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これは、たしか「ドラえもん」でも同じ機械がありましたね。メガホンみたいな形の道具で、大きな方から人が入るとすごく小さくなれて、反対から入るともとの大きさに戻るんです。 メガホンは声もたしかに大きくなるけど、これは声のエネルギーが大きくなるとか、声が本当に大きくなっているわけじゃないんです。人間が声を出してお話する時、その声は前にも上にも下にも横にも飛んでいきます。メガホンで「ガンバレー」とか「かっ飛ばせー」とか言った時、丸くなっているメガホンは上にも下にも横にも声が行けないようにして、前だけにその声を届けます。だからまわりに行くはずの声も前の方に飛んでいくから声が大きくなったように聞こえるんだよね。 逆にメガホンを反対にすると、声はもともと広がっていきたいのに、無理やりすぼめる形になるでしょ。だから、せっかくの自分の声がメガホンに当たっちゃって自分のほうにかえってくるんだよね。すると声が小さくなったように聞こえるんです。 メガホンは声を本当に強くしたりする力は無くて、集める働きがあるだけです。実験すればわかるけど、となりでメガホンをつかって「うぁー」と言うと、となりにいる人にはあまり声が聞こえません。一方、メガホンをぎゃくにして「うぁー」って言うと、周りの人にはあまり声が聞こえないけれど、自分がすごくうるさいはずです。
ひまわりやアメダスのほかにも「レーダー」があって、今雨がふっているかどうかとかを調べたりしています。雲の量がどのくらいあるかを調べることもできますよ。今はね、コンピューターでいろいろと天気の情報が出てくる時代なんで、あまり空を見ることがなくなりました。でも、私たちがお天気を知りたいなぁと思ったらまず外に出て空を見ることからはじめます。それがとっても大事なんです。たとえば、ちょっと外が湿った空気が流れていると、「あ、もうすぐ雨が降るんじゃないのかなぁ」と体で感じることができるでしょう? まずはそれが一番なんです。 それからひまわりやアメダスの情報などをいろいろ見ます。毎日毎日天気図を見ていたり、ひまわりの写真を見ていたり、台風のときなどの雲の状態なんかを見ていると、あまりよく分からない天気予報図もだんだんわかってきますよ。その他、「船」や「飛行機」からデータをおくってもらったりもしています。気象予報士は、世界中からデータが集ってくるデータをしょっちゅう見ているということと、そして肌でお天気を感じるということを大切にしています。
磁石は、鉄でできています。しかしじつは、この世にあるすべてのものは、みんな小さい磁石でできているんです。それは道ばたの石ころもあなたの体もお水も空気もみんな小さい磁石なんです。でもみんなN極とS極があっちむいたりこっちむいたりしているから、全体としては磁石にならないんです。ところが鉄というのは磁石を近づけると小さい磁石がおなじ方向にぜんぶビシっと向いてしまうんです。だから、鉄と言うのは磁石にくっつくんですね。 磁石を作るには、まず鉄をあっためます。あっためてドロドロにとかします。それで、そこへ磁石をくっつけます。するとドロドロにとけた鉄が磁石の磁力(じりょく)の方向にビシッとむくでしょう。そしたら冷やすんです。冷やしてかためれば、鉄の中の小さな磁石がおなじ方向をむいたまんまになるわけです。そういって作ったのが僕らが見かける磁石です。しかし、磁石を作るのに鉄をドロドロになるまでとかさなくてはならないので、ふつうのおうちではできません。でもあきらめないでください。あなたにも作れるんです。どうするかというと、まず針を用意してください。針って鉄でできているでしょう。それを磁石で一生懸命こするんです。N極かS極、どちらでもいいんです。ただし、ただゴシゴシこするんじゃないんです。針をおさえたら、指のほうから先っぽにゴシッとこすり、もちあげて同じようにくり返しゴシッと同じ方向にやるんです。これをずっとやっていると針の中の小さい磁石がみんな同じ方向にむくんです。そしたら針は磁石になるよ。僕が小さい時は20回ぐらいでできていました。だから50回ぐらいがんばれば、針で針をもちあげられるようになると思います。
