おてんき・かがく

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Q. 車が左にカーブするとどうして隣に乗ってる人は反対の右側に傾くのですか? 小3・おんな
A.

そうなのよね、右に曲がろうとすると体は左に持っていかれるし、左に乗ってると、右に持っていかれるし…反対になるよね。そうなのよ。
これはね、慣性の法則というのがあって、動いている物は真っ直ぐに進もうとする性質があるのね。車に乗っているときもそうなの。車は曲がっていっても、中に乗っている人は、真っ直ぐに進もうとするするわけ。
そうするとどうなるかというと、曲がろうとして引っ張られたのと同じぐらいの力で体を逆の方向に押し返そうとする力が生まれるの。だから、車が右に曲がると中の人はその反対側に押しつけられる様になるの。で、その時の力を「遠心力(えんしんりょく)」っていうんだけど、知ってるかな?

こども:知らない。

あのね、バケツにお水を入れてそのままグルグルグルって大きく回すと、バケツが逆さになってもお水はこぼれないの。
そういうのやったことある?

こども:ある。

あれはね、中に入っているお水が外側に行こうとする力が働くからこぼれないのね。
それと同じ事がこの場合は横の方向で起こってるの。
私はよくオートバイに乗るんですけど、オートバイでもやっぱり同じことがあるのね。

カーブを曲がるとき、曲がるのと反対の方向、つまり外側に体を持って行かれるんだけど、バイクの場合は、自分の体をぐっぐって曲がっていく方に傾けることでバランスをとるの。だからバイクは、自分で角度を調節してバランスをとるので転倒しないんです。
でも、車の場合は、傾かないでまっすぐのまま曲がるでしょう?だからどうしても曲がるのと逆の方に体をもっていかれちゃうの。

だからね、今度、車に乗っていてカーブを曲がるとき、曲がる方向と同じ方向に体を少しだけ傾けてみて。そうしたら反対の方に行かないから。
でもね、本当はゆーっくり曲がれば、反対側に体をもっていかれたりしないはずなのね。
そういうのが本当に「いい運転」なんだと思いますよ。


国際ラリーライダー・山村 礼子 先生
Q. 骨を折って、赤外線で治療している時にふと思ったんだけど、太陽電池っていうのは赤外線でも動くんですか? 小4・おとこ
A.

お姉さん:治療してる時にもこんなふうに考えるなんて、えらいね〜!もう治ったの?

こども:1ヶ月と2週間かかったけど、昨日で全部終わりました。

あの「太陽電池」っていうのはね、太陽の光のエネルギーを電気に変えよう、ということで人間が工夫して作っているのね。
で、太陽の光っていうのは、いろいろな色の光で出来ているんだけど、その、たくさんある色の中でもいちばん光の量が多いのは、真黄色よりもちょっと明るめの黄色なんです。
その色がある場所はどこかっていうと、太陽の光の中のちょうど真ん中あたりにあるんだよ。

それに対して紫外線っていうのは、太陽の光の中でいちばん外側・・・つまり、僕たちにいちばん近いところにあるんだけど、その紫外線の方にいくにつれて、光の量は少なくなっていくんです。
逆に、いちばん内側にあるのが赤外線なんだけど、その赤外線の方に行くにつれても、やっぱり光の量は少なくなっていくの。
真ん中の黄色いところからどっち側にいっても、光の量は真ん中よりは少なくなっちゃうんだよね。

で、太陽電池っていうのは、できるだけ太陽の光の量が多いところを使って、うまく発電するようにできているんだ。
だから太陽電池が使う光には、光の量が少ない赤外線や紫外線はあまり入っていません。さらに紫外線と赤外線のふたつを比べると、光のエネルギーは、赤外線よりも紫外線の方が強いのね。

だから、どちらかというと赤外線の方が、発電するのは苦手かな。

でも、もちろん太陽電池で使う光の中に、少しは赤外線も入ってますから、赤外線でも少しは発電できると思いますよ。
そうは言ってもやはり太陽の光がいちばん多いところをうまく使えるように太陽電池は出来てますから、赤外線だけだと、ちょっと大変だろうなぁと思います。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. オーロラはどうやってできるんですか? 小2・おんな
A.

