原作/オリジナル

「あぽやん」「恋する空港 あぽやん2」 新野 剛志・著(文春文庫)

原作/オリジナル
  • あぽやん――それは空港で旅客を送りだすプロ中のプロ。発券ミス、予約重複……空港カウンターの裏で起こる様々なトラブルを解決するのが「あぽやん」!
  • 空港で働く男“あぽやん”の活躍を描く第2弾。後輩教育を任された遠藤だが気儘な旅客やトラブルに右往左往。しかも恋の波乱まで!?
  • 遠藤慶太は大航ツーリスト本社から成田空港所に「飛ばされて」きた。返り咲きを誓う遠藤だったが――パスポートの不所持、予約消滅といった旅客のトラブル解決に奮闘するうちに空港勤務のエキスパート「あぽやん」へと成長してゆく。個性豊かな同僚たちと仕事への情熱を爽やかに描いた空港物語。
  • 大航ツーリスト成田空港所に赴任して2年目を迎えた遠藤慶太。今や空港勤務のプロ「あぽやん」として大活躍――のはずが、能天気な新人の教育、テロリストの出没騒動に今日も悪戦苦闘。さらに空港所閉鎖の話が浮上する中、恋のライバル登場で、まさに大ピンチ!?遠藤の活躍を描く、大人気シリーズ第2弾!
原作者、新野剛志先生に「あぽやん」のこと、そしてドラマ化されることについてお話を伺いました!

成田空港を舞台にした「あぽやん」というお話を書こうと思ったきっかけは何だったんですか?

元々、ぼく自身が成田空港で働いていたので、編集者から勧められたんです。旅行会社の「センディング」という、おそらく一般の方にはまったく馴染みがない仕事を書いても読んでもらえるのかな?と思っていたのですが、これまであった出来事などを話してみると「面白いね」と言ってもらえたので、ぼくたちには当たり前のことが面白いのか、じゃあ書いてみようかな、と書き始めたんです。

書かれるときはどのようなことを意識したんですか?

空港というと、パイロットやCAなど、なんとなく華やかなイメージで描かれることが多いんですけれど、実際に働いていたぼくが見た空港の現場というのはエリートばかりでもないし、地道な作業もあるし、実はそんな華やかなものではないんだよ、という現実を知って欲しかったんです。それを踏まえた上で、現場で働く人々の悲哀のようなもの、働くことの素晴らしさとか、サービスのこととか描けたらいいな、と思っていました。

実際にスーパーバイザーとして働いていて、印象深かったことはどんなことでしたか?

日々のクレームや、細かいトラブルなどは通常のことでしたけれど、台風や雪でシフトがぐちゃぐちゃになってしまったときは、来られない人の変わりに連続で勤務したり、長丁場になってしまいますから大変でした。
いいところは、切り替えがつくところですね。基本的にシフト制ですので、残業がないんです。一日でその仕事が終わってしまうという簡潔さが良かったです。

「遠藤慶太」という人は、新野先生ご自身がモデルなんですか?

特にぼく自身というわけではありません。遠藤にしても今泉にしても、ぼく自身のサービスの捕らえ方を描いていて、現役のときに自分に出来なかったことを書いています。
センダーは、お客さまと密接に付き合うことはしない職種です。トラブルさえ起こらなければ、本当に一瞬ですし、トラブルが起こってもせいぜい1時間程度のやりとりで終わります。その一瞬の中でのサービスを大切に、というのが自分自身の根底にありました。勤めていた頃はそんなに立派なスーパーバイザーではありませんでしたし、後から「こうすれば良かった」と思うことは多いです。今、もう一度やれば、絶対にいいスーパーバイザーになると思いますよ(笑)。

主人公の遠藤慶太を伊藤淳史さんが演じられると聞いたときはどう思われましたか?

ぼくは小説を書くときに、必ずしも誰かを当てはめて書くわけではないのですが今回、伊藤さんに演じていただくと聞いたとき「ああ、なるほど!」と聞いた瞬間に思ったので、ぼく自身楽しみにしています。

ドラマ化されることについて、読者の方、ご覧になる方にメッセージをお願いします。

ドラマというのは、もちろん原作を踏まえているんですけれど、別の作品だと思っているので、どんどん変わっていって、なおかつ原作者であるぼく自身が一視聴者としてドラマを見て楽しむことが出来ればいいな、と思っています。
仕事の流れていく現場、日々悩みながら進んでいく姿というのは小説でもドラマでも通じるものがあるので、楽しんでいただけると思います。原作者としては、これだけ成田空港という実際の現場、実際のカウンターを使って撮影しているドラマはありませんので、とても嬉しいです。物語というのは、よく「細部に神が宿る」と言って、小説であれば細部を取材していると、文章以上の何かが宿って読者の心に入っていくんです。これだけのキャストの方々が、現実の現場で実際に作っている、きっと神が宿ってすごいドラマになると思います。