——宮藤官九郎さんの脚本を最初に読んだときの感想からお聞かせください。
家で読んだんですけど、とにかく笑いました。久しぶりに宮藤さんの脚本を読んでワクワクしましたね。
——永山さんが演じられる観山踊介とは、どんなキャラクターですか?
観山家の末っ子で、普段は弁護士をしています。能の稽古もたまにしているみたいなんですけど、絶望的に才能がなくって。彼もきっと葛藤があったと思います。「寿一が奔放過ぎて堅実に生きるしかなかった」というセリフもあるぐらいで。これから能を舞うシーンもでてくるんですが、それをどう演じるか。能が下手というのともまた違いますからね。才能がないというのは。その難しさをどう表現できるか心配ですけど、楽しみでもあります。
——これまで能の舞台をご覧になったことは?
台本をもらってから調べたりはしましたが、実際に生で観たことはありませんでした。携帯の動画で舞台を拝見したことがあるぐらいで。先生のおうちにお邪魔させてもらって、謡っているところはお聞きしたんですが、舞はまだ観ていなくて。ただ、謡は聞いてもすぐに出せる声じゃないということは体感しました。
——踊介を実際に演じてみて、いかがでしたか?
家で台本をひとりで読んだり、どんなにシーンを想像しても、現場にくると壊されてしまいます。どの現場でもそうかもしれませんが、やっぱり現場ではみなさんがそれぞれのキャラクターを作っていて。特に西田さんが作り出す空気感の大きさにとても感動してしまいました。思わず笑ってしまいますし、観山家の長なんだなっていう実感も伴って。踊介的にはあまり笑ってはいけないところがつらいです(笑)。
——ほかの方の演技に引っ張られてしまうこともありますか?
もちろん、あります。荒川良々さんは、本番で芝居を変えてきますし。なんで、そんな言い方をするんだっていうぐらい、ニュアンスが面白くて(笑)。自分が想像もしていないキーでくるというか。だから自分のセリフが来るまで笑いをおさえないとって、変な努力をするときもあります。これからみなさんもどんどん温まって暴走してくると思うので、我慢をするのが大変かもしれません。
——長瀬さんと共演された感想を教えてください。
長瀬さんの作品は小学生ぐらいのときから観ていたので、今回共演ができてとてもうれしいです。食い気味で「そんなんじゃねぇよ!」ってセリフを間近で聞けて、ひっそりと喜んでいます。毎日感動しているんですけど、あまり表には出さないようにしています(笑)。
——最後に今回の作品の見どころをお願いいたします。
宮藤さんの脚本はもちろん、キャストの方も含め、面白い要素が満載です。家族の話ということで、どういう感動が待っているか。僕も楽しみにしていますので、ぜひご覧ください!