伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」制作秘話~作家・寺坂が聞いたミラーゲートの裏側~

TBSチャンネル2で再放送中「ザ・ベストテン」を100倍楽しむ為の連載がスタート!

寺坂直毅 写真

著者プロフィール

放送作家・寺坂直毅

1980年宮崎県宮崎市生まれ。
幼い頃「ザ・ベストテン」を観て音楽番組の魅力を知り、研究をスタート。NHK紅白歌合戦にも精通し、イントロナレーションの暗記、セットのミニチュアを作成するなど、歌番組への偏愛ぶりが数々の番組で取り上げられ、現在多くの音楽番組の構成を手掛ける。黒柳徹子ファンとしても知られ、黒柳徹子の発言や一挙手一投足を記録している。

[第13回] 中森明菜!中山美穂!南野陽子!菊池桃子!西村知美!出演歌手ほぼ全員が人気女性アイドルという貴重回!

2025年12月16日

久々のTBSチャンネル初放送回となる、伝説の番組「ザ・ベストテン」。今回は、人気女性アイドルが一堂に集結した、1986年(昭和61年)10月23日の放送である。
司会は黒柳徹子さんと松下賢次アナウンサー。2人の丁々発止のやりとりは爆笑必須である。スポーツ実況でもおなじみだった、松下アナの恒例のジョークも番組内で度々登場するので、そのネタにも是非注目していただきたい。

スタジオで黒柳さん&松下さんとトークをする中山美穂さん 写真スタジオで黒柳さん&松下さんとトークをする中山美穂さん

第9位は「ツイてるね ノッてるね」中山美穂さん。当時のスケジュール表をもとに、多忙な日々についてトークする。徹子さんのマシンガンのような質問に、健気に答えるミポリンがなんともいじらしい。
改めてこの番組を見ると、質問するクエスチョンの数が多いことに気づかされる。おそらく今の音楽番組の3倍はあるだろう。曲紹介のナレーションでもパーソナルな事を伝えるので、その時の歌手の情報が丸わかり。まさにベストテンは、音楽番組だけではなく、生の情報番組でもあったのだと感じるシーンでもある。
第8位と第7位は、どちらも欠席。松下アナが懸命に欠席理由の説明と謝罪をする流れが非常に面白い。合の手を入れる徹子さんと、まるで漫才をしているみたいである。

この回が2回目の登場、「接近(アプローチ)」を歌う南野陽子さん 写真 この回が2回目の登場、「接近(アプローチ)」を歌う南野陽子さん

第6位は「接近(アプローチ)」南野陽子さん。第5位は「わたし・ドリーミング」西村知美さん。そして第4位は「Say Yes!」菊池桃子さん。アイドル3人が続けざまに登場し、当時のヒット曲を歌う。トークでは、この当時ならではの“カメラ小僧撃退法”の話題になり、3人がそれぞれユニークな回答を披露する。

菊池桃子さん(左)と西村知美さん(右)、2曲間のセットチェンジにも注目! 写真 菊池桃子さん(左)と西村知美さん(右)、2曲間のセットチェンジにも注目!

第5位「わたし・ドリーミング」と第4位の「Say Yes!」は、ベストテン定番の“メドレー”を見ることができる。ただ歌う位置が変わるだけではなく、ステージショーのように、セットの転換を楽しく見せる試みだ。「わたし・ドリーミング」は花畑でとんぼやカマキリが飛ぶメルヘンチックなセットなのだが、「Say Yes!」への変わり方が実にユニーク。面白い仕掛けにも注目していただきたい。
スポットライトのコーナーに登場するのは、当時大学生だった「モノクローム・ヴィーナス」池田聡さん。

留守番電話のメッセージを聞く中森明菜さん 写真 留守番電話のメッセージを聞く中森明菜さん

この回の第1位は「Fin」中森明菜さん。トークでは、松下アナの留守番電話の話題に。明菜さんのファンである松下アナが、1つ前の回の企画で明菜さんに声を吹き込んでもらい、自宅の留守番電話のメッセージにしているという内容だった。なんて贅沢な留守番電話なのだろう。今も音声データが保管されているのか気になるところである。
そしてエンディングへ。この回出演した歌手はほとんどが女性。こういう回は貴重ではないだろうか。女性アイドルの名曲がたっぷりの回を、ぜひお楽しみいただきたい。

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