリクエストを行う姿に思わず爆笑させられる。アイドルソングあり、ポップスありのベストテンの幅広さをご堪能いただきたい。
第2位は荻野目洋子さん「六本木純情派」。スタジオが六本木のディスコかと思う程派手な照明で、思わず踊らずにはいられない。

藤井フミヤ 写真この回の第1位「NANA」を歌うチェッカーズのボーカル・藤井フミヤさん

この回の第1位は「NANA」チェッカーズ。なんと、ベストテンでは「NANA探し」と題して、歌のタイトルである「NANA」にピッタリの女性を探すという企画を敢行する。たくさんの応募の中から、番組が選んだ「NANA」さんが実際にスタジオに登場!歌の名前の女性を探すなんて、なんとベストテンらしい、ユーモアあふれる企画だろうか。スタジオに来たNANAさん、本当に美しい。いまはどうされているのだろうか…。

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