俺の家の話

インタビュー INTERVIEW

観山 寿一 役 長瀬 智也さん 観山 寿一 役 長瀬 智也さん

——これまで宮藤さんの作品ではさまざまなキャラクターを演じられてきましたが、作品やキャラクターに対して、どのような思いをいだいていますか?

やっぱり自分が“面白い!”と思えるモノを作りたいと常に思っていて。20年前から宮藤さんとはお付き合いがありますが、いつも宝箱を開けるような気持ちでいます。今回も、ホームドラマでプロレスが題材になるドラマなんて、日本では観たことないなあと。良くも悪くも何かを壊せるような気がするので、そういう面白さを楽しみたいと思います。また、宮藤さんとご一緒できるというのも何かの縁だと思いますし。そして僕と宮藤さんのタッグを少なからず面白いと感じてくれている方もいると思うので、そういう人たちのために演じたいと思います。

——今回の作品にたどりつくまで、宮藤さんや磯山プロデューサーとどんなお話をされましたか?

最初、宮藤さんとは「親子の話はやったことないね」と話しました。僕と同じ歳の仲間にはみんな子どもがいて。親になった仲間を見たり、子どもと接したり、ニュースを見ていると、少なからず思うことはあります。でも、その思いを言葉にすることは、僕の中でタブーなんです。芝居や歌とかで表現するから、言いたいことが生きる。芝居を観ていただいた人にそう感じてもらえることが、僕は役者の仕事だと思います。それが正しいことであれ、正しくないことであれ。だから「レスラーである親が子どもを一人前に育て上げるメッセージが作品にのったらいいよね」と宮藤さんには伝えました。
例えば、ハンデキャップを持った人を、マイナスに感じる人もいるかもしれない。でも、考え方によってはプラスになるんじゃないか。引き算しかできない子がいたら、引き算だけを追求していけば、普通の計算以上の引き算ができるんじゃないか、って。でも、それって言葉だけじゃ伝わらないんです。そうやって生きている人や、演じている人を見て、初めて心が動かされるんじゃないかなって。突き刺さらない人は突き刺さらないけど、突き刺さる人には120%、ズドーンと心に刺さると思うんです。宮藤さんの作品では、そういうことを思いながら演じてきましたし、今回の作品はその集大成になると思っています。今の自分の歳でできること、伝えられること、やりたいことを宮藤さんに言って、そこから彼がいろんな肉付けをしてくれて。そんな作品を実現してくれるのが磯山さんだけだったというね(笑)。自分の伝えたいことを形にしてくれる宮藤さんと磯山さんが僕の近くにはいました。それがすごくうれしいですし、心強いことです。

——能楽の後継者でありながら、プロレスラーになった寿一。能とプロレス、まったく違うものを追いかける主人公を演じるにあたっては?

宮藤さんの脚本は静と動、真逆のものが出てきます。そこが宮藤さんの素晴らしいところだと思っていて。かたや600〜700年前に生まれた伝統芸能、かたや60〜70年前ぐらいに生まれたプロレス。生まれた国も違いますし、文化も違う。そして能は極力動かないことで何かを表現する。プロレスは感情をむき出しにして戦い合う。まったく違うものですが、パワーとしては能のほうがあるんじゃないかとも感じていて。人間の中のエネルギーを考えたら発散するよりも、内で沸々とたぎるパワーのほうがすごいんじゃないか……と考えたりもしました。実際、伝統芸能に触れてみて、僕なりに受けた感動をドラマで表現できたらいいなぁと思いますし。それはプロレスも一緒で。そういった人間ドラマを作る宮藤さんのセンスが僕に突き刺さっています。

——最後に金曜ドラマ『俺の家の話』をご覧になる視聴者の方にメッセージをお願いします。

面白いから観てくれ!とは言いたくないんです。何を食べたいかは、食べる人が決めること。美味しくない店なんて絶対にないと思っていますから。例えおいしくなくても、おいしさとは違う何かがきっと秘められているはずなんです。僕らの作品も同じで、誰かにとっては面白くなくとも、想像もつかないところで面白みがあったりするんです。長瀬が出ているから観ない、それでも全然かまいません。でも、少しでも気になったら観ていただきたいし、観てくださったからには絶対に損はさせません。それだけっす。ちょっとレスラーっぽいでしょ(笑)。

Back Number

  • 志田 さくら 役 戸田 恵梨香さん
  • 観山 寿一 役 長瀬 智也さん

このページをシェアする

Back to Top