これは、どんな理科の本にも書いていないと思います。それにどんな「はかせ」もけんきゅうしたことがないと思います。僕もはじめて聞きました。きっと、いろいろな科学者に聞いても「えっ、そうなの?」とびっくりすると思いますよ。 では、どうしてゆずのヘタが下になってういてしまうのか? こうなるのは、ゆずはヘタがだけが重いのではなくて、ヘタのついているほうがぜんたいてきに重いからでしょう。水はなにかをうかべるといつも重いほうが下になるんです。たとえば、かなづちは鉄と木でできていますよね。鉄のほうが木よりも重いです。だから水の中にかなづちをしずめると、かならず鉄のほうが先に水にしずんで、木は上になるんです。これは、なんでもそうなんです。重いほうがかならず下にいくんです。 答えはだいたいわかりますが、これはこんなふうに答えを言っている僕よりも、それに気づいたあなたのほうがずっとすごいと思います。これは大発見かもしれません。 あなたはこのことに気づいたくらいだから、これからいろいろなものを見たり聞いたり、心をとぎすませていると、もっと色々なものが見えてくる人なんではないでしょうか? これからもたくさんいろいろなものを見たり聞いたりしてくださいね。
家や学校で実験をするということはありますか?こども:学校では空気をあっためたりした実験が好きです。 そうか、じゃあ空気を使った実験を教えますね。たとえば、おうちにダンボール箱がありますか? このダンボールにあなをあけるだけでも空気の実験が出来るんです。大きさはどのようなものでも大丈夫ですので、まず箱を組み立ててどこか一番ちいさい面積(めんせき)の所の真ん中にあなをあけます。「あな」の大きさはダンボールの一番小さい面をかたちづくる直線(ちょくせん)の3分の1から半分ぐらいの大きさのマルのあなをあけます。で、そのダンボールをバンとたたくとそのダンボールから空気のタマが飛び出します。空気砲(くうきほう)と呼んでいます。これがまたけっこう遠くに飛ぶんです。ダンボール箱はそんなに強くたたかなくても大丈夫ですので、箱を軽くたたいて遠くの人の顔に空気のタマをあてると、あてられた人は見えない空気のタマがいきなりぶつかってくるのでけっこうびっくりするんです。ちなみに飛び出すタマがどのようなものか見たい場合は、箱の中におせんこうなどのけむりをいれてあげてください。この空気砲を作るときにはくれぐれもカッターなどで手を切らないようにして下さいね。
まず、人工衛星(じんこうえいせい)とはロケットで打ち上げられる宇宙にういた「きかい」のことです。その「人工衛星」のなかでお天気のことを調べるものを「気象衛星(きしょうえいせい)」とよんでいます。この気象衛星はロケットで地球から3万6千キロメートルの遠いところに打ち上げられて、地球をずっとながめています。そして雲がどのように動いているのかをずっと写真でうつしていますね。 気象衛星のすぐれている所は、1時間ごとに雲の流れが分かる点ですが、そうすることで風の流れも分かります。ただ、この気象衛星は、じっさいのところ雲をうつしているのでなく、温度をうつしているのです。これは、温度の低いところが白くうつるためです。そうして「そこが雲だ」とわかるしかけになっているのです。また、海のところも温度をみることができます。だから、海の温度が高くなってきたら「ここは台風ができやすいなぁ」とか分かるわけです。 この気象衛星がなければ、お天気のよそうも出来ないと言われています。しかし、今打ちあがっている「気象衛星ひまわり5号」は、もう古くなってこわれそうになっています。来年の春には使えなくなりそうなんです。そこで、今はアメリカの「ゴーズ」という気象衛星をアメリカから日本のほうに持ってきているさいちゅうなのです。だから来年の春からは「気象衛星ひまわりからではなく、気象衛星ゴーズから天気をみてみましょう」というふうに言うことになるかもしれません。