お姉さん:オーロラ見たことあるの?

こども:実物はないけど、本とかテレビとかで見たの

お姉さん:きれいですよねー。私は一度だけカナダで見たことがあるんです。カーテンが揺れるようで、きれいでした…。

オーロラっていうのはね、太陽のエネルギーを使ってできるんだ。でね、地球は磁石でできるのは知ってるかな?
例えば、道を歩くときとかに使う方位磁石がいつも北を指すのは地球が磁石でできてるからなのね。地球は大きな磁石なんです。
そして太陽の光ってまぶしいけど、太陽から出ているのは実は光だけじゃなくて、色々なエネルギーも一緒に出てるわけ。
それでね、地球の磁石がそのエネルギーをひっぱってるんだ。
で、ひっぱる力が地球の中で一番大きいのが北極とか南極なの。
だから太陽からでた色々なエネルギーは北極とか南極に集まってくるんだよ。
そこで地球の上の方にある、チッ素とか酸素とかの空気のモトにぶつかるの。すると、そのときのエネルギーが光になるわけ。

まとめをすると、地球の北極と南極は太陽のエネルギーを集める働きがあるから、そこで太陽のエネルギーが集まって、で、空気のモトのつぶつぶにぶつかって、それが光を出してるんだ。


気象予報士・大野 治夫 先生
Q. お風呂の中は上があったかいお湯で冷たい水が下なのに、もっと冷たい氷を入れると浮いてしまうのはどうしてですか? 小3・おとこ
A. お風呂でそういう経験をしたことがあるのかな?
プールでもそういうときあるよね。
あのね、同じ大きさの入れものにそれぞれ、お湯とお水と氷を入れて重さをはかるとね、お水がいちばん重いんだよ。
お湯とお水と氷って、もともとは同じものだっていうのは知ってる?
でね、詳しくいうと、4度という温度をさかいにして、それより温度が高くなっても低くなっても体積が増えるんだよね。
つまり、同じ重さであっても、大きさは変わっちゃうの。
ということは、大きさをそろえると重さが違うんだよ。
4度に近くなればなるほど重くなるの。
4度ってお水のときでしょ?
だからお水がいちばん重くなるんだよ。
で、それよりも温度の高いお湯と、温度の低い氷はお水よりも軽くなるというわけなんだ。
青山学院初等部教頭・樋口 善一 先生
Q. オゾン層の穴が開いてしまっているところを治すことはできるのですか? 小6・おんな
A.

地球が生まれてからどのくらいしてオゾン層ができたかはよくわからないんだけども、空気がもうそろそろないなあという高度1万メートルくらいの所にオゾン層はあって、これが太陽からくる光の紫外線をうまく吸収してくれて、人間の生きる条件をよくしてくれたんです。

ところが、これが人間の発明したガス(フロンガス)によってこわされているということに気がついたのが、少し遅かったかもしれないんですね。だから大きな穴が開いてしまって、そこからは紫外線がじかに地球にとどいてしまって、そのためにひふガンが増えたり、いろいろと大変な問題が見つかっているんです。

オゾン層の穴を治すことは技術的には大変むずかしくて、むしろ地球を自然のままにおいておくと、いつかオゾン層が自然に治るんではないかということに今は期待しているようです。

でも人間はいろんな知恵をだしますから、このオゾン層を修理する方法もやがて見つけだすかもしれません。それまでに、オゾン層に穴を開けてしまうようなことを今生きている人間たちはやめなければいけないと思いますね。


