戦評:2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選

《男子戦評》

男子MAN
【戦評】

6月4日(土):カナダ戦

JPN
1 { 
25-23
19-25
21-25
19-25
 } 3
CAN
残り2戦を残し、すでにリオへの道は閉ざされてしまった全日本。しかし最後までチャレンジを続けるその戦いを少しでも後押ししようと、会場には満員観客が詰めかけた。

この日、スタートはこれまでとガラッと代わったメンバーでゲームに臨んだ日本は、サイドに福澤、米山、ミドルブロッカーに山内、セッター関田、リベロ酒井を投入。最終予選で負傷した柳田、石川を外す布陣でカナダに挑んだ。

第1セット序盤、オリンピック出場権獲得のためには負けられない戦いとなるカナダ。「日本のホームゲーム、大観衆の声援で精神的に難しかった」と、試合後、ルディ・バーヘフキャプテンが勝ったように、硬さからミスが出てリズムに乗れないカナダ。一方の日本は清水のサービスエース、米山のライトからの切れ味鋭いスパイクで得点し、常にリードする展開。しかし、カナダもポイントゲッター#12ギャビン・シュミットの強烈なスパイクで得点し、追い上げる。日本は出耒田のサービスエース、清水のスパイク、山内のダイレクトスパイクと畳みかけ、20-15と5点リードし終盤へ。しかしそこから、カナダも追い上げ23-24と1点差まで詰め寄るが、日本が逃げ切りセットを先取。

第2セットは中盤まで競り合う展開となるが、終盤でカナダのエース#12シュミットの迫力満点のスパイクが炸裂、3連続得点で日本を突き放す。セットポイントを握られた場面で、リリーフサーバーで柳田が登場、ジャンプサーブでカナダ陣営を崩し、山内の速攻で得点するが、カナダが押し切りセットカウントは1-1のタイに。

第3セット、序盤からサイドアウトの応酬となる日本は、福澤がカナダの3枚ブロックを利用したスパイクで得点、出耒田のBクイックなどでポイントを奪う。ブロックでワンタッチを奪うと、積極的にミドルブロッカーを生かす関田のトス回しで、カナダを翻弄し、8-7と1ポイントリードでファーストテクニカルタイムアウトを迎える。しかし、なんとしても勝ち点3を奪いたいカナダは#2ジョン・ペリンのスパイクなどで得点、米山の攻撃をブロックでシャットアウトするなどブレイクに成功し波に乗ったカナダがセットを連取する。

巻き返しを図りたい日本、レシーブで粘りを見せ、福澤が得点し連続得点を奪うが、カナダの攻撃に対するブロックが徹底できずに、チャンスを生み出すことができない。反対にカナダはつなぎでもファインプレーが目立ちリードする展開。日本は、関田がパイプ攻撃やクイックなどアタッカー陣にトスを散らし攻める積極的なトス回しで攻撃を仕掛け、カナダのミスを誘い追い上げたが、しかし中盤以降はカナダの攻撃を食い止められず敗戦を喫した。日本は明日、最終戦でフランスと対戦する。

南部正司監督
「第1セットはこちらのサーブがある程度効果的に機能し、レセプションも安定したので取ることができましたが、第2セットからは逆にこちらのレセプションが崩れ、カナダのクイック、パイプ攻撃を決められたセットを取れなかった大きな要因となってしまいました。残り1試合、柳田が使えれば起用しますが、厳しければ今日の出場できるメンバーの中でくふうしながら臨みたいと思います」

清水邦広選手
「夢は途絶えましたが、一生懸命、一戦一戦やっていくしかないと、ミーティングで出た課題をコートの中で出していくことを考えて臨みました。明日もファンの方に何か伝わるようなゲーム展開をしていきたいと思います」

酒井大輔選手
「今までの雰囲気を変えようと、できる自分の仕事を探しながらやりました。1-3という結果でしたが、1セット目のスタートは意識していたので、取れたことはすごくよかったと思います。その後は集中力が切れて勝てなかったという印象です」

福澤達哉選手
「前日に選手たちで話し『リオは行けなかったけれど、今日もたくさんの方が応援に来てくださって、テレビでも応援して、後押ししてくださっている皆さんのために最後まで自分たちらしい試合をしよう』という意味で今日の試合に臨みました。明日も何かを伝えられるような試合をしたいと思います」

山内晶大選手
「まだOQTは終わっていないですし、まだ残りは2戦ある、と思ってコートに立たせてもらいました。ただ思い切りやっていこう、と臨みましたが、思い切りできたかというと、全部まだまだです。もっとブロックはタッチを取って、仕留めていけたらと思います」
TBSバレブー
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