まず、空気てっぽうで玉を押すとどうして飛ぶのかというと、棒を押すと中に入った空気がギューとちぢまるんだよね。そうするとバネと同じように空気も元の大きさにもどりたくなるんです。その力で玉はボーンと外に飛んでいくのですね。それをぎゃくに、棒を引くと空気てっぽうの中の空気がキューとのびるんです。そうするとバネをひっぱるのと同じで、棒を引いた方に玉がひっぱられてしまうです。ポイントは、空気はのびたりちぢんだりするということです。ちぢめればのびようとするし、のばせばちぢもうとします。空気の中にバネがあると思うといいんじゃないかな。
これは、原子(げんし)と温度のかんけいに大きな理由があります。 まず、原子(げんし)とはあなたの体やテーブル、おはしや宇宙もこの世にあるものはすべてのもののもとになるものです。僕らはすべて原子(げんし)という小さなつぶでできているんです。これは目には見えないほど小さくて、大きさで言うと1センチメートルの一万分の一万分の1です。ちょうど1億個ならべたときに1センチメートルになるくらいの小さなつぶなんです。この原子(げんし)は3つのすがたに「へんしん」します。ひとつは鉄とか氷みたいなカチカチにかたい固体(こたい)、水みたいなトロトロの液体(えきたい)、そして空気みたいなにふわふわで形がなく、ものすごくうすい気体(きたい)です。原子(げんし)は温度のちがいによってへんしんするのです。
温度が高い時はものは気体(きたい)になっていてすごいスピードでとんでいます。たとえば、あなたのまわりにある「空気」はだいたい時速(じそく)2000キロメートルぐらいです。新幹線(しんかんせん)の10ばいぐらいのスピードなんです。この空気の原子(げんし)はみんなの体にもボコボコぶつかっているんです。ところが、この原子(げんし)の温度が低くなるとスピードが落ちてきます。そうすると、もともとくっつきあう力をもっている「原子(げんし)」や原子の集まりである「分子(ぶんし)」はだんだんくっついてしまうんです。 気体(きたい)のときはすごいスピードでとんでいて、くっつかなかった原子(げんし)も温度が下がるととびまわるスピードがおそくなって、おたがいくっつき液体になります。それをさらに動かないように温度を低くするとさいごはかたまってしまうんです。これが固体(こたい)なんです。
空が晴れているのに雨がふるって本当にふしぎだよね。だから昔の人も「キツネのよめいりだ!」と言って「じぶんたちはきつねにだまされている」と思っていた時もあるんです。でも今では、その「りゆう」はわかっています。 雨はだいたい高さ3000メートルぐらいのところからふってきます。そして雨が落ちてくるはやさはだいたい1秒の間に5メートル。そうすると雨は、1分間に300メートル落ちてくることになります。さっき言ったように雨は3000メートルぐらいから落ちてくるので、空からおよそ10分間かかってじめんにおちてくるということになるんです。 だからぼくらが雨にうたれると、その雨はじっさいは10分前にふった雨ということになるんです。お天気雨は、その10分間のあいだに雨をふらせたくもがどこかにいってしまったり、きえてしまったりしたことを言うのです。いっぽう、雪はもっとおそく、1秒間に1メートル落ちてくるので、およそ1時間前ぐらいにふっているものだったりするんですよ。ちなみに「お天気雨」じゃなくて「お天気雪」のときは、それを風花(かざはな)といいます。
台風のしょうたいは、「熱帯(ねったい)で生まれた低気圧(ていきあつ)」です。その台風は空の上の風にながされて動くのです。おおよそ熱帯のところでは空の上のほうにふいている風がよわいので台風の動きはおそく、中緯度(ちゅういど)と呼ばれる日本に近づいてくると動きがはやくなります。一番はやくなるのは、日本を通りすぎるくらいの所で時速(じそく)60キロメートルとか、70キロメートルになるぐらいになります。なぜ日本を通りすぎるあたりで、台風が一番はやくなるかというと、このあたりにはジェット気流(きりゅう)という強い風がふいていてそれに台風がながされるのです。ジェット気流(きりゅう)は中国のほうから日本を通りこして太平洋のほうにふいているので、台風がはやく動くときには東や北東の方向に動くというのもポイントなんですよ。