戦評:2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選

《男子戦評》

男子MAN
【戦評】

6月2日(木):オーストラリア戦

JPN
0 { 
23-25
19-25
27-29
 } 3
AUS
 残された道は、ただ一つ。リオへの扉を開くためには、勝つしかない。第5戦、日本が挑む相手は参加チーム中一番の長身、オーストラリアだ。

 スタメンは前日のゲームでヒザを痛め万全ではない柳田に代わって、米山が入った日本。
序盤、日本の石川、オーストラリアの#6トーマス・エドガーが強打、フェイントで日本に揺さぶりをかけ、リードを許す展開。
日本も清水のバックアタックや石川のスパイクで応戦し、一進一退の攻防となる。そこから抜け出したのは、日本だった。
深津のサービスエースでブレイクに成功すると、オーストラリアのタッチネットで16-14と2点リードでセカンドテクニカルタイムアウトを迎える。
その後も石川が一度で決められないと見るや、相手ブロックを利用してリバウンドを取り、チャンスをうかがう丁寧な攻めでリードを広げた日本。
しかし、オーストラリアも意地を見せ、#6エドガーがブロックで石川の攻撃を仕留めると、強烈なスパイクで得点、終盤で19-21と逆転に成功する。
何とか巻き返しを図りたい日本は、セットポイントを握られた場面でリリーフサーバーに柳田を起用、その期待に応え、思い切ったジャンプサーブでエースを奪うと、米山の強打で23-24と1点差まで詰め寄る。
しかし、あと一歩届かず、オーストラリアにセットを先取されてしまう。

 第2セット、日本はセッターを関田にスイッチ。
ミドルブロッカーを効果的に使うトス回しでリズムを作り得点。しかし、#6エドガーの強烈なジャンプサーブでポイントを奪われると、緩急をつけたサーブにレシーブを乱され、6−8と2点リードを許す。
しかし日本もあきらめず、必死につないだボールから出耒田のクイックを使うなど多彩なトスでオーストラリアを翻弄するが、サイドアウトを奪えず4連続失点を喫すると、その後も#6エドガーの強烈なサーブでエースを奪われるなど、ペースをつかむことができない日本。セットを連続して落としてしまう。

 第3セット、セッターを深津に戻し、2セット目途中で右脚を負傷した石川に代えて柳田を投入した日本。
ジャンプサーブでエースを奪うと、鮮やかなパイプ攻撃も決めて日本に勢いをもたらす。
清水、米山も得点し、中盤まで競り合う展開となり、そこで米山がサービスエースで得点、16-15と1点リードでセカンドテクニカルタイムアウトを迎える。
終盤の競り合いから、柳田が絶妙のフェイントやスパイクで得点、清水のバックアタックが炸裂すると21-18と3点リード。
しかしオーストラリアは、#4ポール・サンダーソンのネットインサーブを深津が処理し、攻撃が単調になったスキを突かれて、途中出場の#17ポール・キャロルの強烈なスパイクなどを含む5連続得点で逆転し一気にマッチポイントを奪う。
あとがなくなった日本は深津に代わってワンポイントで起用された栗山が#3ネイサン・ロバーツの攻撃を1枚でシャットアウトし、ジュースに持ち込むが、最後はサーブレシーブが乱れ、ダイレクトスパイクを叩き込まれ粘り及ばず、ストレートで敗戦。

結果、リオデジャネイロオリンピック出場の夢はついえた。



南部正司監督
負けられない一戦ということで挑んだが、少しリードしている状況でも逆転され、悔しい一戦になった。振り返ると、独特の緊張の中でやっているので、本来の力が出なかったと思っている。本来であれば、順調にサイドアウトが取れるローテであってもなかなか回らないということがありましたし、悔しい思いでいっぱい。しかし、選手たちはそういった状況のなかでもベストを尽くしてくれた。特に、連日超満員になるような観衆、テレビの前のファンの方に対しても、オリンピック出場という報告ができなくて申し訳ない気持でいっぱいです。まだ残り2戦ありますし、この2試合はこれからの全日本男子に期待を持っていただけるようなそんな2試合にしたいと思っています。


清水邦広選手
自分自身の力不足でもあるし、チームとしての課題が出た試合になったと思います。でも、要所で石川、柳田がサーブで攻めてそこからのブレイクといういい展開もできた。オーストラリアの方が、特にエドガー選手、途中で出たポール・キャロルに気持よく決められてしまった結果、ディフェンスが機能していませんでした。オリンピックを逃し悔やんでも悔やみきれないくらい、悔しい思いです。でも、残りの試合もある。数多くの方々に応援していただいている中で、自分たちが恩返しできるようにしたい。残り2戦は日本らしいバレーをして、見ていただいている方々を少しでも勇気づけられたら。1セットごと、1点を必死にとれにいく姿を見せたいです。


石川祐希選手
流れを作る場面はたくさんあったが、最終的に逆転負けした。勝負所で自分が決めきらないといけないところで決められなかったことが敗因だと思っています。オリンピックにいけないという結果は残念、非常に悔しい。勝負どころの1点が取り切れなかったことでこういう結果になったと思うので、すごく悔しいです。まだ2戦あるので、必死な姿を見てもらえるように1点、1セット、1試合を勝ちにつなげていきたいと思っています。


米山裕太選手
入りは悪くなかったのですが終盤で、連続失点する場面、リードしている場面でも最後は自分たちから点が取りにいけなかった。大会通して同様の展開が続いたように思います。サーブに関しては、今日は比較的にミスも少ないと思うし、途中から入ってきた柳田も相手を崩すいいサーブを打っていたが、崩した後が、ブロックとレシーブでエドガー選手やアウトサイドの選手に決められた。そこの対策がしきれなかったのが敗因です。結果は非常に残念。自分たちの力不足だと思う。結果が出なかった自分自身にも、腹が立つと言いますか…。この4年間何をやってきたんだと思う。結果は自分自身が招いたことで、変えられない。まだ2戦、応援してくれるたくさんの方に伝えられるようなバレーをすることしか、僕たちにはもうできない。思い切って、残りの試合をプレーしていきたいと思います。
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