自動車評論家・三本 和彦 先生
Q. 人工衛星は火の玉になって落ちてくることはあるんですか? 小1・おとこ
A. 人工衛星はいろいろな目的で作られて、その役目によって高度800キロメートルとか1000キロメートルとかの地球のまわりを回っているものもあれば、たとえば通信衛星とか放送衛星とかのように36000キロも地球から離れた軌道を回っている人工衛星もあるんです。
でもこれが役目が終わっちゃうと、宇宙のゴミになってしまって、やがてはやっぱり落ちてくるんですよ。
火の玉になるとしたら、地球をとりまいている空気に人工衛星がつつまれた時にその摩擦(まさつ)で熱をもって火の玉になるのね。
でもそんなふうにはめったになりませんね。
地球をとりまいている空気の層にぶつかると、こすられてすごい熱が出てそこでだいたい燃えつきちゃうの。
だから地上まで落ちてくるってことはめったにありません。
でも、たま〜には落ちてくることもあるけどね。
それもまるごとドスンと落ちてくるわけではなくて、途中で摩擦で燃えちゃって、燃えカスになった小さなものが落ちてくることはたま〜にあります。
今までにも、海の中とか砂漠に落ちたっていう例はあるけども、人が住んでる所の近くに落ちたってことは、まずないですね。
だから心配はいりませんけども、でもやっぱり、もう使われなくなった人工衛星は落ちてきて、地球をとりまく空気の中でほとんど燃えつきる、それを覚えておいてくれるかな。

科学ジャーナリスト・中村 浩美 先生
Q. 氷は、どうして表面から凍るの? 小5・おとこ
A.

僕も小学校の頃、冬休みなんかに、水たまりの水が凍るでしょ。それを朝、パリンって割るのがとっても好きだったんだ。持ち上げてみたりとかね。(笑)

さて、氷っていうのは水が凍ったものでしょ?
水は液体・・・5年生だから液体ってわかるよね。それと、水が凍った固まりは固体、そしてもうひとつ、気体っていうのもあるよね。
物はその3つに形をとることがあります。
で、水の場合は液体から固体になる、つまり、氷になる温度っていうのが0度、0度になると水は氷になるんです。
で、その時に、水たまりの下の地面の部分と空気に触れている水の表面と、どっちが寒くなると思う?
空気のほうだよね。そうすると、表面のほうから凍り始めてしまう・・・わかるよね。

冷蔵庫もそうだよ。水道の水を製氷器に入れて冷凍庫に入れるでしょ。
水道の水はまだ10度ぐらい・・あったかいよね。それを冷蔵庫に入れると、中は0度以下、マイナス18度ぐらいになってるから、表面のほうから凍り始めます。
この時おもしろいことに、表面から凍っていくと、中の空気が取り残されて、ほら、冷蔵庫で作った氷って中が白くなってるでしょ。 あれは空気が残ってるんだよね。それも、表面から凍っていくってことなんだよ。

そんなふうにして、冷たい物からあたたかい物に、あたたかい物から冷たい物に温度が変わっていくときは、その接点っていうのかな、触れ合っている部分からだんだん熱が伝わっていくので、水も表面から凍っていくということです。
冬休みの間にいろいろと研究してみるのもおもしろいよ。


五島プラネタリウム・国司 真 先生
Q. 山の高さはどうやって測るんですか? 小5・女
A. 山の高さは、「海抜(かいばつ)何メートル」という言い方をします。これは「海の水の表面から何メートル」という意味なんですね。
ただ、ここでひとつ問題があります。それは「海の潮の満ち引き」です。海はね、時間で水面が高くなったり低くなったりします。だからどこを基準にするかということが問題になります。
じゃあどうするかというと、一番波が高くなるところと、一番低くなるところの真ん中、つまり平均を取って基準としています。その場所を水準原点(すいじゅんげんてん)というんだけど、そこから山の高さを測っていきます。高さを測るポイントは「三角形」。
三角形には、「1つの角度と2つの辺の長さが分かれば、その三角形の形は決まってしまう」という性質があります。その性質を利用して、水準原点から距離がどのくらいか、角度がどのくらいかを調べます。角度は水平方向・横の角度と、垂直方向・上下の角度をたくさん調べて、それをつないでいきます。
そして初めて山の高さがわかるんです。これは街なかでも同じことをやってますよ。「測量(そくりょう)」っていうんだけど、棒を持っている人とそれを望遠鏡みたいなものでのぞき込んでいる人がいるでしょ。あの人たちは同じやり方で様々な場所の地面の高さを測ってるんです。山の高さを測るのも同じ事の積み重ねなんですね。

気象予報士・大野 治夫 先生
Q. 地層はどのようにつくられているんですか。 小6・おんな
A.

