——まずはお2人の演じるプリティ原と堀コタツが、どのようなキャラクターか教えてください。
井之脇:プリティ原は「さんたまプロレス」の若手ホープ。ブリザード寿とスーパー世阿弥マシンである寿一を尊敬している可愛らしいプロレスラーですね。すごくマジメな性格なんですけど、ゾーンに入っちゃうと周りが見えなくなってしまう猪突猛進なところもあります。
三宅:堀コタツはプロレス団体「さんたまプロレス」の会長です。とても温かくてファミリー感のある団体で。立派な道場が借りられたり、トレーニング機材を手に入れられたりするのも、実は会長の人柄があってこそ。意外と人望のある堀コタツであります(笑)。
——井之脇さんはプロレスラー役ということで、鍛えられたと伺っております。
井之脇:長瀬さんほどではないですが、僕も約15㎏以上、体を大きくしまして。
三宅:すごいですよ。井之脇くんは『俺の家の話』の撮影に入る前は真反対のような役を演じていたっていうんですから。
井之脇:このドラマに入る直前まで、ほかの撮影があって。急いで10日間で10㎏ぐらい体重を増やしました。もう、ひたすら食べていました。プロレスラーの方は筋肉だけでなく、脂肪も付いていていいと聞いたので。本当は筋肉を付けてから脂肪を付けたかったんですけどね。脂肪先行で、後から筋肉を付けた感じです。
三宅:きっと“サシ”がいい感じに入っているんだろうね(笑)。
井之脇:はい。脂がのりまくった状態です(笑)。もうラーメン食べたり、カレー食べたり。炭水化物とたんぱく質をなるべく多く取るようにして、1日5食、間食が3~4回というペースでした。
三宅:おいしいものばかり食べていたんだね?
井之脇:はい(笑)。
三宅:横で聞いているとうらやましく感じるけど、実際にそれが続くときついよね?
井之脇:そうなんです。3時間おきに食べなきゃいけなかったので、食がきつくてきつくて。街を歩いているときラーメンの匂いがしてくると気持ち悪くなるぐらいでした。
三宅:それはきつそう!
——プロレスのシーンの撮影はいかがですか?
井之脇:練習で初めてリングに立ったときはドキドキしました。男心をくすぐられてワクワクしちゃって。リングの上で長瀬さんや勝村さんと対峙したときは不思議な感覚になりました。今まであまり感じたことがなかった男性的な部分が表に出てきた感覚があって、高揚もしました。ただ、体がバキバキになってしまって。最初のころは撮影の後、練習ができませんでした。
三宅:そう考えると、プロレスラーって本当にすごいよね?
井之脇:はい、スゴイと思います。
——プロレスラーの方に指導も受けられたんですか?
井之脇:はい。クランクイン前から今も実際のレスラーの方から指導を受けています。2021年の僕の仕事始めはプロレスの練習でしたから(笑)。撮影中はプロレスのことばかり考えています。
——三宅さんも撮影に入る前、何か準備はされたんですか?
三宅:僕は会長なので体重を増量するようなことはしていませんが、レフェリーもやっているので、普段からランニングをしたり、僕なりに動くようにはしていました。
井之脇:三宅さん、すごいんです。長瀬さんと勝村さん、僕らプロレスメンバーの中で誰よりも前転が上手なんです。
三宅:昔、器械体操をやってたんで(笑)。
井之脇:みんなでアップをしていると、誰よりも高くジャンプしますし、前転もキレイなんです。
三宅:本当はプロレスをやる側がやりたかったんだよ(笑)。
井之脇:スーパー世阿弥マシンも多摩自マンもプリティもリングに立てなくなったら、いよいよ堀コタツがマスクマンとして飛び出すんじゃないですか(笑)。
三宅:(笑)
——長瀬さんのプロレスシーンはいかがですか?
井之脇:すごいです!
三宅:すごいのひと言です。長州さんのラリアットを受けたときも迫力がありました。
井之脇:あれはある意味、うらやましかったです!
——ちなみにプリティは“ゾーン”に入ると、理性を失ってしまいますが、井之脇さんが撮影中、“ゾーン”に入った瞬間はありますか?
井之脇:“笑いのゾーン”ですね。長州さんが寿一にラリアットをするシーンの本番で長州さんが「行くぞ~、寿(じゅ)」って叫んで(笑)。 実際には、“じゅ”ではなくて、“ことぶき~”というセリフだったのですが……これ笑っちゃいけないのかなって思って、笑いをこらえるのが大変でした(笑)。
——最後にドラマをご覧になる視聴者の方にメッセージをお願いいたします。
三宅:僕らが担当するのはプロレスのシーンが多いので、そのダイナミックスさを感じていただければと思います。あと、相変わらずの宮藤官九郎節がいっぱい散りばめられていますので、そこのところも楽しんでいただきたいですね。
井之脇:後半はより家族の話に焦点が当てられて描かれていきます。僕も脚本を読んだだけで泣いてしまいました。長瀬さんたちのお芝居が加わることで、より深く、より泣けて、でも面白いものになっていると思います。ぜひ楽しみにしていてください!