渡瀬恒彦さん (以下、渡瀬) 普通台本を読むと、その場面の感情は頭で分かったり胸で分かったり、“感じるか、考えられるか”。そのどちらかなんですけど、今回の鎌田さんの本のラストは頭で考えてもよくわからないし、心情的にもどうなるのか (そのシーン撮影前の) 今も、実はまだ答えが出ていません。だからこれは勘九郎さんの胸を借りようと、撮影本番で感じたままを表現していこうと思っています。ここまでも現場では勘九郎さんには非常に助けていただいて、自分の中ではうまくいっているなと思っています。
中村勘九郎さん (以下、中村) 「助けられている」 なんてとんでもない、こっちこそです!そんなことおっしゃっていただいて、光栄ですし幸せです。今回、あまり経験のないドラマという分野で渡瀬さんとご一緒できるのは、本当に貴重な体験なので毎日幸せな時間を過ごしています。 言葉だけでなく秩父での札所参りや秩父の風景も含め全てが、戦っていたおやじの時代とうまく混ざり合った話になっていて、とても素敵な作品になっていると思います。