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〜10人の脚本家と10組の名優が贈る、10の物語〜

2014年7月13日スタート日曜よる9時

インタビュー

山田太一さん(第七話「よろしくな。息子」脚本)

約20年前、日曜劇場が連続ドラマになった1作目の脚本を担当しました。かつて日曜劇場が育て上げてきた世界はなくなってきた感はありますが、家族がなくなったわけではないですし、そして仕事のドラマよりももしかすると深いかもしれない家族の話は、今でもテレビで非常に書き進める価値のあるジャンルだと思っています。

今回、家族を、それも父親をテーマに書いてほしいという話をいただいて、とてもおもしろいなと思いました。父親というのは20年前に比べて、どんどん影が薄くなってきました。昔は父親という型があり、それこそ背中を見せて 「わかれよ」 っていうような、思いがけないときに父親の葛藤を感じる… なんて感じでしたが、今はペラペラおしゃべりだったり、「おまえが一番だ」 なんて言う人もいる。父親像は随分変わってきていると思いますね。

父親のいない家族が増えている気がするんですね。今回はそういう母子家庭の息子と、これから父親と呼ばなければならなくなる男との関係を書いてみたかったんです。男は1人でずっと生きていける、仕事さえあれば何もいらないと思っていたけど、50半ば過ぎて 「あれ?自分には何もないぞ」、そういう寂しさを感じだした。一方母親は、仕事をしながら子どもを必死で育ててきたけれど、その仕事が急に順調に行きだす。「今までずっと苦労して忙しくしてきたけれど、このままいくと自分は再婚しないままいってしまうのかな、ここらへんで結婚しとかないとギリじゃないかな」 という年齢になっていた。そして息子といえば 「今はいいけれど、このままだとそのうち母親が負担になってくるんじゃないか」 っていう、変にタフな姑になられないよう、今チャンスがあるなら結婚してほしいと (笑)。それぞれの思惑というほどではないですが、そういう3人の関係を45分の短編で、そして日曜の夜にふさわしい、いい気持ちで見ていただけるような作品を書いたつもりです。


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