戦評:2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選

《女子戦評》

女子WOMAN
【戦評】

5月18日(水):タイ戦

JPN
3 { 
20-25
25-23
23-25
25-23
15-13
 } 2
THA
前日の韓国戦の激闘に敗れ、迎えた4戦目の相手はタイ。
近年、着実にレベルアップを図り前回のロンドンオリンピック世界最終予選ではあと一歩でオリンピック出場を逃している。好セッター#13ヌットサラ・トムコム、キャプテンの#5プルームジット・ティンカオのベテラン勢に加えて、20歳のエース#18アチャラポーン・コンヨットの活躍も光るアジアのライバルだ。

韓国戦で右手指を脱臼した木村がスタメンから外れ、石井を起用した日本。序盤から硬さがみられる日本に対し、タイはセッターを軸としたスピーディーで多彩なバレーを展開し、優位に試合を進め第1セットをタイが先取する。

第2セット、日本は木村、山口、迫田を投入。序盤から激しい競り合いとなる。木村がケガの影響をまったく見せないプレーでブロックにスパイクに活躍を見せると、山口もブロード攻撃でタイをかき乱す。迫田もダイナミックなフォームから繰り出すスパイクで得点しムードは上昇。
しかし、タイも変化の激しいサーブで的確に攻めエースを奪うなど1点を巡る激しい攻防となる。日本はレシーブで粘りボールをコートに落とさない。必死のプレーで食い下がり16-15と1点リードでセカンドテクニカルタイムアウトを迎える。直後、荒木が#18アチャラポーンをブロックで仕留めると、たまらずタイは選手交代。
さらにチャレンジシステムを効果的に利用し、日本を揺さぶる。終盤まで競り合う展開から迫田が得意のバックアタックで得点を奪うと、タイも#4タットダオ・ヌクジャンの強烈なスパイクで得点、白熱したバレーを展開。目まぐるしい展開の中で一歩抜け出したのは、日本だった。迫田、石井のスパイクで得点を奪うとタイのミスを誘い、セットを奪い返す。

勝負の第3セット、序盤からミスの続く日本。攻撃の手を緩めないタイに0-4とリードを許す。
追い上げる日本は、荒木のブロック、迫田のフェイントで加点。しかしタイも譲らず、途中出場の#6オヌマ—・シッティラック、16歳の#19チャッチュオン・モクシ—が思い切りよく攻める。日本は石井が硬軟織り交ぜた攻撃で得点、荒木のブロックも出て競り合うが、守備が乱れ追いつくことができない。終盤で木村が意地を見せ、オヌマーの強烈なスパイクをレシーブし、技ありのスパイクで得点23-24と1点差まで詰め寄るが、直後に速攻を決められセットを落とす。

あとがなくなった日本。
第4セット、日本は迫田がブロックにスパイクに活躍し、木村のサーブから連続得点を奪い、8-4とファーストテクニカルタイムアウトを日本リードで迎える。息を吞む展開に流れを引き寄せたのは木村の一撃だった。タイのコートに突き刺さる強烈なスパイクで13-10とすると、座安が懸命に上げたボールをつなぎ得点。14-10とリードを広げる。
しかし、粘るタイが終盤で逆転に成功。21-19とする。ここで気を吐いたのはキャプテン木村。21点から3連続ポイントで流れを手繰り寄せると迫田のブロックでセットポイント、マッチポイントも迫田がライトからスパイクを決め、勝負は第5セットへ。

日本は荒木がクイックで得点し先手をつかむが、タイはサーブで攻めて得点。
互いに粘り手に汗握る展開となる。木村のスパイクをブロックされるなど2-5と3点リードを許す苦しい展開に。タイはレシーブでも粘りを見せて3-9と大量リードを奪う。
絶対絶命の日本は、宮下がサーブで攻め、連続得点を奪うと、石井のブロックなど焦りの見られるタイのレッドカードでついに日本がマッチポイントを握る。最後は迫田のスパイクが決まり逆転で貴重な勝利を得た。

日本は3勝1敗。
19日の休息日を挟んで、リオデジャネイロへの扉を開ける3連戦に挑む。

眞鍋政義監督
「今日は非常に厳しい試合でしたが、勝って首の皮一枚つながったように思います。タイもこの一戦は大一番ですから、非常に苦戦するだろうなとは思っていましたけど、いつもデータ、数字を見ているのですが、始めから苦戦した場合は、最後は3セット目からメダリストを使おうとそう思っていまして4人投入したことが勝因かなと思います」

木村沙織選手
「今日は自分のプレーがあんまりよくなくて、チームとしても負けパターンのようでした。タイの方が有利に動いていたゲームの中、こういう展開になってしまいました。最後までみんなで勝利を信じて勝つことができてよかったです

迫田さおり選手
「今日は絶対に落とせない一戦だったので、チームが一致団結した試合でした。あと3戦あるので、満足せずにもっともっとチーム力を高めて、チーム全員でオリンピックの切符を取りにいきたいと思います」
TBSバレブー
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