第九話 平愛梨さん ― 前編
―台本を読んだ感想は?
まさかまさかの展開でした。私が演じる香織が桜井さんと出会って、徐々に距離が近くなっていくというところで、実は桜井さんが刑事だったと知るんですけど、読み進めていって「えっ、こんな感じで終わっちゃうの!?」と、すごくショックでした(笑)。
―今回演じられた矢吹香織という女性はどんな人物でしょうか?
高校生のときに両親をなくして唯一の家族がお兄ちゃんなんですけど、そのお兄ちゃんと東京へ出てきて生活している中で、お兄ちゃんがある事件を起こしてしまうんです。それがきっかけで頼れる人もなくしてしまって、すごく孤独を感じていたところで、そうじゃいけない!と劇団に入って頑張っている女性です。なにか没頭することを見つけて頑張っているんですけど、それでもやっぱり孤独でかわいそうな女の子だと思います。そんなときに桜井さんと出会ったんですけど、ある事件に巻き込まれてしまう中で桜井さんが刑事だと知って、そこで受けたショックは大きいと思いますね。
―香織という女性を演じる上で気をつけたポイントというと?
香織の孤独感や寂しさですね。香織が抱えている孤独さ寂しさを意識して香織の心情を表すよう、表情には気をつけていました。でも撮影現場がものすごく楽しくて、笑いが絶えない感じだったので、気持ちの切り替えが大変で、常に「私は悲劇のヒロインなんだ!」と、自分に言い聞かせていました(笑)。私自身、根っからの笑い上戸なので、香織の性格とはまったく逆かもしれませんね。
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