『居酒屋もへじ』

水谷豊&石井ふく子 第6弾!

インタビュー

水谷豊さん × 石井ふく子さん 特別インタビュー

(写真)

石井:私と水谷さんは東芝日曜劇場以来、23年ぶりにお仕事をさせていただきます。その後、水谷さんとはプライベートでお付き合いをさせていただいておりました。けれどある日、「プロデューサーとして水谷さんとお仕事をしなければ」と思い立ちまして、「お暇なときに、お仕事をご一緒させていただけませんか?」と相談させていただいたのが、『居酒屋もへじ』を制作することになったきっかけです。水谷さんは非常にお忙しい方なので、「台本を作って待っています。いつまでも待っています」とお伝えし、それ以上は追いかけないでおこうと思っておりましたところ、水谷さんのご好意で、このたびスケジュールを空けていただきました。台本を作り始めてから2年以上が経ったと思います。

水谷:数年前から「チャンスがあったら是非にご一緒しましょう」とふー先生と話していました。あっ、僕は石井先生のことをふー先生と呼ばせていただいているんですね。そんなふー先生と23年ぶりにご一緒できるということで、この仕事を長くやっていて良かったなと。すぐにでもご一緒したいと思っていたのですが、犯人を捕まえるのが忙しくて時間が取れなかったものですから(笑)…、やっとご一緒できることを嬉しく思います。

石井:物語の主軸となる「居酒屋もへじ」を経営しているのが、水谷さん演じる平次です。居酒屋を経営しながら平次がともに暮らしているのは血の繋がらない家族たち。そして、そこへ毎晩のように集まる平次の仲間たち。血の繋がらない人々が、遠慮なく意見を言い合い、家族のような強い絆で結ばれて暮らしている日常を描いた作品です。

水谷:僕は、“ふー先生はどのような本をお作りになるのだろう”と楽しみにしていたのですが、読ませていただいて、「ああ、なるほど。下町の人情ドラマか!」とワクワクしました。このような素敵な作品に出演させていただけるのだと思うと嬉しくなりましたね。台本を読んですぐに世界が広がりましたし、演じていて新鮮で楽しかったです。

―台本を読んだ印象はいかがでしたか?

水谷:ふー先生は“人が好きなんだな”と思いました。作品をご覧いただければふー先生が“どう人を好きなのか”をお分かりいただけると思うのですが、それぞれが色々な問題を抱えているのに、「こうなればいいな」という素敵な展開に描かれていくんです。

石井:希望があるドラマです。

水谷:そうなんです!かつては、こういう人情ドラマがもっとたくさんあったような気がするのですが…。今後、このようなドラマが増えるといいなぁと思いました。

―下町の人情ドラマになったわけ

石井:水谷さんも長く俳優をおやりになってらっしゃいますが、あまり演じたことのないような役を考えたいなと思いました。ひとりひとりの係わり合いが濃い作品にしたかったので、設定を居酒屋にしました。水谷さん演じる平次はざっくばらんな性格で、客相手にハッキリと物事を言います。もちろん客側も平次に対してハッキリと言います。今の時代、商売をしていると向かい合って意見を言い合える状況ってありませんよね。そんな環境を作る平次という人物は“水谷さんじゃなきゃ演じられない”と思いました。明るくて、言葉に説得力があり、ズケズケものをいっても愛嬌があり魅力のある方。ということで水谷さんにピッタリの役だと思いながら台本を作り上げました。また、他の出演者のみなさんも本当に素敵な方ばかりで、今回はいい仕事をさせていただいたと思っています。

―衣裳のこだわり

水谷:あまり気にしていないようでいて、少しオシャレな感じがいいと衣装合わせの際に相談させていただきましたが、平次に関しては、割烹着に手ぬぐいというイメージは、ふー先生も清弘監督もスタッフのみなさんがお持ちだったと思います。手ぬぐいを頭に巻くスタイルは、自宅で手ぬぐいを半分に切って巻いてみたことろ、“いいな”と思いまして提案させていただきましたが、これも僕が最初に言っただけで、みなさん(手ぬぐいを巻くというアイデア)が考えてらしたと思います。

―料理人の役はいかがでしたか?

水谷:料理人の役を演じたことはあるのですが、今回は料理を作るシーンがありましたので、包丁さばき・焼物・煮物など、細かいところまで教えていただきました。僕は普段は料理をやらないものですから苦労したといえばしたのですが…。逆をいえば、料理に対して純粋にむかえるので、「何も出来ない」という事はまんざら悪いことではないなと思いました。

―共演者に関して

石井:今回の共演者のみなさんは、水谷さんご自身1度も共演したことのない方が多かったとのことで、偶然ではありますが、何かの縁を感じるキャスティングになったと思います。

水谷:そうなんです。松坂慶子さんとは初共演なのですが、お互い児童劇団出身で同じ歳、同じ月に生まれて血液型も同じで…なんだか縁を感じました。奈良岡さんとも、桂文珍さんとも、六平さんとも初めてで…こんなに初めての方が多い現場は珍しいですね。みなさん素晴らしかったです。今、具体的に何が素晴らしいか質問しようと思っていますよね(笑)。具体的にいいますと、その存在自体が素晴らしいんです。芝居というのは決め事がありますが、演じる人によって全く違うものになります。俳優という職業柄、多くの方とお仕事をしているように感じますが、お会いしない方のほうが多いので、今回は素晴らしい方たちと出会えて嬉しく思います。

―最後に視聴者のみなさんにみどころをお願いします。

石井:少しでも多くの方にご覧いただければと思います。ご覧いただいた後、心に素敵なお土産を差し上げられるドラマになっています。お楽しみください。

水谷:みどころは一言では言えませんよ。なんせ、全部がみどころですからね(笑)。
えーっと、昔は「居酒屋もへじ」の登場人物のような人たちがたくさんいたと思うんです。普通の生活の中にある幸せ、人情、愛情。お互いを思いあう気持ちがあれば、どんな辛いことも乗り越えられるということを感じさせてくれるドラマです。最初から最後までご覧ください。

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