戦評:2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選

《女子戦評》

女子WOMAN
【戦評】

5月22日(日):オランダ戦

JPN
3 { 
20-25
25-13
21-25
32-30
15-11
 } 2
NED
前日のイタリア戦で4大会連続のオリンピック出場を決めた日本。
最終戦の相手は、1996年のアトランタ五輪以来、3度目のオリンピック出場を決めたオランダ。
6戦を終えた時点でベストスコアラーランキング1位につけている#10ロンネケ・スローティエスを軸に、高いブロックと攻撃力で攻めるチームだ。

イタリア戦で出場権を決めたもののフルセットの末敗れた日本は「なんとしても最後一つ、勝ってリオ五輪につなげたい」と、
強い決意を持って最終戦に挑んだ。

日本はセッターに田代、イタリア戦で活躍した鍋谷をスタートから起用。
フレッシュなメンバーで臨んだが、序盤からミスの目立つ日本に対し、オランダは両サイドから高さとパワーのあるスパイクで攻め得点を重ねる。
木村がオランダのブロード攻撃を1枚で仕留めるなど、ブロックなど単発での得点はあるものの、
なかなか連続得点に結びつけることができず点差をつめることができない。
途中出場の長岡のスパイクで追い上げるが届かずセットを落とす。

2セット目、スタートから長岡、リベロに丸山を起用した日本。
木村のスパイク、荒木のサーブで連続得点を奪い波に乗ると、8-5と3点リードでファーストテクニカルタイムアウトを迎える。
さらに木村がサービスエースで得点すると鍋谷のブロックで得点、さらに鍋谷のスパイク、島村のサーブ、荒木のブロックで16-8と大量リード。
このセットはそのままのペースで試合を運んだ日本が奪い返す。

続く第3セット、互いに譲らぬ展開から鍋谷がライン際に巧打で得点するとリズムに乗り8-6でファーストテクニカルタイムアウトを迎える。
田代が「最初から考えていた」という作戦通り、ミドルブロッカーに積極的に起用。得意のブロード攻撃のトスでリズムを作り出し山口が得点。
田代も自らサービスエースでポイントを奪うと、鍋谷のスパイクも効果的に決まり得点するが、オランダも粘り、#4セレステ・プラク、#10スローティエスのスパイクで得点し同点に。日本は終盤でミスを連発し、オランダに得点を許すと、そのまま押し切りセットを奪取。

4セット序盤、日本はミスが出てなかなかリズムをつかむことができずオランダに先手を許す。
レシーブでリズムを作り盛り上げ、長岡のスパイクで得点するが、点差を詰めきれずにオランダリードでセカンドテクニカルタイムアウトを迎える。
そこから粘りを見せた日本は、木村のサーブでオランダを崩しブレイク、1点差まで追い上げると、田代のツーアタックで同点に。
そこから続いた均衡を破ったのは日本だった。ブロックで丁寧にワンタッチを奪い、長岡のスパイクで得点すると21-20と逆転に成功。
山口のブロード攻撃で日本が24-23でセットポイントを握る。
しかし、オランダがサービスエースで得点すると24-25とマッチポイントを握られてしまう。
緊迫した展開から、木村がブロックで得点。
長岡のスパイクとサーブポイントでセットを奪い返し、勝負はフルセットへ。

第5セット、サイドアウトの応酬から互いにブレイクチャンスをうかがう展開。日本はリリーフサーバー宮下のサーブで崩し島村がスパイクで得点、一歩リードするが、オランダもすかさず追い上げ、7-7の同点に。
そのままサイドアウトの応酬が続いたが、終盤の勝負所で木村が#4プラクをブロックし、11-9と2点リードを奪う。
さらに島村のブロックも出て、12-9とすると一気に波に乗った日本。
長岡のスパイクでマッチポイントを握ると最後はオランダがミスでフルセットの末、勝利を手にした。

この結果、日本は5勝2敗(ポイント14)で、イタリア(6勝1敗ポイント17)、オランダ(5勝2敗ポイント16)に続く3位となり、アジア最上位でオリンピック本戦へ進む。
目標に掲げた金メダルを目指し、ここからまた新たなスタートが始まった。

眞鍋政義監督
「まず初スタメンのセッターの田代、鍋谷、途中から丸山という、この大会でなかなか出場機会のなかった選手が活躍してくれて、最後に勝てたということが非常に満足しております。
リオデジャネイロオリンピックでは、ロンドン以上の成績を残せるようにベストを尽くします」

木村沙織選手
「今日の試合はすごく難しい試合でした。
この大会を通して1点を取る難しさを改めて感じました。
今日はオリンピックの試合だと思って臨み、内容はまだまだ反省点はありますけど、勝つことができてよかったと思います。
大会を通じて、リオの切符をしっかりとれたことと、アジア同士の韓国とタイ戦がすごく難しい部分があったので、そこの反省点が一番印象に残っています」

鍋谷友理枝選手
「今日の試合では初めてのスタメンで、自分自身にとっては課題の残る試合となりましたが、全員で力をひとつに勝ち切れたので、そこはすごくよかったなって思います。
大会を通して、どの試合も負けられない試合の中で、チーム一丸となって戦えたと思うので、そういう意味ではどの試合も印象的でした」
TBSバレブー
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