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〜10人の脚本家と10組の名優が贈る、10の物語〜

2014年7月13日スタート日曜よる9時

インタビュー

渡辺謙さん&東出昌大さん(第七話「よろしくな。息子」出演)

台本を読んだ感想を教えてください。

東出昌大さん (以下、東出) 山田太一先生の本ということで、台本を受け取る前から楽しみでした。読んで最初の印象は説明台詞があまりなくて日常会話のように読めたので、会話劇になりそうだなって。こんなに1つのシーンが長いのは今まで経験したことがありませんが、やってみて面白いですし達成感もあります。また言葉の裏や行間にメッセージがあるので、やっていて難しい一方楽しいし、そこがこのドラマの魅力でもあると思います。

渡辺謙さん (以下、渡辺) 山田先生の本は何本かやらせていただいてますが、東芝日曜劇場の原点みたいな、一時間の単発ものを山田先生が書くということで本当に楽しみにしていました。山田先生の作品は割りと社会派なものが続いて、スパイスの効いたドラマが多かったんですが、今回はすごく角が取れていて、だけどそれが最後パカっと割れて面白いものが出てくる玉手箱のようなすごくキュートな本だったので、最初僕は笑ってしまいましたね。本当に良質な短編集のようでした。
一方であまりのシーン数の少なさに驚きました。シリーズ10作品の中で一番シーン数が少ないそうで、ま、何でも一番はいいなと。ただ、その分負担は全部僕ら役者にかかってくるわけですけれど (笑)
全部の本を読んだわけではありませんが、多分一番ホンワカと、そしてニヤッとできる話になるんじゃないかなと思いますし、素晴らしいお話を頂いたので、泣きながら頑張っているところです (笑)

共演してみてお互いの印象は…?

渡辺
剣道をやっていたそうで、そういうのもあるのかな、多分先輩には可愛がられるタイプだと思います。だからこれからもたくさん先輩方に可愛がられて、いろんな叱咤激励を受けながら成長していってほしいですね。
東出
ありがとうございます!(謙さんは) 熱い方。いくらでも提案してくださいますし、よくしよう、よくしようという向上心を持ち続けている尊敬できる、素晴らしい先輩です。

現場の雰囲気はいかがですか?

渡辺
毎回そうなんですが言葉と格闘するみたいなところがあるので、ほぐれるまでちょっと時間がかかるんですよ。だから初日のコンビニのシーン、あそこは割りとセリフは少なかったんですが、最初の二時間くらいは自分が作品と探り合っていて、自分の中で歯車がかみ合ってくるまではなかなかほぐれない。だからこんなにホンワカした話なんですけど、なかなか緊張感はありました。
東出
昨日初めて二人で会話するシーンを撮影したんですが、何回もお芝居にお付き合いしてくださるし、カメラが回ってないところでもお芝居を返してくださったり。そういう意味でも濃い半日でしたね。

実際演じてみて手ごたえは?また心がけていることは何かありますか?

東出
(山田先生の) 普段からの書き方なのかも知れませんが、祐介のセリフの中に漢字があまりないんです。例えば 「〜をいう」 も 「言う」 ではなく 「いう」 で書いてあるし、全体的に柔らかい印象を受けたので、柔らかく。また25歳で 「ママ」 と呼ぶところとか、優しいところから外さないようにしています。
謙さんを始め、余さん、柴田さんと大先輩方に胸を借りるつもりで、また監督の清弘監督も丁寧に演出してくださるので、その中でこんな現場あっていいのかなっていうくらいのびのびとやらせていただいています。
渡辺
山田先生の本って何度やってもそう思うんですけど、基本 “てにをは” から一言一句丁寧にやろうというのが暗黙の了解としてあります。例えば、「会えた」 というのを 「会った」 と違えて言ってしまったりするじゃないですか。そうするとニュアンスが全然変わってしまうんですよ。だから手を抜いているわけではないんですが、あまり役作りをするよりも、そのことを丁寧にやると勝手に役が浮き上がってくるんですよね。変にこっちがこねくり回すよりも、それを本当に丁寧に、写経のように僕らが体を使ってなぞると、そこに勝手に自分の役が浮き出てくる。それはやっぱり山田先生の特色のような気がします。楽にやっているわけではなく、そういう入り方で台詞と向き合っていると、モニターの中に自分じゃない人がいるのに毎回驚かされます。

「おやじの背中」 というタイトルから抱くイメージ

東出
すごい簡単な言い方なんですが 「憧れ」 で、そう感じるのは幸せなことなんだと思いますが超えられないものなんだろうなと思いますね。
渡辺
僕は中一のときにおやじが倒れたんですよね。そこからはずっと療養生活で、療養生活の方が長くなっちゃったんですけど、ちょうど思春期で親を超えるとか、ぶつかるとかそういうときに病床にいたんですよ。先輩の男優さんでも早くにお父さんを亡くした人って多いんです。何かが欠けているということは、つらく大変なことだったりするんだけども、渇望感を自分のエネルギーに変えていくというのは、こういう仕事をする上で役に立つというと変ですが、原動力になっている気はします。
だから今回の 「おやじの背中」 というタイトルを聞いたときに、俳優をやりながら俳優の先輩たちを擬似おやじにしてぶつかっていったのを思い出しました。北大路欣也さんだったり山崎努さんだったり、勝新太郎さんだったり…。そういう巨大な壁にぶつかるのは僕にとってはある種の 「おやじの背中」 みたいなところがありますね。
母親と違うのは、おやじって少し距離があるんですよね。お袋は生んでくれたし全部抱えてくれるけど、おやじってどこかで突き放されるし、自分からも飛び出していくもんだし、イーブンになりたいって自分から背伸びする存在。プロデューサーはいいところに目をつけたと思いますね (笑)。結局色んな人のおやじ像がありますが、血がつながっていない親子ってこの話だけ。そういう意味では山田先生は面白い形で 「おやじの背中」 をみたいなところがありましたね。

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