地層の「地」は大地の地、地球の地ですよね。つまり、土の世界なんです。で、「層」は「重なったもの」ということなの。だから地層っていうのは、簡単に言うと「重なった状態になっている岩や土のこと」なのね。地球は出来てから46億年くらい経っているんだけれども、その時代時代に岩や土が重なって出来たものの連続を地層っていうわけ。だから、地球の内部に近い地層を見ていくと古い時代が分かるの。発見された植物や動物の化石を調べると、これは何年頃の地層であるとか、何年頃はどういう土だったのか、どういう岩だったのかがわかってくるわけ。時々は、時代時代で重なっていくだけじゃなくて、突然入り込んじゃう地層もあるの。これはどうしてかというと、火山から流れ出してくる溶岩、これは地球の中から表に出てくるよね。火山が爆発すると、深いところにあった古い時代の溶岩が火山の勢いで噴き出して、新しい時代の層の上に積もるわけ。そういったものが地球の表面でだんだん重なっていくと地層をつくられていくの。だから地層を調べるっていうのは、地球の歴史を調べるという事につながるんですよ。

今井先生:山登りをしていると、地層が氷河や川で削り取られて、これを断層(だんそう)って言うんだけど、古い地層が表れているところがたくさんあります。だから山、特に岩山に行って岩肌を見ると、下の方からちょっと黄色みがあったり、赤っぽかったりしている地層が横縞になってるのを見ることが出来るの。こういうのを見るのって生きた勉強になるよ。

あと、日本と海外では歴史が違うでしょう?だから地層の様子も違うんだよ。特に大陸と島では違いが大きいです。日本は島ですよね。元々はアジア大陸につながっていたみたいだけどね。だから、重なって層を作る主な岩の種類とか、火山から流れてきた岩石の種類等が、地層によって違うから、そうやって世界を見ていくと違いがあって面白いかも知れませんね。


科学ジャーナリスト・中村 浩美 先生
Q. 化石は溶岩(ようがん)で溶かされるはずなのに、なんで発見されるんですか? 小3・男
A.

なるほど。
確かに溶岩はものすごく熱いよね。だから骨ぐらい溶かしちゃうかもしれないよね。

でもね、溶岩は地面のうんと深いところにあるんだ。それが時々火山になって出てくるの。
だから日本でも世界でも、溶岩はほんのわずかな場所にしかないんだよ。
だから溶岩のある場所で化石ができるということはまずないんだ。

でね、化石がどういうふうに出来てるか知ってる?

あのね、もちろん人間も含む大昔の動物たちが死んじゃった後、川で流されたりして土に埋まっちゃうんだよね。
その上には石や土などがたくさんつもるから、上からぎゅっ押されちゃって、固まっちゃうんだよね。周りにある石などの成分が骨の中に染みこんで、だんだん固くなるの。
そうすると動物や人間の骨は石のように固くなっちゃうんだよね。
そうしてできた化石っていうのは、本当に固くて、普通の石をぶつけても負けないぐらい固くなるんです。

たとえば何億年も前の三葉虫(さんようちゅう)の化石なんて本当に石みたいなんですよ。
そうしてできた化石は、その後何かの原因で土の上に出てくるんです。
長い時間が経つ間に、水などの力で川底が深くなったり、地層がずれたりして化石がある古い地層が出てきちゃうんだよね。
だから河原をちょっと掘るだけで化石が見つかることもあるんですよ。


国立科学博物館・馬場 悠男 先生

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